D (人物編)

Dabrifa
ダブリファ
誕生:3434
 ダブリファ帝国(Imperium Dabrifa)の専制独裁者。細胞活性装置所持者。ダブリファは長身でスマートな植民テラナー(Kolonialterraner)。黒髪で、精神的にも肉体的にも柔軟性があり、知性も高く、必要ならば腰を低くして愛想よくできる。しかし個人的および政治的目的を達成するときには、良心のとがめなく仮借なく断固として行動する。彼の細胞活性装置は第2次遺伝子危機(Second-Genesis-Krise)の最中にいやらしい策略によって手に入れたものである。彼は、3434年のいわゆる寛容革命(Toleranzrevolution)で死に、彼の独裁は選挙民主主義に取って換わられた。彼の細胞活性装置はグッキーがカピン人オヴァロン(Ovaron)に手渡した。

Lemy Danger
レミー・デンジャー
誕生:2234, シガ
 惑星シガ(Siga)の環境適応テラナーで、USOスペシャリスト。デンジャーは身長22.21cm、肩幅63mm、体重はたった852.18g である。肌の色は他のシガ人同様に淡いマイルドグリーン、髪は濃い黒である。デンジャーはシガ人としての特殊能力をUSOの教育によってさらに高めた。
 2234年生まれで、92歳でUSOスペシャリストとして注目を集めることとなった。この時にはよくエルトルス人メルバル・カソム(Melbar Kasom)と共同作戦にあたった。階級は少佐兼作戦隊長だが、キャリアを積むにつれ将軍まで昇進した。イタチのように敏捷で、英語で危険という意味をもつ自分の苗字には特に誇りを持っている。その身長を利用してデンジャーはしばしば、鳥、小哺乳類、小爬虫類などの着ぐるみを装着して特殊任務につく。作戦中アンネ・スローン(Anne Sloane)の細胞活性装置を誤って破壊したという、有名な悲しむべきエピソードもある。レミー・デンジャーはUSO歴の初期にシガ人のミトラと結婚し、すぐ父親となった。息子の名前はボジルである。

Roi Danton
ロワ・ダントン
誕生:2405.8.16, テラニア(アジア), テラ
 ロワ・ダントン、ローダンの息子マイケル・レジナルド・ローダンの変名。2405年8月16日テラニアにて、スーザン・ベティ・ローダンとの双子として生まれた。名づけ親はレジナルド・ブル。教育課程(宇宙航行(Kosmonautik)と高エネルギー機械工学(Hochenergie-Maschinenbau))修了後、マイケル・ローダンは2429年11月に父親の生活圏から姿を消して消息を断った。これは自身の力で自分のアイデンティティを見つけるためだった。
 2435年8月、彼は新たな姿で公に歩み出た。ダントンは1.89m、痩身でスポーツマンとして鍛錬した体型である。生来の赤いブロンドヘアは黒いカールヘアに変え、その顔は男性的で決断力を感じさせ、それはダントンの行動にも現れている。彼はロココ風貴族の洒落男の役をこなし、気取って踊るように動き回り、大げさで機知に富んで、からかうがごとくの喋り方をする。衣装は、ビロードの膝丈半ズボン、ひだのついたシャツ、宝石のついたベルト留めの靴、三つ角の帽子(トライコーン)、旧式の撃針銃(Perkussionspistolen)と騎士の剣を持っている。それと知らなければ、その双身銃(doppelläufige Pistolen)と剣が最新式武装システムのカムフラージュとはわからない。ダントンの立場はボシックの星(Boscyks Stern)の自由商人(Freihändler)の「王(König)」である。母船は《フランシス・ドレーク》(FRANCIS DRAKE)で、親衛隊長はオロ・マスト(Oro Masut)。ダントンはそこでは、18世紀末フランスの劇に出演する廷臣そのものである。
 自由商人と出会ってから、彼はその組織に自身の才覚で、双子の姉に運用を一任している巨額の財産に頼ることなく苦労の末に出世し、自由商人に厳しい規律を備えさせ、営業上の信用と他種族に対する寛容を保証できるまでに育て上げた。その後、彼は父親と同じ目標に向けて、ただし違う手段と、スーザン・ローダンの経済的技術的援助を得て戦うようになる。父親との長い対立の後、ようやく正体を現わし、和解した。
 2437年、ロワ・ダントンはウレブ(Uleb)との最後の決戦の際にエネミー星系(Enemy-System)で死んだと思われた。最後の瞬間、恒星エネミーが既にノヴァと化したその時、ウレブの捜索から逃れるために、あるグラド(Gurrad)によってタイムマシンで送出された。ダントンは過去へ送られ、知らないステーションにたどり着いた。転送機によって彼は土星衛星タイタンに到着、そこで同じように捕らわれていたメルコシュ(Merkosh)に出会った。3434年、ゼロ時間デフォルメータ(Nullzeit-Deformator)による時間旅行計画で、二人は発見、救助された。ダントンが過去にいた期間は、現在時間にして997年もの間に及んだが、その間老化しなかった。生物学的に32歳でイワン・イワノヴィッチ・ゴラチン(Iwan Iwanowitsch Goratschin)の細胞活性装置を所有、それにより相対的に不死となった。
 以後彼は太陽系帝国において責任ある地位を務め、後にはLFT指導部内のテラ最高評議員(Oberster Terranischer Rat)となった。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)設立にも積極的に貢献し、ウィング人(Wyngerin)のデメテル(Demeter)と婚姻契約を結んだ。時がたつにつれ、彼はロワ・ダントンという役割を演じなくなり、やがてショーとしてたまに演じる程度になった。NGZ 426年、フロストルービン(Frostrubin)進攻の際、《バジス》(BASIS)最高指令官(Oberbefehlshaber)兼ハンザ発言者(Hanse-Spracher)に就任。エスタルトゥの力の球形体(Mächtigkeitballung ESTARTU)での事件で、ロワ・ダントンはトシン(Toshin)とされたが、宗教戦士集団(Kriegerkult)の終焉によって解放された。エスタルトゥから帰還後、彼は対カンターロ(Cantaro)戦のため新たに結成された自由商人(抵抗組織)の指導者を引き受けた。NGZ 1169年、他の活性装置保持者同様、自分の細胞活性装置を〈それ〉に返還した。しかし4年後、彼もまた細胞活性チップ(Zellaktivatorchip)を授かる。
 NGZ 1238年、プロジェクト・キャメロット(Projekt Camelot)の細胞活性チップ保持者ほぼ全員が安否を気遣う中、彼はジュリアン・ティフラー(Julian Tifflor)とともに炉座(Fornax)への途上で消息を絶った。外的要因は知られておらず、失踪は謎に包まれている。

Dao-Lin-H'ay
ダオ=リン=ヘイ
 カルタン人(Kartanin)、種族でも指折りの輝かしい経歴を持つ偉大な家系の出身。当初は保護者(Protektorin)で、炉座(Fornax)からのパラタウ(Paratau)出荷管理を担当、その後NGZ 430年7月にアルドゥスタールの声(Stimme von Ardustaar)に応じ、新カルタン長距離宇宙艦隊(Fernraumer-Flotte der Kartanin)司令官を務める。これは約4000万光年離れたエスタルトゥ(ESTARTU)の力の球形体(Mächtigkeitballung)に属する銀河系への遠征を成功させるための武装艦隊である。
 ダオ=リン=ヘイの少し模様の入った滑らかな毛皮は、風変わりなグレー。目の上には黒く太い眉がアーチを描いている。三角形の猫の耳に加え、ジェスチャーと声も、かの生物を思わせる。
 ダオ=リン=ヘイは新型ウムバリ艦(Umbali-Schiff)に乗って出発した。一行は惑星フバイ(Hubei)をエスタルトゥ内の最初のカルタンコロニーとした。ダオはさらに惑星を開拓し、ラオ=シン計画(Projekt LAO-SINH)を強く推し進めた。しかし、死に瀕したウィザード(Wissenden)(→アルドゥスタールの声)のひとりの席を埋めるために、三角座銀河(Triangulum)へと召還された。ウィザードが終焉を迎え、宇宙的な大災厄が過ぎ去り、その影響で695年間停滞フィールド(Stasisfeld)に捕われていたダオ=リン=ヘイは、ハンガイ(Hangay)銀河系の評議員と、ギャラクティカム(Galaktikum)の旧カンサハリヤ (Kansahariyya) 全種族代表に就任した。
 彼女によく同行するロナルド・テケナー(Ronald Tekener)とは、深い友情で結ばれ、それはさらに親密な間柄となっていった。NGZ 1173年に彼女は〈それ〉(ES)から細胞活性チップを受け取った。カルタン人内部の対立解消のために、大空虚(Großen Leere)への最初の探検には、ダオ=リン=ヘイは参加しなかった。第2回大空虚探検隊には参加した。
 ヒルドバーン(Hildobaan)にて彼女の率いた投入部隊は、マシュター(Maschtaren)のひとりの捕獲にほぼ成功。パーム=オクタンテン(Perm-Oktanten)の居住惑星で、この投入部隊との戦闘によりマシュター・カイダン(Maschtar Kaiddan)は死んだ。

Galbraith Deighton
ガルブレイス・デイトン
誕生:2869 死去:1147 NGZ
 太陽系帝国時代には太陽系元帥(Solarmarschall)で、第一感情エンジニア(Erster Gefühlsmechaniker)とも呼ばれる。アラン・D・マーカント(Allan D. Mercant)を継いで太陽系情報局(Solaren Abwehr)長官を務めた。この2869年生まれのテラナーは、背が高くすらりとして黒髪。性格は内面のバランスと個人感情の自制とがよく行き届いている。デイトンは実務的、几帳面、そして最短の時間で新状況に適応して判断をまとめ、迅速に決定へと運べる人物として知られる。感情エンジニアという概念はこの太陽系情報局長官(SolAb-Chef)の特殊能力のことで、これはテラニアシティのスペシャルアカデミーでの訓練によるものである。彼は感情的な脳波と感情の振動を単独の人物からだけでなく、群集からも正確に識別し、自身の行動を成功に導く。このおかげで、デイトンは犯罪学者としても天才、諜報技術に関しても天才である。2909年に細胞活性装置保持者となり、以後生物学的老化プロセスは40歳で停止している。この装置は第2次遺伝子危機で亡くなったミュータント、アンドレ・ノワール(Andre Noir)から受け継いだ。太陽系帝国の終焉の後、デイトンはLFT(→自由テラナー連盟(Liga Freier Terraner))の指導部に所属した。その後、宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)設立に積極的に取り組み、防衛長官兼ハンザ発言者(Hanse Sprecher)となった。
 タルカン遠征(Tarkan-Expedition)出発のNGZ 448年以後もデイトンは故郷の天の川銀河系に留まった。最初のカンターロ(Cantaro)出現、そして最初の攻撃を受ける頃、デイトンはNGZ 491年1月、細胞活性装置を何者かに盗まれてしまう。その後カンターロ(Cantaro)は、彼を一体のサイボーグに収納して生命を維持させた。これにより、彼は完全に制御信号網の中の一部になってしまった。彼の意識はこのサイボーグのたったひとつの生物学的コンポーネントに貯蔵された。ペリー・ローダンの天の川銀河系への復帰(NGZ 1144年)により、二人は秘密裏の会合を持つが、回廊の主人(Herren der Straßen)からの死のインパルスによって、その存在を消されてしまった。

Demeter
デメテル
死去:448 NGZ
 ウィング人(Wyngerin)でその外見は際立って美しく、およそ27歳、身長1.60m、ほっそりして完璧なプロポーション。皮膚の色はブロンズ、髪は魅惑的な銀色に輝き、目は大きくダークグリーンでアーモンド形。顔の輪郭、細い鼻筋、豊かで官能的な唇はギリシャ彫刻のようである。デメテルの体はスポーツで鍛えられ、体の管理も万全である。深く沈んだ声をしていて、神秘的に、異質に響く。
 約8000年前デメテルは、宇宙の輪(Alles-Rad)の指示に従い、ライレの目(Laires Auge)を捜し出すための捜索コマンドの一員として地球にやってきた。当時の地球の文化(前ミノス文化)はデメテルに強い印象を受けたため、ギリシャの神々と神話世界の女神デメテルと、パンドラの伝説(パン=タウ=ラ(PAN-THAU-RA)を参照)にその影響が残された。3586年、デメテルはクレタでの発掘作業中に、エネルゲティック深層睡眠保存状態(energetischer Tiefschlafkonservierung)で発見された。再覚醒直後はわずかなデータしか思い出せなかった。《バジス》(BASIS)に搭乗し、アルグストゲルマート銀河系(Galaxis Algstogermaht)に帰還して、初めて彼女の過去の謎が解明された。
 デメテルがツバ=オーラ(Tba-Aura)を操れることも判明した。これは、分子変形能力者(Molekül-Verformern)に支配されるのを防ぐだけでなく、彼女が居合わすだけで分子変形能力者は模造体の輪郭が維持できなくなるという効果もあった。デメテルの傑出した女性的な魅力のため、《バジス》搭乗中の長期間、ロワ・ダントン(Roi Danton)、パイネ・ハミラー(Payne Hamiller)、プロンドフェア(Plondfair)によって水面下および公然の争いが繰り広げられ、結局デメテルはペリー・ローダンの息子を選び、彼と婚姻契約を結んだ。デメテルはウィング人文明の謎の解明に大きな役割を果たした。
 彼女はNGZ 448年、致命的な遷移ショックにより、死去した。

Sylvia Demmister
シルヴィア・デミスター
 アフィリー(Aphilie)時代の、恒星メダリオン(Medaillon)からの破滅をもたらす放射線に対する免疫者のひとり。この若く魅力的な女性テラナーは、快活さを装い、アフィリーに染まった地球の人の群れの中、必要とあらばどんな手段を使っても自分を守るということを学んだ。彼女は恋人のセルジオ・ペルセラー(Sergio Perceller)と共同で「愛の本(Buch der Liebe)」を著した。二人はアフィリーが出現し、ペリー・ローダンから権力が奪われ、《ソル》(SOL)が発進してからの歴史を暗記した。二人は3580年の地球において、愛を遺す最後のペアのうちの一組だった。

Conrad Deringhouse
コンラッド・デリングハウス
誕生:1948
 1972年当時は若い少尉でUS宇宙軍(US Space-Force)の宇宙飛行士、ペリー・ローダンに共鳴。後に第三勢力(Dritte Macht)の将校に、さらには銀河航宙士(Galaktonaut)となり、ペリー・ローダンの乗艦の猪突猛進型最優秀パイロットとなった。デリングハウスは1948年生まれで、身長は高く髪は淡いブロンド。顔にはそばかすが多数見られ、刻みこまれたユーモア感覚を示し、それはさし迫った状況下でも失われることはない。

Dobrak
ドブラク
 ケロスカー(Kelosker)の計算マイスター。バラインダガール(Balayndagar)終焉直前の3578年に(他の45人のケロスカーと共に)《ソル》(SOL)に乗船したとき、ドブラクはすでにかなりの高齢だった。彼には仲間と違って6個のパラノーマルな突起があり、自身が多くの計算人の転生であることを示している。自身の個人的な過去の記憶は完全に失われているが、そのかわりに種族の7次元知識全体が彼に蓄積されている。彼は卓越した方法でその知識を用い、あらゆる種類の存在や物体とn次元的事象とを純粋な数学的組合せとして理解し、推測する。ドブラクは、ペリー・ローダンの世代船《ソル》がダッカルディム・バルーン(Dakkardim-Ballon)内にあったとき、人類でない者の中で当時最も重要な協力者だった。
 アンソン・アーガイリス(Anson Argyris)、カーシル・ヴァン(Kershyll Vanne)との80年計画の共同作業を完遂した後、彼は生き残りのケロスカーらと共に、超知性体テルムの女帝(Superintelligenz Kaiserin von Therm)の中へと姿を消した。

Stalion Dove
スタリオン・ダヴ
 NGZ 427年時点での二百の太陽の星(Hundertsonnenwelt)のハンザ・スペシャリスト。スタリオン・ダヴはオクストーン人(Oxtoner)で、身長1.70mの筋肉質。黒のオーバーオールに黒のブーツ、さらにユーモアもブラックである。ダヴはへリオンエンジニア(Helioningenieur)の特殊訓練を受けている。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)の任務により、彼は新たな人工太陽の防衛線で冷気のエレメント(Element der Kälte)から二百の太陽の星を守り、エレメントの十戒(Dekalog der Elemente)に対する防衛委員会の委員長となった。
 この年の8月、ダヴは十戒によって改造されたポスビ(Posbi)の虜囚となったが、ウィリー・マット(Matten-Willi)と自称したものに助けられて脱出、十戒との戦いを開始した。まず封鎖フィールドジェネレータ(Sperrfeldgenerator)の破壊に大きく貢献、続いてペド転移装置を使って十戒基地へと転送突入した。ポスビの中央プラズマの助力により、3体の宇宙巨人(Raumriesen)の覚醒に成功、その夢見る意識体によって基地は機能を失った。宇宙巨人の覚醒によって基地は破壊され、あるいは通常宇宙へ落ちていった。

感想、誤訳指摘歓迎: 掲示板です あるいは へどうぞ

ネーサン旧版入口 / PRTP入口