きとまさん

レキシコン IIIおよびネーサンより

Kytoma
キトマ


髪を切ってふっくらしたきとまさん田舎バージョン(イメージ)
 神秘の少女。大群危機(Schwarm-Krise)の前後、テラナーのアラスカ・シェーデレーアの前に幾度か現われた。幽霊のようで、しかし信じられないくらいリアルでもある。キトマは黒いロングヘアに表情豊かな大きな目、そして痩せていて骨っぽい。唯一身に付けているのは簡素で単色の衣装である。当時の彼女自身の言では、失われてしまった自分の種族を捜しているとのことだった。後に、自身がクエリオン人、数百万年前に力強き者たち(Ma"chtigen)の委託を受けて大群を建造した36の種族のひとつと関係があることを知った。建造後クエリオン人は引退し、あるいはキトマのように精神体となった。彼女はアラスカに、自分は大群を監視するために残っていたのだと語った。カルドゥールス(Karduuhls)が継承したため、予定より随分長く待たねばならなかったのだと。これで彼女は接触を絶たれた。
 彼女は絶望し、最終進化段階に到達して自身の種族の後を追おうと努力した。しかし結局は、長い間待ち続けることになった。NGZ 427年、キトマは再びアラスカの前に姿を現わし、彼女の見つけたものをアラスカと自身の種族にもたらした。彼女は今や網を歩む女性(Ga"ngerin des Netzes)となっており、アラスカにこの組織に参加できるようにはからった。絶対移動(Absoluten Bewegnung)の能力は以前から有し、自身の体は形状投影(Gestaltprojektion)である。
Querion
クエリオン
 アラスカ・シェーデレーアによって命名された神秘の惑星。そこにはタルサモン湖(See Talsamon)と、三つの存在平面を持つ〈街〉がある。クエリオンはスペクトル型G6Vの黄色恒星を巡る、その星系唯一の惑星で、銀河系のハローにあって地球から42000光年離れている。この惑星はさまざまな点で地球とよく似ている。タルサモン湖のまわりは岸辺から広い平原がずっと続いている。湖の底には静かな窪みがあり、そこから弱いエネルギーフィールドが発生していて、水が遠ざけられている。完全に乾燥したその窪みでは、時間の流れも通常の場所と異なり、遅くもなれば速くもなる。〈街〉には固有の生命体がいて、時には敵対的、時には協力的である。そして時には、クエリオン人が姿を現わした。彼らは昔、網を歩む者たちの組織を発足させた。
Querionen
クエリオン人
 大宇宙の深淵にいた太古の知的種族。少なくとも〈大群〉の創造の共同責任の一端は彼らにあり、もうはるか昔から、精神的存在への道を歩んでいる。その前提条件となったのは大宇宙のプシオン網(Psionisches Netz)との出会いであり、その影響でクエリオン人の一グループが自分の種族から別れ、プシオン網を旅して回り始めた。それが後の網を歩む者たちの組織の基礎となった。
 その後の運命について、つまりもう一方のクエリオン人たちのさらなる進化については、アラスカ・シェーデレーアの報告でわかっていること以外は知られていない。キトマは(長い探索の末とうとう見つけ出した)彼女の種族に彼を引き会わせ、彼は後に網を歩む者のメンバーに加わる最初のテラナーとなった。
Saedelaere, Alaska
シェーデレーア、アラスカ


にらんでるアラスカくん公式ページばーじょん
 3428年、シェーデレーアはボントン(Bontong)〜ペルウォール(Peruwall)間の転送接続を利用。このプロセスは時間経過なしのはずだったが、シェーデレーアは4時間もたってやっと現れた。この超空間通行の際、彼は他の何かと衝突した。後にそれはカピン人(Cappin)と判明した。この時からシェーデレーアは、常にプラスティックマスクをつけていなければならなくなった。
 カピンフラグメントは彼の顔に付着し、それを見た者はみな、一瞬で正気を失う。アラスカ自身はこの顔を「色彩豊かで奇妙によく動く」と表現する。このカピンフラグメントは、いろいろなハイパーエネルギー性現象に激しく反応し、発光し始め、極端な場合には稲妻のような噴出が見られるため、アラスカは「カピン探知者(Cappinspu"rer)」とも呼ばれる。アラスカ・シェーデレーアは、この能力のため公式に新ミュータント部隊(Neuen Mutantenkorps)の一員に名を連ねている。
 3531年、彼が131歳の時、何百年も使われていなかったベティ・タウフリーの細胞活性装置を受け取り、相対的に不死となった。
 3582年、彼は見捨てられた地球上で、テラ=パトロール(TERRA-PATROUILLE)の創設者の一人となった。彼の人生は、よき理解者たる友人たちがいるものの、孤独な者のそれであった。彼は何度もカピンフラグメントをはずすことを試み、それがさらに彼を苦しめるということを繰り返し、ようやくNGZ 426年、《バジス》(BASIS)がフロストルービン(Frostrubin)を抜けて侵攻した際、その組織塊は彼の顔から外れた。彼はついにマスクを取り外せるようになったが、彼の顔は真っ白なロウソクのロウを塗ったようだった。鼻は偽物で貼りつけたかのよう、唇には血の気がなく厚くふくらみ、眼は茶色で生気に満ちている。極端に青ざめた顔色のせいで、アラスカ・シェーデレーアに新しい仇名「蒼白死人(Totenbleiche)」がつけられた。人前に出るにはためらいがあった。ひとつには彼の顔のため、ひとつには落ちつかない不安感が、電気の嵐のように体の中を行き来し流れるせいである。カピンフラグメントが完全には消えたわけではないという認識、顔の中でなく今は体の中に、という認識は、シェーデレーアにとって第2のショックだった。フラグメントは体の中でまさに暴れ始め、痛みに近い現象を引き起こし、コントロールはきかなかった。この苦痛のせいだけでなく、シェーデレーアはもとの状態に戻ることを望んだ。彼は、自分が顔の組織塊と共にあってはじめて独立した完全な人格であり、好きにはなれなくてもその異常さを受け入れ尊重するべきだと理解した。シェーデレーアにとって非常に不幸なことに、《バジス》はNGZ 427年5月、無限艦隊第一艦隊ローランドレ(der Einheit Nr.1 der Endlosen Armada, Loolandre)に接近した。この危機の最高潮の際、アラスカは久しぶりにまたキトマとの精神的接触を持った。彼女は暴れるカピンフラグメントをなだめ、ついに彼女の種族、クエリオン人を再発見したこと、彼らとともに精神体の状態で生きていることを語った。アラスカ・シェーデレーアを解放し一緒に連れていくために、彼女は自身の種族の助けを得て、彼に(あるいは彼のカピンフラグメントに)ペド接触(Pedokontakt)をして、一時的にアラスカの新たな故郷となる場所へと連れ去った。彼は網を歩む者となり、カピンフラグメント(テスターレ(Testare)と呼ばれる)とは共生体となった。網を歩む間、二人は一つの精神的主体を構成する。アラスカは体を持つため、彼はテスターレを体内に持てない。テスターレは彼から離れ、肉体のない状態になり、肉体投影形状(Ko"rperprojektion Gestalt)を受け取った。二人にとって分離は不快で長い間は耐えることができないものだった。アラスカ・シェーデレーアは転送機事故前の身体的状態を回復し、彼はもう蒼白死人ではなくなった。彼の心は平穏を得て、苦悩から解放され、非常に正直で内向的な性格になった。NGZ 1169年10月に、細胞活性装置保持者を〈それ〉が召集した後、アラスカ・シェーデレーアはアムリンガルの年表(Zeittafeln von Amringhar)探索に携わった。ノクターン人(Nokturnen)の所と推測したが、見つけることはできなかった。
 1169年に彼もまた〈それ〉に細胞活性装置を返却しなければならなかったが、しばらく後に活性チップ(Aktivatorchip)の埋め込みを受けた。NGZ 1199年から彼はグッキーと共に、〈それ〉から活性装置保持者に指定された最後の二人、「鏡に生まれし者(Spiegelgeboren)」の探索に出た。
 〈ヴォイド〉(GroB"en Leere)で彼はグッキーとサンプラー惑星スロウガー(Sampler-Planeten Sloughar)の探検に赴いた。この探検以来、彼らとヴァンデマー双生児(Vandemar-Zwillingen)との間に非常に特別な関係が結ばれた。

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