R (人物編)

Blo Rakane
ブロ・ラカネ
 ブロ・ラカネは身長3.35mと比較的小柄なハルト人。皮膚は白で、色素が全くない。他のハルト人と異なり、ラカネはテルコニット鋼(Terkonitstahl)なみの固さに体の密度を高める能力を持たないが、成体であるにも関わらず体重は「たったの」約1500kg(31 Zentner)である。ハルト人に典型的な「衝動洗濯(Drangwäsche)」も経験しなかった。この白いハルト人は、ダークブルーの戦闘服を常に着用し、同族の赤い服は着用しない。これは、自分の身体的欠陥を考えると、標的になって歩きまわる必要はないという考えからである。
 ブロ・ラカネは自分の身体的欠陥にも関わらず、もしくは、それゆえにか、ハルトの産んだ最高の科学者の一人である。

Noviel Residor
ノヴィ―ル・レシドー
 NGZ 1239年テラニア生まれのテラナー。身長1.89m、ほっそりとして、少しのろまの印象がある。はげて角張った頭蓋、ダークブルーの眼、まっすぐな鼻、大きな口、不必要な身振りも言葉も一切なし。発音は正確で、ささやくような小声だがよく聞き取れる。手は細いが力強い「義手」である。
 着るのは目立たない、どちらかといえばカジュアルな服で、流行のアクセントは一切なし。レシドーは論理学を研究していたが、22歳で大学を中退。冒険欲からテラ連盟勤務(Terranischen Ligadienst)となり、そこでトップエージェントの訓練を受けた。初仕事は25歳、そこで彼はリスクを計算した猪突猛進ぶりで定評を得た。30歳のときある任務で大きな事故にあい、重症を負った。事故遭遇の際には体のどの部分も技術的代替を望まないとのノヴィ―ルの遺言に従い、彼は組織バンクからの移植を受けた。部分的損傷を負った脳はクローン技術で再生され、同様に頭蓋も再生された。髪は二度と生えてこなかったため、はげている。事故とその負傷のため、ノヴィ―ルは9ヶ月間一線から外された。
 以来ノヴィ―ル・レシドーは、奇妙な証言から普通ではありえない感覚を感じるようになった。彼は不能となり、結果的に事故以来、女性に全く興味をひかれなくなった。まぎれもない堅い人物となったのである。
 この失った感覚とほぼつりあうように、ナイフのように鋭利な分析的理解力と、本物の計算能力を得た。通常の感覚を追体験できなくなったが、異常な犯人の心理を追えるようになったのである。

Perry Rhodan
ペリー・ローダン
 第三勢力(Dritte Macht)創始者、長期間にわたって太陽系帝国(Solares Imperium)大執政官、その後ハンザ発言者(Hansesprecher)、深淵の騎士(Ritter der Tiefe)。新しい状況への対応が格別に早い(このため、瞬間切り換えスイッチと呼ばれる)。常人の比でない健全な自己批判、かなりの論理的思考能力、そしてドライだがピリっとしたユーモアの持ち主。加えて、その人生の歩みに、宇宙的関連を感じ取る知覚が、次第に強く刻まれるようになる。以来、ペリー・ローダンは、新しい時代の人類、宇宙に引かれたレールの中で思考する人類の、プロトタイプと見なされる。彼の学術専門領域は、1971年の月面飛行の時点では、核物理学と宇宙飛行学、原子力放射エンジンの工学である。

1. 幼少時代
1945:
 9歳の若きペリー・ローダンと〈それ〉との最初の出会いがあった。ローダンに専用に調整された細胞活性装置を渡すというコスモクラート(Kosmokraten)の任務は、まだ果たすことはできない。〈それ〉は少年に宇宙の出来事の洞察を与えた。ペリー・ローダンにはこの経験のはっきりした記憶はないが、この時点で彼には、とめどない星々へのあこがれが目覚めていた。

2. 宇宙飛行士、そして人類のパイオニア
1971:
 US宇宙軍少佐ペリー・ローダン、第一次有人月面探検隊および宇宙船《スターダスト》の司令として出発。他の三人の乗員は、レジナルド・ブル(Reginald Bull)中尉、クラーク・G・フリッパー(Clark G. Flipper)中尉、エリック・マノリ博士(Dr. Eric Manoli)。幸運な着陸の後、難破したアルコン調査宇宙船を発見し、地球外文明人、トーラ(Thora)とクレスト(Crest)との最初の遭遇。アルコンの知識の部分的享受と地球への帰還。

1972-1975:
 地球の大勢力への対抗と地球外からの侵略の試みの撃退のため、第三勢力(Dritte Macht)を創設。恒星間宇宙への最初の出撃。

1976:
 〈それ〉との、このときは最初と思っていたが2度目の出会いが人工惑星ワンダラー(Wanderer)にて。最初の生命延長細胞シャワーはこの年の1月17日。生物学的年令は39歳で固定。

1982:
 ペリー・ローダンを地球の執政官に選出。テラ世界政府の樹立。

1984-2040:
 第三勢力から銀河の勢力ファクター、太陽系帝国(Solares Imperium)成立までを慎重に指揮。トーラとの結婚、二人の間には一人息子トマス・カーディフ(Thomas Cardif)誕生(2020年)。アトラン(Atlan)登場、当初のトラブルの後、何千年もの長きにわたる友情が始まる。

2043:
 トーラの死。2年後、第三勢力創立時の忠義の助言者、クレストをも失う。

2103:
 ペリー・ローダンの個体インパルスに調整された細胞活性装置の受領による、トマス・カーディフの悲劇的な死、それにより相対的不死を獲得。

2115.1.1:
 新たに成立した連合帝国(Vereinten Imperium)の大執政官に選出。

2329:
 プロフォス女性モリー・アブロ(Mory Abro)と2回目の結婚(9月28日)。連合帝国の崩壊により、太陽系帝国の大執政官に。

2400:
 《クレストII》で初めて銀河系を離れ、別の銀河、アンドロメダへと進出。島の王(Meister der Insel)および補助種族たちとの対決。

2405.8.16:
 双子、スーザン・ベティ(Suzan Betty)&マイケル・レジナルド(Michael Reginald)・ローダンの誕生。

3430:
 人類が作り上げた星間国家から太陽系を守ることを、初めて余儀なくされる。人類に星々への扉を開いた男にとってこれは重い一撃だった。10月30日、ローリン計画(Fall Laurin)発動。

3441:
 カピン族(Cappins)(グルエルフィン(Gruelfin)銀河)に関わる長い不在の後、銀河系へ帰還。大群(Schwarm)とホモ・スペリオル(Homo superior)との対決。

3458:
 いわゆる「脳オデッセイ(Gehirn-Odyssee)」を終えて銀河系へ帰還。ローダンは人類の歴史が新たなフェーズに入ったことを予感する。〈それ〉に課された試練達成の成果に関する謎。

3459:
 ラール人(Laren)登場。ペリー・ローダンは、抵抗しつつもただ人類の利益のために、銀河系第一ヘトラン(Erste Hetran)の地位の申し出を受け入れる。並行してこの謎の圧制者たちとの闘争。3月18日オラーナ・セストレ(Orana Sestore)と夫婦契約。

3460:
 太陽系帝国滅亡。ローダンは千年かけて作り上げた物の残骸に直面する。地球と月は星の大渦潮(Mahlstrom der Sterne)に実体化。

3540:
 ローダンの大執政官権限が消滅。レジナルド・ブル率いるアフィリカー(Aphiliker)による権力掌握。苦い失望感の中、《ソル》とともに銀河系捜索の旅へ。

3581:
 長い旅を重ね、銀河系に到着。ラール人の圧制から人類を解放するためにとるべき道をめぐってアトランと衝突。和解後、地球再発見のために《ソル》で再出発。

3582:
 ほとんど見込みのない探索の途上、テルムの女帝(Kaiserin von Therm)の支配領域に進出。ローダンは宇宙の生命の進化に関する新たな知見を得る。

3585:
 〈バルディオク〉(BARDIOC)に到達し、豪族(Mächtigen)とコスモクラート(Kosmokraten)の存在を知る。

3587:
 物質の泉(Materialquellen)の彼方、コスモクラートのもとへ赴くというローダンの希望は叶えられなかった。代わりにアトランが人類の大使として出発。ローダンはオラーナ・セストレの死を知る。

3588:
 宇宙的関連に関するより広い洞察と、人類の使命とを〈それ〉から授かる。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)設立の委託と、敵性超知性体セト=アポフィス(Seth-Apophis)に対する防衛。新銀河暦(NGZ)の導入。ペリー・ローダンは第34ハンザ発言者(Hanse-Sprecher)となる。

NGZ 424:
 3つの究極の謎(Ultimate Fragen)の文面を知る。宇宙ハンザ同盟建設、セト=アポフィスの陰謀への対抗が続く。

NGZ 425:
 クラート(Khrat)にて深淵の騎士(Ritter der Tiefe)の地位の叙任を受ける。ゲジル(Gesil)登場、ローダンを魅了し、ローダンはちょうど戻ってきたアトランと張り合う。

NGZ 426:
 銀河系艦隊(Galaktischen Flotte)でフロストルービン(Frostrubin)を抜け、セト=アポフィスの地、M82銀河に進攻。その前に無限艦隊(Endlosse Armada)と遭遇、進攻を共にする。ゲジルと結婚契約を交わす(NGZ 426年9月3日)。無限艦隊を継承。

NGZ 427/29:
 数百年にわたるローダンの活動の一部として、クロノフォシル(Chronofossilien)活性化。コスモクラートへの嫌悪から騎士の地位を辞退。ペリー・ローダンはコスモクラートにより〈それ〉の力の球形体から追放され、網を歩む者(Gänger des Netzes)の下へ。9月15日、テラナーであるペリー・ローダンとコスモクラートの化身ゲジルの娘、エイレーネ(Eirene)誕生。

NGZ 448:
 力の球形体エスタルトゥ(ESTARTU)での戦士教団(Kriegerkult)に対する活動と、コスモクラートの呪縛の終焉。ペリー・ローダンはタルカン(Tarkan)宇宙に漂着。ハンガイ(Hangay)銀河の標準宇宙への転送の後、695年間停滞フィールド(Stasisfeld)に捕われる。

NGZ 1143:
 タルカン艦隊が停滞フィールドから解放、エネルギーフィールド内では数時間だったが、通常宇宙では約700年が経過していた。銀河系へ帰還したがそこは封鎖され、カンターロ(Cantaro)が支配していた。個人的な敵モノス(Monos)が人工培養されたゲジルの子と判明。そのゲジルはNGZ 447年、自称コスモクラートの使節に誘拐された。銀河系の圧制者との数年にわたる戦いの後、ローダンは他の細胞活性装置保持者、フェニックス(Phönix)の自由商人たち、ヴィダー組織(Organisation WIDDER)の協力でモノスを倒し、支配を打ち破った。地球と銀河系が再建された。

NGZ 1169:
 〈それ〉がペリー・ローダンに細胞活性装置の返却を要求。ローダンは召喚に応じ、〈それ〉にこのような処置をとらせた誤解を解こうと試みる。〈それ〉の大捜索が始まる。ペリー・ローダンと娘は互いに疎遠になり、ついにエイレーネ、タウレク(Taurec)、ゲジルは物質の泉(Materiequellen)の彼方へと消えた。いろいろあった後、新たに細胞活性チップ(Zellactivatorchip)を受領。

NGZ 1200:
 最初の「デッドゾーン(Tote Zone)」出現、ペリー・ローダンは乗艦《オーディン》(ODIN)で孤立する。第2の「ゾーン」がアルコンに出現してようやく積極的介入と救済措置が可能となった。アルコアナ(Arcoana)が知らずに引き起こしたこの現象が崩壊した後、エノクス(Ennox)のフィリップ(Philip)に、「大宇宙の謎(Große Kosmische Rätsel)」を解くために大空虚(Große Leere)を探検するよう説得される。

NGZ 1206:
 大空虚への旅の後、ノマン(Noman)、トランター(Trantar)、シャフト(Shaft)、カロン(Charon)へそれぞれ探検を敢行。これにより新たに2つの紡錘(Spindel)を発見する。さらにヴォルタゴ(Voltago)と双子のミラ&ナディア・ヴァンデマー(Mila und Nadja Vandemar)によってさらに別の紡錘が回収された後、カロンにて、ローダンは欠落セグメントを発見し、モイラ(Moira)に出会った。

NGZ 1213:
 《バジス》(BASIS)による大空虚への新たな旅。

NGZ 1216:
 《オーディン》が《スティクス》(STYX)と、調和可能なアレズム(Arresum)内会合点に到達。一方、アプルーゼ(Abruse)のデス・ゾーン(Todesbezirk)が発生。惑星テュサン(Thyssan)にてペリー・ローダンの乗艦乗員は救援の到着前にほぼ全滅。

NGZ 1220:
 ペリー・ローダンは大空虚からの帰路ヒルドバーン(Hildobaan)に立ち寄り、そこでゴマシュ・エンドレッデ(Gomasch Endredde)にまつわる秘密に出会う。力強き者アークトール(Mächtigen Aachthor)に会い、ついにアプルーゼとアークトールの真の背景を知る。12月31日、エルンスト・エラートが現れた。これは彼と〈それ〉の細胞活性装置保持者に対して、今後の委託を解除するという通知のためだった。

NGZ 1222-88:
 銀河系では、LFT、アルコン人の水晶帝国、フォーラム・ラグルンド(Forum Raglund)のブロック間対抗の状況にあり、テラナーは細胞活性装置保持者ほぼ全員と、数多くの有能な科学者の支援によって秘密裏にプロジェクト・キャメロット(Projekt Camelot)を設立。そこで不死者たちのために新宇宙船《ギルガメッシュ》(GILGAMESCH)が建造された。この新造艦のセグメントのひとつ《モールガ》(MOORGA)はローダン自身の指揮下にあった。

Rorvic, Dalaimoc
ロルヴィク、ダライモク
 年齢不詳(サイノ人とのハーフ)のチベット人、身長2.10m、きわめて肥満。ロルヴィクはアルビノで皮膚は真っ白、目は赤い。頭には全く髪がない。声は深く果てしなく単調に響き、ひどく鈍重な瞑想者といった性格。主たる仕事と言えば、仏像と同じように脚を組み、目を半分閉じ、限りない遠くを見つめることである。
 ロルヴィクは全くの怠け者と嘲笑する者もいるが、彼はこの仕事を深精神瞑想と称している。タッチャー・ア・ハイヌ(Tatcher a Hainu)とは風変わりな友情で結ばれ、サイコチーム(Psychoteam)と呼ばれている。ロルヴィクの専門はウルトラ周波数技術者(Ultrafrequenzingenieurswesen)である。3442年4月、あるパラ心理攻撃によってロルヴィクは、突然驚くべきパラ能力に目覚めた。彼の能力は、ひとつはプシ・リフレクター(Psi-Reflektor)と呼ばれるもので、振りかかった超知覚領域の未知の力を鏡のように反射できる。(この能力で、例えばヒュプノ的に操られたと偽装することもできる。)他の能力としては、ステップセンサー(Etappenspürer)がある。この能力によって、因果関係の連鎖の山になった事件を、出発点までパラ心理的に遡ることができる。
 3587年、ロルヴィクは〈それ〉に同化した。

Domino Ross
ドミノ・ロス
 NGZ 1215年生まれのシガ人の無鉄砲屋、11.21cmの身長は彼の種族では巨人に属する。アスリートの肉体に広い肩。角ばった顔には黒ずんだ痣が左の額から口元までを「装飾」している。黒い髪が胸までかかり、2つに編まれている。
 ロスはNGZ 1235年シガ大学テラニア校工学部に入学したが中退。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)勤務となり、18年間ずっと全局所グループ(Lokale Gruppe)間交易組織の船に乗っていた。そこで彼は数多くの冒険を経験し、傑出した特殊エージェントとの評価を得た。同僚とともにシガからキャメロット(Camelot)に引越し、そこで数多くの技術開発に貢献した。ロスには工学的な才能はなかったが、臨機応変の才能があった。
 ジェロ危機(Dscherro-Krise)に遭遇し、シガ人ローザ・ボーガン(Rosa Borghan)、アルノ・ウォスケン(Arno Wosken)とともに事態にあたった。後にドミノ・ロスはジェロ城(Dscherro-Burg)没落をみとる最後の一人となった。

感想、誤訳指摘歓迎: 掲示板です あるいは へどうぞ

ネーサン旧版入口 / PRTP入口