A (人物編)

Tautmo Aagenfelt
タウトゥモ・アーゲンフェルト
誕生日:不明    死去:1303 NGZ

 タウトゥモ・アーゲンフェルトは、ヘリオートスの保塁(Heliotische Bollwerk)がソル系に持ちこまれたNGZ 1289年時点での、テラを代表する物理学者の一人。テラナーとノンッゴ(Nonggo)の間で行われた政治家と科学者の交換により、車輪領域トイラー(Sphärenrad Teuller)に赴いた。
 そこで、普段臆病なアーゲンフェルトは、ある技術施設を独断で探検し、迷子になってしまった。出口を捜す彼が、ある階段を降りたところ、そこは車輪領域の内側だった。彼は、自分がどこにいるかに気づくと、小休止の後、そこを登り始めた。しかし遅すぎた。テラ使節団はとうに転送で帰還しており、アーゲンフェルトは次の交換で地球へ帰らざるを得なくなっていた。
 ヘリオートスの保塁がトイラー系、ソル系で爆発し、アーゲンフェルトだけでなく、保塁の爆発によって街の区画全体が車輪領域の一部と入れ換わった北カルクッタ(Kalkutta-Nord)の住民は帰還の道が閉ざされた。
 ペリー・ローダン、レジナルド・ブル、フォレモン(Foremon)が無限架橋(Brücke in die Unendlichkeit)を通って北カルクッタへ来て、バオリン=ヌダ(Baolin-Nda)探索のためシャオゲン天界(Shaogen-Himmelreich)の探検隊を組織した時、彼は《カウラング》(KAURRANG)搭乗員9名に名を連ねた。
 アーゲンフェルトは当時サーカス団員だったモンドラ・ダイアモンド(Mondra Diamond)に夢中になったが、その恋は片想いに終わり、臆病な物理学者は軽蔑されてしまった。
 その後、彼は科学者チームの総責任者として《ソル》に搭乗した。

Sato Ambush
サトー・アンブッシュ
アンブッシュ  NGZ 375年日本生まれのハイパー物理学者。アンブッシュは身長1.68m、細い体つきをしている。大きな茶色の眼、薄い唇をした口、明るいクリアな声で喋る。髪はミリ単位にまで刈り込んでいる。かなり伝統を意識しており、たいていは着物を着ていて日本の食事における伝統、箸を手放さない。サトー・アンブッシュは、学問的新分野、パラ現実学(Pararealistik)の開拓者として認められている。サトーの研究しているこの概念は、大部分を東洋哲学によっている。それは例えば「気(Ki)」、これは体と心をつなぐ力として存在するものであり、あるいは21世紀に広まったチャクラ原理(Prinzip Zhakra)、これはすべての学問分野の内部の結びつきである(ネクシャリズム(Nexialismus))。彼は「気」で、自身だけでなく他人も、並行現実へと移行させることができる。アンブッシュはNGZ 426年、GOI(グループ・オーガニック・インディペンデンス(Group Organic Independence))のいくつかの計画に関与し、NGZ 448年タルカン艦隊(Tarkan Flotte)の一艦船に便乗し、このためメーコラー(Meekorah)への帰還が700年遅れた。ジオフリー・アベル・ワリンジャー(Geoffrey Abel Waringer)の悲劇の死の後、アンブッシュはその後継者となった。その後、彼はモトの真珠(Perle Moto)の問題に関わり、ナック(Nakken)の秘密を解き明かした。
 ある時空褶曲(Raumzeitfalte)でシンタ(Sinta)と対峙した際、彼は自分の生き写しに出会い、探検隊を救う唯一の方法として、彼自身がそこに残った。

Atlan
アトラン
アトラン 誕生日:10479年ドリアン(Dryhan)35日(B.C.8045年10月9日)   生誕地:アルコン I

 アルコン人アトランは、コスモクラート(Kosmokrat)の任務の際カルフェシュ(Carfesch)から渡された特製細胞活性装置で相対的に不死となった。活性化した脳セクターには「カメラ的記憶」と論理セクターを有する。アトランの性格には冷笑的言動傾向が強く現れている。このアルコン人は冷淡、尊大、善意を含むが嘲笑的、しかし悲しい漂泊者でもある。
 アルコン人アトランは、アルコン暦10479年、球状星雲タントゥル=ロク(Thantur-Lok)(テラ表記でM13)のクリスタル界アルコンIで生まれ、クリスタルプリンス(ゴサトール(Gos'athor))、アルコン大帝国を支配する皇帝ゴノツァル7世の王位継承者マスカレン・ゴノツァル(Mascaren Gonozal)として、波乱の幼少時代を過ごした。
 父が兄オルバナショル(Orbanaschol)によって殺害され、彼自身は皇帝の侍医ファルツルーン(Fartuloon)によって捕吏の手から救出された。母である皇后ヤグタラ(Imperatrix Yagthara)の命名希望にちなんで、ファルツルーンはこの若き王子をアトランと呼んだ。
 さしあたり彼は辺境惑星ゴルタフォア(Gortavor)に住み、アルコン年で18歳になるまで十分な訓練と教育を受け、研修星ラルガメニア(Largamenia)で、付帯脳(Extrasinn)と呼ばれるものの活性化と同義である《アルク・スミア》(ARK SUMMIA)第3課程を終えた。彼は師匠と養父から本当の素姓を知らされ、オルバナショルおよびその手先との戦いを開始した。
 アルコン暦10500年、ようやく兄殺しによる17アルコン年の長きにわたる暴虐な君臨が終焉した。皮肉にもオルバナショルの命日は、彼が兄を殺した日だった…。皇帝を継承したのはしかしアトランではなく、ウポク・フォン・ゴノツァル(Upoc von Gonozal)、ゴノツァル7世の2番目の異母兄弟だった。この名前は支配者の名前ゴノツァル7世の承継にもなっている。
 アトランは、ファルツルーンの謎の失踪後の新たな助言者と教師と友人、太陽を持つ者タルツ(Sonnenträger Tarts)に同行し、宇宙艦隊に所属し、エリート銀河航宙士官学校イプラサ・アカデミー(Galaktonautische Akademie von Iprasa)に進学、ハサトール(Has'athor)(提督)まで昇進し、アルコン暦10512年、B.C.8006年に第132戦隊「クリスタルプリンス」司令官になった。彼の初陣はある爬虫類種族の故郷星系で、そこではアルコン帝国から離脱してミニ帝国が創始されようとしていた。このアルコンに対する反乱は流血をもって鎮圧された。
 当時アルコン人にはラルサフ(Larsaf)星系と呼ばれていたソル系にアトランが滞在したその直後、通称「メタン人(Methans)」との対立が「熱い戦争状態」に入った。第23防衛戦の際にアトランは、グレク1108(Grek 1108)の部隊との戦いにおいて、自身の戦隊の第9小隊を失い、1年後、彼は戦いのさなかに、かの重要でもない天の川銀河系の辺境にある太陽系に配置転換となり、自身の未来をかく刻むこととなる。
 アルコン年で36.4歳、テラ年でおよそ43歳のとき、超知性体〈それ〉(ES)のロボット船に乗ったアトランは、コスモクラートの細胞活性装置とコンバーター砲の設計書類とを受領し、その大量投入でついにアルコンは戦争に勝利を納めた。アトランはケオナトール(Keon'athor)(艦隊司令)になり、ラルサフIII上の植民地アトランティス(Atlantis)は、さらに拡張されることとなった。
 太陽を持つ者タルツがアトランにちなんで命名したそのラルサフIIIの大陸が沈み、艦隊は全滅し、最後のアルコン人隊員のクノル(Cunor)も死に、アトランは海底に非常用として用意した防護ドームに避難した。
 迅速な救出に希望もなく、彼は深層睡眠でアルコンの捜索コマンドの出現、他の宇宙船の着陸、もしくはラルサフの蛮人がいつの日か独自の星間航行船を開発するのを待ち続けた。ドームのポジトロン施設と、動く高性能ロボット、リコ(Rico)とによる監視と看護の下、その流刑生活が1万年以上続き、幾度もかの蛮人に脇から助言と支援と文化をもたらすことになるとは、アトランは想像できなかった。

[B.C.8000頃〜A.D.2040: ] アトランは生物学的深層睡眠状態に入り、時折、後には自身の決めた間隔で、海底ドームのロボット管理装置とリコによって覚醒した。彼は地表に出かけ、人類の発展を観察し、可能性な限り加速した。
 これによってアトランは、超知性体〈それ〉の使命を、それと知らぬまま果たしていた。彼はいつも当時の歴史エポックに合わせた新たな変装で登場した。アトランは伝説の人物たち、セネカ、クビライ・カーン、クリストフ・コロンブスやレオナルド・ダ・ビンチらの友となり、助言者となった。最後の覚醒の前に彼が最後に干渉したのは、1970年/1971年の原子力エンジン開発への参加だった。
[2040: ] アトランは再び深層睡眠から覚醒し、地球は彼が危惧した原爆戦争による荒廃に陥らず、それどころかいつの間にか建国された太陽系帝国(Solaren Imperium)の首都になったことを知った。テラの宇宙船によるアルコンへの帰還を模索した彼は、ペリー・ローダンと初めて出会う。当初の確執の後、数千年におよぶ友人関係と協力関係が始まった。
[2044: ] ロボット摂政(Robotregent)に対する共闘の後、アルコン人およびその大帝国の種族に対する支配部としての機能停止に成功。アトランは、崇高たるアトラン・マスカレン・ゴノツァル8世・ダ・アルコンとして、アルコン暦19014年、第496代アルコン皇帝となった。
[2114/2115: ] 2114年12月31日、アトランは皇帝を退位し、2115年7月1日、政務大提督(Regierender Lordadmiral)として、新設の星際連合(United Star Organization)の長に就任した。この後、頻繁に意見の対立に陥りつつも、ペリー・ローダンとの卓越した協同作業で数多くの人類の危難、例えば島の王たち、ウレブ(Uleb)、大群(Schwarm)、ラール人(Laren)といった危機を乗りきった。
[3460-3581: ] アトランは地球消失と太陽系帝国滅亡(USOの政務大提督の職も大執政官と同時に3499年12月31日に消失)の後、新アインシュタイン帝国(Neue Einsteinische Imperium)を建国し、3500年の第1回選挙で10年任期の大統領に就任した。彼は3582年まで再選された後、その職をジュリアン・ティフラー(Julian Tifflor)に譲った。
[3582: ] ペリー・ローダンとの新たな確執の後、3582年2月17日、失われた地球を再び見つけるために世代宇宙船《ソル》(SOL)で旅立った。
[3587年11月10日: ] アトランはコスモクラートの選任により、《バジス》(BASIS)に乗船、人類の使者として我々の宇宙から姿を消した。ずっと後に明らかになったことだが、関係者全員が思っていたことと違い、物質の泉の彼方のコスモクラートのところにすぐに到着したのではなく、最初に物質の泉と通常宇宙の間の無名ゾーン(Namenlose Zone)に到着し、かつてそこに追放された〈反それ〉(Anti-ES)との厳しい戦いにそこで決着をつけていた。(以後の暦の乖離は天の川銀河系にアトランがいなかったせいである。彼は200年行方不明だったため、故郷銀河系で新しい暦が施行されているのを知る由もなかった。よって彼は天の川銀河系に帰還するまで旧暦を使い続けた。)
[3791年3月4日: ] コスモクラートの下から帰還。物質の泉の彼方で何が起きたか、そこで何を見たのか誰も思い出さなかった。この宇宙に逃げ込んだアトランは、あるブールロス(Buhrlos)グループに発見され、〈ソル〉に乗船。この船はソラナーたち(Solarner)に200年前に引き渡され、大きな危機を迎えていた。船の秩序回復をめぐる争いと重要な経験により、アトランは人間的に、精神的にさらに成熟し、宇宙の摂理に関する根本的展望を得た。ファーンハゲール=ギンスト(Varnhagher-Ghynnst)の探索と平和細胞(Friedenszellen)の構築。
[3811年9月16日: ] クランドール星系(Krandhor)に到達し、アトランの200年にわたるクランドールの預言者(Orakel von Krandhor)の客演が始まる。
[4012=425 NGZ: ] 彼の覚醒後、預言者役が委譲され、〈ソル〉に乗って故郷銀河系へ帰還。
[426 NGZ: ] アトランは〈ソル〉司令官として銀河系艦隊(Galaktischen Flotte)に所属、艦隊とともに無限艦隊(Endlose Armada)に侵攻した。M82銀河系にて彼は艦隊蛮族(Armadabarbaren)の指導者となり、彼らとともに無限艦隊の運命を決定づけた。銀河系への帰還後、彼はイェン・サリク(Jen Salik)と深淵(Tiefe)に赴き、そこで来るべきトリークレ9(TRIICLE-9)帰還の準備を行った。これによりアトランは深淵の騎士(Ritter der Tiefe)に任じられた。再び使命を遂げた後、彼はこの地位を捨て、このためコスモクラートは罰としてペリー・ローダン、イェン・サリクとともに局所銀河団(Lokalen Galaxiengruppe)から追放した。
[448 NGZ/1143 NGZ: ] NGZ 447年になってようやく追放が解け、アトランはエスタルトゥ(ESTARTU)の力の球形体(Mächtigkeitsballung)内で、網を歩む者(Gänger des Netzes)の一員となり、宗教戦士集団(Kriegerkult)との戦いに勝利した。アトランはタルカン連合艦隊(Tarkan-Verband)と695年を停滞フィールド内で過ごし、その後モノス(Monos)と戦った。
[1147 NGZ: ] モノスの死後、アトランは躍進するアルコン種族の偉大なリーダーとなり、しばしば「皇帝」「クリスタルプリンス」と呼ばれた。
[1169-1174 NGZ: ] アトランは〈それ〉に細胞活性装置を返還しなければならなくなり、リング人と対立した。これはペリー・ローダンと対照的に、最初彼らを信用できなかったからである。〈それ〉救出後、彼の体に細胞活性チップが埋めこまれた。その翌年、アトランはGAFIF、「アルコン革命調査研究所(Gesellschaft arkonidischer Forscher für Innovation und Forschung)」を創立し、これはある意味で第2のUSOと思われた。内部抗テロコマンドの長はヤート・フルゲン(Yart Fulgen)。彼の傍にいつもいたのはアリガのテータ(Theta von Ariga)。しかし彼は政治上の意見の相違から結局この組織から離れた。
[1200 NGZ: ] 最初の「デッドゾーン(Tote Zone)」がソル系を取り囲んだ際、アトランは救出措置をオリンプ(Olymp)から指揮した。第2の「デッドゾーン」に、彼はアルコン上で閉じ込められた。そこで彼は紡錘(Spindel)を発見、しかしこれは後にパウナロ(Paunaro)が模造品であることを指摘した。
[1206 NGZ: ] 大空虚でアトランはまずカナズ(Canaxu)への探検を指揮し、それにはパウナロとコロウンシャバ(Colounshaba)も同行した。
[1222-1288 NGZ: ] 銀河系勢力比が変化し、LFTとフォーラム・ラグルンド(Forum Raglund)に加えてアルコン・クリスタル帝国が創立し、この拡大に対抗を表明したアトランは、ナショナリズムに染まるかの国に対する抵抗組織《イプラサ(IPRASA)》を設立した。しかし並行して彼は細胞活性装置保持者のプロジェクト・キャメロット(Projekt Camelot)とも協同。彼はアルコン帝国で「好ましからぬ人物(Persona non grata)」となったにも関わらず、もしくは、まさにそのために、女皇アリガのテータの死は彼が指示したものであるとの主張が大きくなっていった。
[1289-1290 NGZ: ] ペリー・ローダンが無限への架け橋(Brücke in die Unendlichkeit)を越えて別の銀河系へ流された間、アトランは全天の川銀河系を脅かすトルカンダー(Tolkander)とゴエッダ(Goedda)の危機に対処しなければならなかった。ヘリオートスの保塁の爆発後、ジェルロ(Dscherro)がテラを襲った際には、キストロ・カン(Cistolo Khan)を助けた。

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