R

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Rabanez, Dunka
ラバネス、ドゥンカ

 エリック・ワイデンバーン(Eric Weidenburn)の無二の親友で、仕事の相棒。身長1.71mのすらりとした美人教師はNGZ426年で46歳、黒い髪、青い瞳で知性的な顔つきをしている。本質から穏健で客観的、物事をまとめあげる能力も持ち、ワイデンバーンの右腕である。彼とは性的関係もあり、彼への影響力もある。支援サークルSTAC(Förderkreis STAC)以外の仕事は全く興味がない。ワイデンバーンの広めた言葉「郷愁」はそんな彼女から発案され、ポスターやパンフレットになった。

Rachmayn
---> Akkartil

Raegh, Tinta
---> Parateam

Ragnarök
ラグナレク

 ツナミ艦(TSUNAMI-Raumschiff)最新型で編制された実験隊で、指揮はガルブレイス・デイトン(Galbraith Deighton)。NGZ448年初頭、安定化した構造抑圧域(Strukturverdrängung)内部へと進出を試みた。そこには宇宙ステーション・ウーリアン(Raumstation Urian)(ウル・アム・タロク(Ur Amm Taloq))があり、ハウリ(Hauri)が隠れている。
 実験隊ラグナレクには最新ツナミ艦5隻が配され、名前は《ベレン》《ボゴタ》《カルタヘナ》《チェトゥマル》《ヴァジャルタ》(ふだんツナミ艦名に付けられるTS-はなし)、ガルブレイス・デイトンは《ヴァジャルタ》で指揮をとった。
 この部隊の実験によって、ATG装置を用いた時間繋留が検知された。これは1.712秒相当の点での繋留で、予想通り構造抑圧域内部に侵入できた。加えて、抑圧域内部のATGシステムは完全に稼働しているわけではないことも確かめられた。ツナミはそこではハウリに簡単に探知された。

RAKAL WOOLVER
《ラカル・ウールヴァ》

 第2テラ艦隊旗艦。ギャラクシス級の球状艦で直径2500m、司令官ブラッドリー・フォン・キサンテン。《ラカル・ウールヴァ》はポルライター(Porleyter)捜索、フロストルービン(Frostrubin)前域作戦、NGZ427年初頭の灰色回廊(Grauen Korridor)に消えた地球の捜索に出動した。

Raknor-Nebel
ラクノー星雲

 M33銀河(→三角座(Triangulum)、別名ピンホイール(Pinwheel))にある星間塵やガスの固まりで、その中枢から銀河系方向に3000光年のところにある。最大幅30光年、不規則な楕円形で、境界域はあちこちから房が出ているような格好をしている。境界ゾーンでは急速な恒星形成が進む。そこで生まれるのは青色巨星や超巨星、スペクトル階級で言うとOやB(急速燃焼星で寿命数万年)がほとんどである。この現象や若い恒星の高い光量のため、ラクノー星雲の境界域は放射光に満ちている。遠く離れたところからの星雲は印象的な光景である。その内部奥深くには直径4光年の暗黒ゾーンがある。その中に、クトゥル星系(Ctl-System)と、クトゥルのロボット(Roboter von Ctl)の故郷惑星がある。
 ラクノー星雲全体は、NGZ5世紀半ばまでカルタン人(Kartanin)種族から禁忌とされていた。カルタン船は星雲の中心から50光年以内に近付いてはならない。この禁忌はハイレディ(Hohen Frauen)より高位のウィザード(Wissenden)(→アルドゥスタールの声(Stimme von Ardustaar))によって定められた。何の目的か知らなかったが、カルタン人はこれを固く守った。

Randall, Larry
ランダル、ラリー

 第三課(Abteilung III)少佐。

Rando
ランド

 アンドロ・ベータ(Andro Beta)とアンドロメダ銀河の間の虚空に位置する黄色恒星。唯一の惑星の名前はランド I (
Rando-I)。

Rando-I
ランドI

 恒星ランド(Rando)の唯一の惑星で、原プラズマ(Urplasma)の棲み家。岩石でできた核となっている惑星は、直径およそわずか5000km、その上におよそ4000kmの厚さの原プラズマの層がある。よって総直径は約13000km。当然ながら、表面(一部非常に固く、一部柔らかい)には植物はない。重力は地球のよりわずかに小さい。大気は酸素を含み、その構成比も地球のそれを思わせる。惑星核上にロボット基地がひとつ、島の王(Meister der Insel)の命を受けて原プラズマの監視の任にあたっており、命令次第で完全に抹殺することができる。これは2402年のテラナーによる基地破壊の後、別の形で起きた。危険な存在となった原プラズマは、岩石核ごと遠隔操縦核ミサイルで粉砕された。
 NGZ 427年、ランド I はエレメントの十戒(Dekalog der Element)の仕込みで、潜在的な時間縮退(Chronodegeneration)として準備された。つまり、復活して遺伝子的に変形を受けたプラズマ(憎悪プラズマ)が植えられ、ペリー・ローダンの罠となった。しかしこの陰謀は未然に防がれた。

Rangvilaan
ラングヴィラーン

 ハンガイ(Hangay)銀河の境界区域に位置する球状星団。ほとんどの恒星は系列 II に属する老いた星だが、強いハイパー放射を発するスペクトル階級Oの青色巨星も計36個ある。
 ラングヴィラーンでNGZ448年、構造抑圧(Strukturverdrängungen)の重なりの増加によるいわゆる停滞フィールドが発生、その中にタルカン艦隊(Tarkan-Verband)が695年間、NGZ1143年3月まで、ほとんど時間経過を感じない状態で捕えられていた。

Raphael (der Unheimliche)
(不気味な)ラファエル

 地球が喉(Schlund)へと出発する直前に現われた奇妙な人物。身長2m以上、非常にやせ細っており、年令不詳。ぎこちない、わざとらしい態度は、確かに何か奇妙な印象を与えるが、普通の人間の態度である。実は彼は形を持つエネルギーでできていて、独自の知性が与えられているだけでなく、体内の物質も独自の力で保たれている。ラファエルは月の脳ネーサン(NATHAN)の創造物で、彼の必要なものは総て交信ノード経由で供給している。ノードが停止すると一瞬にしてラファエルは消える。ラファエルの創造と派遣は、〈それ〉が意識内容を吸収する前に人類が沈没寸前の地球から去ってしまうのを阻止しようとする、ネーサンの尽力の一環である。

Rashta-System
ラシュタ星系

 大マゼラン雲(Große Magellansche Wolke)(→マゼラン雲(Magellansche Wolke))周辺域に位置する星系で恒星(ラシュタ)はソル型(黄色、スペクトル階級G)、計8つの惑星を持ち、その第2はオパク(Oppakh)。オパクはグラド(Gurrads)の精神的エリートと目されるシャンガント人(Shanganten)の「知識と精神の中枢」として知られる。オパクには月が2つ、直径3000kmのシラ(Sirra)と直径6200kmのアオンタン(Aontan)がある。アオンタンには大気はないが、地下はびっしりとくり抜かれ、建造物が作られている。地表建造物でまず目につくのは、やはり大半が月面下に作られている巨大宙港の、例えば着陸施設などである。

Rassa, Vavo
ラッサ、ヴァヴォ

 惑星シガ(Siga)の研究者。ラッサは198歳、101.22mm、シガ人としては桁外れに太っている。
 ラッサは通常空間と5次元との間のミニチュアスイッチの分野で著名な学術スペシャリストで、同時にアルコールの入った時には漁色家としても名をはせる。ヴァヴォ・種牛・ラッサのチームメイトはライン・ヴァーサ(Rayn Verser)である。

Ratane
ラタン

 ムタン(Muhthan)のロード(Lord)の聖騎士隊(Paladine)の飛行体だが、体内コンピュータの能力は低い。外見は翼竜、頭の代わりに長く尖った角が、動ける長い首の先にある。いろいろな大きさの人工体があり、最も小さいものは偵察隊やスパイとして活躍し、大きさは地球の雀より大きくはない。大きなタイプは翼を広げて16m、聖騎士隊兵士の移動手段として活躍し、聖騎士隊はラタンの背中に乗って隊列を組む。ラタンは生体軽量ガスを分泌し、それを体胞に蓄えて、自身の運搬力を増強できる。小さいタイプはさらに、自分の角でカミカゼ特攻をかける。
 ラタンはみな、深淵の地の雲の層のようなグレーベージュの皮膚をしており、空中では見つけにくい。彼らは聖騎士隊と同じく、無線で操縦を受ける。また、聖騎士隊同様、従来の意味で言う食事はとらない。彼らは深淵(Tiefe)のエネルギーを摂取する。

Rattley
ラトレー

 銀河系の北側の外縁、セクター I から III にあるオレンジ色の太陽、ソルから81076光年。ラトレーは直径2875000kmで、地球の太陽のほぼ倍の大きさ。11個の惑星があり、その第4はアスポルク(Asporc)である。

Raubkolloide
掠奪コロイド

 合成分子集合体の名称。NGZ426年、ヴィシュナ(Vishna)は地球を月と一緒に時間堤防(Zeitdamm)の陰に隠し、これを第5列、撹乱要因として用いた。掠奪コロイドは時間堤防から外へ出ようとするテラ艦船を見つけ、自身の外皮にくっつけ、隙あれば船内に侵入して乗員をコントロール下に置く。船と乗員はその後ヴィールスインペリウム(Virenimperium)に連れて行かれて、ヴィシュナの意味で言う「準備」が整い、憎きテラナーへの武器として、時間堤防を越えて再び地球へ、そこでヴィシュナの意味で「働く」ために向かうのである。
 この種の陰謀はしかし一回きりだった。宇宙船乗員を襲う代わりに、掠奪コロイドは目標地点(マーコラ(Maakhora))で数百体のミイラ化したマークスに付着し、混沌を引き起こした。

Raumanzug
宇宙服

 広大な宇宙空間に留まるために不可欠な生命維持手段。宇宙服は装着者を減圧と低温から守り、上位モデルには生命維持システムに加え、脈動エンジン(Pulsations-Triebwerk)、バリアフィールドプロジェクター(Schirmfeld-Projector)、人工重力場のための装置が備わっている。それぞれの出撃場所や担当地域に応じて、テラ製宇宙服にも広くいろいろなタイプがある。最新モデルのひとつが、セルン服(SERUN-Anzug)である。

Raumforts
宇宙要塞

 ハンガイ(Hangay)銀河が4分の1ずつ標準宇宙へ転送される、その第4回目による宇宙的災害の後、ギャラクティカーによって多数の宇宙要塞が建造され、銀河系と銀河系ブラックホールの監視のために投入された(後にカンターロ(Cantaro)はブラックホールを輸送手段として用いていることが判明)。NGZ1144年にはこれら宇宙要塞は、カンターロによって銀河系の3つの壁の監視・制御ステーションとして使われていた。ステーションは通常、これら旧ギャラクティカム(Galaktikum)要塞8つで構成される。この8段式監視ステーションにはそれぞれ最低一人、ナック(→ナック(Nakken))が制御責任者になる。この8段プラットフォームは、どの段も長さ1000m、幅200mある。全建造物の両端部分には二又のフォークがあり、分離可能な整備部隊になっている。中央からは4つの円筒形の塔のようなものが、方形に配置されて上下にそびえている。これら円筒は、プラットフォームを互いにつなげる連結器の役目も果たしている。その間には互いに入り組んだ建造物が埋めこまれている。外壁の合成樹脂被覆金属は、ツヤ消しで反射しない灰色。各円筒塔には砲塔が2つずつ、各プラットフォームには着陸デッキが2つずつある。最上部の主プラットフォーム(Major-Plattform)には固定された宇宙船が建造物化しており、ナックの制御ステーションになっている。
 主としてこの制御ステーション群は、銀河系外からの物体が近づいてきた時にクロノパルス・ウォール(Chronopuls-Wall)を活性化する任務にあたっている。そのためのエネルギーは、小型だが高性能なハイパートロップ・ザッパー(Hypertrop-Zapfer)(→メタグラヴ駆動(Metagrav-Triebwerk))から得る。クロノ・モニター(Chrono-Monitor)と呼ばれる装置が、ザッパーの活動と要塞のクロノパルス・ウォール発生用エネルギー供給とを制御する。ザッパーは連続運転のため、クロノ・モニターの故障は即エネルギー過負荷の発生につながり、要塞の爆発を招いた。

Raumriesen
宇宙巨人

 銀河系から約20億光年離れた、大きさ1万光年以上の3つの星間物質雲(原銀河)で、その意識(ÜBSEF定数→ペド転移(Pedotransferierung))の中に、NGZ428年6月までエレメントの十戒(Dekalog der Element)の3つの基地(→《孵化》(BRÜTER)、《保管》(LAGER)、《増強》(VERSTÄRKER))が隠されていた。
 3つの雲は、数え切れない年月を遡る太古の時から、銀河へと発展せず、別の道を歩んだ。これは時間超越者連盟(Bund der Zeitlosen)(→豪族(Mächtige))の遠い祖先、カタラク協会(Organisation Catarac)の罪。カタラクは豪族のようにバイオフォア(Biophore)で知性と生命を宇宙に広めていたが、ある時それを3つの物質雲に放りだした。ある事故でオン量子と非オン量子との自発的分離が起き、そのバイオフォアの影響の下、物質雲は生きた、考える、しかし異様な存在と成り果てた。それが宇宙巨人となった。知性化したことで、その「体」は重力の影響で集まることもなく、恒星や惑星への形成が妨げられてしまった。宇宙巨人は好きな仕事「宇宙夢」に没頭した。そのメタ意識の中で彼らは創造者として、夢で進化を模倣し、完璧な生命形態に見えるものを見つけようとした。
 そこへ混沌の力が宇宙巨人を襲った。宇宙夢に侵入し、悪夢へと変えるよう操った。この悪夢のショックで宇宙巨人は深い昏睡状態に陥り、混沌の力はそのÜBSEF定数の中に十戒の基地を設置した。そこはペド転送機(Pedotransmitter)でなければ到達できないため、完全に攻撃不可能である。
 NGZ428年、オクストーン人スタリオン・ダヴ(Stalion Dove)は、ポスビの中央プラズマの助力で宇宙巨人3体を夢から覚ますことに成功。これは2つの基地《孵化》と《増強》の最期を意味していた。《保管》は通常宇宙に脱出できた。目覚めた巨人たちは、自分らが互いに依存しあっていることを知った。彼らは自分の夢から離れ、自分たちの歩んだ進化の道が誤っていることを悟った。夢こそ、混沌の力による悪用を招いた元凶である。
 宇宙巨人3体はスタリオン・ダヴに、あるヴィジョンを示した。それは、どのようにカタラクに中断された進化を進め、ひとかたまりになり、輝くガスから恒星や惑星を作りあげていくか、というものだった。ダヴは3つの小銀河の誕生の立会人となり、宇宙巨人の運命が満たされていくのを見届けた。

Raumschimmel
宇宙カビ

 NGZ429年半ば、フロストルービン(Frostrubin)のアンカーがゆっくりほどけている間に発生した、ハイパーエネルギー性衝撃波による現象の名称。宇宙カビは宇宙の構造を溶解させる。白い渦のような無を発生させ、自身に引き寄せ、跡形もなく吸収する。わずかな染みから1000立方キロ以上の大きさにまで膨脹でき、数日たつとまた溶けてしまう。宇宙カビに遭遇した地域にあるものはすべて、カビの溶解後には消失する。宇宙ではひとつの原子もない虚空が残り、惑星上では地表にぱっくりと大穴があき、都市ではいくつもの建造物がそっくり魔法のように消え失せる。宇宙カビの膨脹速度は時速50kmに達する。

Raumstarre
---> Sarg-System

Raumzeitfalten
時空褶曲

 基本的には、宇宙の中で、天然に存在していたか、人工的に造られたかを問わず、時空構造が不連続になっているような場所を言う。時空褶曲は(ローダン・シリーズにおいては)隣の宇宙へ到達できる点を指す。この別の宇宙によってミクロコスモスが生じることもある。そこはその宇宙の好ましくない住人用の牢獄に使われていたりする。一方の宇宙からもう一方への通路は通常、標準宇宙からどこか別の宇宙へと向きが設定されている。標準宇宙に帰還するには、もちろん最初の移動に使った「門」が無制限に使えるわけではない。さらに門は元の宇宙に行ける(可能性の高い)ある特定の点に向けられねばならない。ナック(Nakken)はこの仕事を独占的に扱っている。
 時空褶曲の向こう側では、時間の流れは標準宇宙より速いか遅いかどちらかである。

Raum-Zeit-Ingenieure (RZI)
時空エンジニア

 超知性体への進化の入口にいる種族(→たまねぎの皮モデル(Zwiebelschalenmodell))。遠い昔コスモクラートによって深淵(Tiefe)に運ばれた。それは、変異してモラル・コード(Moralischen Kode)の二重螺旋から消えたプシオン場、トリークレ9(→フロストルービン(Frostrubin))の再構築と、それによるモラル・コードの修復を、そこで行なうためだった。彼らは天才的な研究者であり、最高の完璧レベルに達している技術者でもある。武器技術に関しては制約がある。制約は固く守られ、純粋な防衛兵器システムですら、拒否される。
 これはRZIが自然な防護メカニズムを用いていることと関連する。それは幼児症候群(Kindchen-Syndrom)と呼ばれ、危険から彼らを守る。それは RZI が脅かされるとすぐに発効し、知性体だけでなく物体やその周囲全体にまで効果が及ぶ。例えばRZIを拉致しようとしたり、負傷させようとしたり、殺そうとしたりしても、RZI に近づいた時には、その意図は放棄されてしまう。その代わりに、RZI を保護しようという気になる。殺人プログラムを施された戦闘ロボットですら、親切な保護者と化してしまう。エネルギー放射は無害な光になり、ミサイルは軌道が変わるか、消える。
 RZI はこの、ほとんど不死身と言える症候群を発生させるために、自分に隣接する周囲をモラル・コードのメッセンジャー(Messenger)に織り込んで、対応する創造プログラムの情報を変更する。これが技術的手段で実現されているのか、天然の能力なのかは、明らかではない。確かな点がひとつ、RZI が影の力(Graueinfluß)に襲われると、この症候群は逆に影のロード(Grauen Lord)への変身を引き起こす。
 RZI は小人のヒューマノイドで、身長約 1 m、長くぶらぶらした腕、大きな禿げた頭がひとつ、大きな青い瞳、短く上向きの鼻、小さな口。肌はライトブラウンで皺が多い。脚は短いがその割に足は大き過ぎ。RZI は甲高い声で喋り、動きはぎこちない。彼らは相対的に不死である。全部で15万の時空エンジニアは、NGZ 429年の実時間において、ほとんど全員が影のロードになっていた。
 RZI は、トリークレ9 の再構築を成し遂げるという大きな任務の、巨大な一種の建築現場、足場として深淵の地(Tiefenland)を作り上げた。しかし、時空エンジニアたちが種族放浪(Völkerwanderungen)(→深淵の地)までして実験した、トリークレ9 の情報プールの再構築は失敗に終わり、進化の袋小路に入ってしまった。RZI はプシオン場再構築の実現という任務から離れ、自惚れから道を誤って、まったく新規に構築しようとした。彼らはさらに欲張り、創造の山(Berg der Schöpfung)に精神的に徐々に吸収されることによって、新しいトリークレ9 のプシオン構造を、自分たちの固有ÜBSEF定数(ÜBSEF-Konstante)で作ろうとした。これは、それまで最も重要な協同種族だったジャシェム人(Jaschemen)との決定的な亀裂を生んだ。この種族がコスモクラートにこの背信行為を告発すると脅すと、RZI はコルトラン(Cortran)にある深淵への入口と、創造の山にある第二の入口を閉じた。これにより彼らは自ら深淵を孤立化させ、結果的に深淵種族すべてをいまわしい影の力に委ねてしまった。
 さらに、創造の山での実験も失敗に終わり、大災害を引き起こした。多くのRZI が死に、多くが影のロードになった。ごくわずかな者だけが生き延びて、光の平面(Lichtebene)に残った。このRZI は創造の山と通常宇宙との間の通信を部分的に再建し、救助の訴えを送った。これは影のロードに傍受された。
 実時間でNGZ 428年から429年、アトランとその一行が深淵でトリークレ9 到着の準備をしている時、最後のRZI が自己本意に振舞う背信的な者たちとして現われ、利己的な目的にヴァゲンダ(Vagenda)を無心し、機能停止させてしまった。RZI がそんなことをしたのは、トリークレ9 が創造の山に再実体化して、自分の昔の場所に戻るなら、深淵の地の種族を助けようとしていたのだと、後に判明した。ヴァイタルエネルギー(Vitalenergie)を丸ごとニュートラム(Neutrum)に導き、それで深淵の地の全住民を影の力から解放。深淵の地は崩壊し、その物質の大部分は通常宇宙で新たな人工太陽を形成。深淵の地の救命島群15万は後に、人工惑星のごとくその回りを巡るようになる。
 影の力からの解放により、影のロードはすべて時空エンジニアとして復活し、その後は無限艦隊(Endlosse Armada)とともに、トリークレ9 監視の任にあたることになった。

Raum-Zeit-Kontinuum
時空連続体

---> アインシュタイン宇宙(Einsteinraum)

Rayt
ライト

 恒星パストライヴ(Pastrayv)の第6惑星で、ナウパウムのライチャト(Naupaumsches Raytschat)の主星。直径14031km 、自転周期31.7時間、重力1.09G、平均気温は摂氏34.6度、公転周期817.6 日、暑くて乾いた星、ステップ気候地帯が広がる。大陸は8つ、海はほんのわずか。主大陸はディレイ(Dyray)、ドラヤク海(Drayac-Meer)にある。その北には首都マクツァドシュ(Maczadosch)、4億8000 万人が住む。首都の北方にはタヴァル山地(Tavar-Berge)があり、首都の水源として重要な意味を持つ。惑星全体の数字としての住民は320億を数える。居住用建造物は1000m以上、住居サイロは惑星地下約4000m の深さにまで伸びている。

Raytaner
ライタナー

 ナウパウム銀河系(Galaxis Naupaum)で最大の、政治的影響力の大きい種族。ナウパウムのライチャト(Naupaumsches Raytschat)として政治的に統合している。ライタナーは体形的にはほとんどヤーンズトロナー(Yaanztroner)と同じである。
 ライタナーの宇宙船は、基本構造は卵型でずんぐりした印象。全高1800m まで、最大幅1500m、船尾は800m。船尾の端に6枚の安定板がある。強力武装、乗員600名。

Raytscha
ライチャ

 ナウパウムのライチャト(Naupaumsches Raytschat)の元首の称号。マト・ライチャ(Mato Raytscha)とも呼ばれる。ライチャは行政長官、国家元首、軍最高指揮官。この役職に就く者は、選挙民主主義と前任者の遺言による命令を混ぜ合わせた方法によって決定される。指名された後継者はマト・プラヴト(Mato Pravt)と呼ばれる。ペリー・ローダンがナウパウムに到着したときのライチャはオフパノカト(Offpanokat)で、マト・プラヴトはヘルタモシュ(Heltamosch)だった。

Reality
リアリティ

 ベイジンスキー・クラスター(Bazinski-Cluster)の黄色恒星。4つある惑星の第2はシグナル(Signal)。

Redhorse, Don
レッドホース、ドン

---> 《クレストII》(CREST II)

REDHORSE
《レッドホース》

 エスタルトゥ(ESTARTU)行きハンザ・キャラバンのアンソン・アーガイリス(Anson Argyris)の旗艦となったコッゲ(Kogge)。積み荷は、コントラコンピュータ(Kontracomputer) 500器(→ツナミ(TSUNAMI))とパラタウ(Paratau)5万滴、パラトロンバリアに守られた貨物室一か所に集めてある。
 アンソン・アーガイリスは《レッドホース》とこの艦隊に総司令部を置き、乗員は自ら選考したオリンプ生まれの者ばかりとした。
 司令代行はルムス・シャーマン(Rumus Sharman)、オリンプ生まれのエプサル人、80歳、宇宙航行経験50年。伝統的な自由航行者の服装(武器なし)、不作法で口やかましいが、情にあつい洗練された情動航宙士(Emotionaut)。セト=アポフィス危機(Seth-Apophis Krise)の時にはハンザスペシャリストだった。エスタルトゥとのコンタクトで、この老自由航行者は元気になり、それに熱中した。
 ガンドルフ・リウス(Gandorf Rius)、通信と探査のチーフ。赤ブロンドのそばかす、大柄でのろま、25歳。ハイパーインパルスに関する特別な感覚を有するらしく、高感度機器が近似値しか出さないようなケースですら、正確に読み取ることができる。「ノクターン(Nocturnen)のバックグラウンドノイズ」を音楽と感じ、機器をシンセサイザーのように使って、実在するはずもない音色を奏でる。
 ジロ・リウス(Gero Rius)、エンジニアのチーフ。ガンドルフと双子の兄弟で、髪の毛の差もないほどそっくり。超高感受性はジロの場合、あらゆる機械類に対して起きる。技術的欠陥は手でぐるりと回りをなでるだけで見つけ、修理も非常に原始的な道具で行なう。
 二人はその聴覚と知覚の働きから「スパイ・ペア」と呼ばれている。
 モーリシャス・ケク(Mauritius Koek)、火器管制センター、85歳、平均的体形。中くらいの背、ぼんやりした顔、地味で無口で世事にうといが、目は現実を見ている。有事には高速反応と敏速判断。しかし、彼の能力はシミュレーターでしか測れない、実際には一発とて撃てるものか、と陰口を言われる。
 NGZ430年6月末、《レッドホース》は銀河の間の虚空でキャラバンごと、遭遇したスティギアン(Stygian)補給隊に捕捉されて攻撃を受けた。生き延びた者も、とある荒涼惑星にパラタウごと足どめされた。

Redmare
レドマーレ

 恒星ユイダ(Yuyda)の第3惑星。直径12455km 、自転24.01 時間、重力1G、平均気温は摂氏22度、公転周期365日。惑星の環境条件はびっくりするほど地球に似ている。だが、レドマーレには大きな大陸が2つだけ。南大陸のサーコル王朝(Sakhor-Dynastie)は北大陸のマイトコル(Maytkor)と呼ばれる専制支配者と太古から戦い続けている。壊滅的な原子的兵器の撃ち合いを経て、3244年、両グループは冷戦状態だった。レドマーレでテラナーは3442年、サイノス(Cynos)の存在と陰謀の一端を知った。

Redpoint
レッドポイント

 銀河系中枢にある二重太陽のテラ名。2400年からはUSOステーションがその回りを巡っている。それはB.C.49988年の過去に飛ばされたテラナー(時間の罠ヴァリオ(Vario))の出撃拠点として使われたものである。主星は赤色巨星、伴星は小さなダークレッドの恒星。六角太陽転送機(Sonnensechseck-Transmitter)までの距離は2113光年、カハロ(Kahalo)までは2592光年。

Regnal-Orton
レグナル=オルトン

---> 島の王たち(Meister der Insel)

Regulationsviren
制御ヴィールス

 細胞病の病原体。黄色い征服者(Gelben Eroberer)を選択的に襲い、これに冒されると不妊などの症状に陥る。

Reich der Entstehung
発生の王国

 M87銀河(Galaxis M87)の二次制約者(Zweitkonditionierte)による名称。

Reizimpulsstation
刺激インパルスステーション

---> スタト(Stato)

Reizwellenempfänger
衝撃波受信機

---> デュプロ(Duplos)、テフローダー(Tefroder)

Relativefeld
相対フィールド

 ポスビ(Posbis)の保護バリア。10時間分の時間線歪曲を行なう。現在時での観察者には、そんなバリアがあるようには見えない。ポスビの相対フィールド発生器は、憎悪スイッチ(HaBschaltung)のスイッチングテクニックと基本的に関係がある。ロボット学者ヴァン・モデルス(Van Moders)が憎悪スイッチを破壊した時、相対フォールド発生器の技術基盤も破壊された。関連する技術として、35世紀初頭に完成したATGフィールド(ATG-Feld)がある。

Ren-No
レン=ノ

 カルタン人(Kartanin)男性でアンクラムプロジェクト(Anklam-Projekt)のリーダー。プロジェクトの目的は、死の宇宙タルカン(Tarkan)のハンガイ銀河(Galaxis Hangay)の4分の1ずつを標準宇宙へ転送する、その第3回を行なうこと。
 レン=ノは身長1.75m、しゃれた服装で登場した。毛皮のストライプは頭蓋に沿って引かれていて、例えば金属光沢のついたトルコ石の色がつけられている。口髭には粉がはたかれ、きらきらしている。このカルタン人の銀の制服はワンピースで仕上げてある。左肩のすぐ下に目立つ留め金がひとつ、わずかに赤い色を放つ金属で作られ、大きなトルコ石の色のクリスタルが嵌められている。もちろんレン=ノはおびただしい数のいろいろな衣装を持っていて、機会と気分に合わせて身につけている。それに合わせて膨大な化粧品コレクションもある。
 宇宙的関連についてのレン=ノの知識は、その地位の割に、非常に少ない。プロジェクト協会(Projektorganisation)(→カンザハリイヤ(Kansahariyya))経由の知識や中枢知識権威(Zentrale Wissensautorität)から直接得た知識を信じている。彼自身、ゴン・ウェン(Gon Wen)と言うプロジェクト協会のメンバーである。
 レン=ノは、ペリー・ローダンがNGZ447年にタルカンに漂着して以後出会った最初のカルタン人実力者である。

Restonow, Pawo
レストノウ、パウォ

---> 《マルコ・ポーロ》(MARCO POLO)

Retekin, Drof
レテキン、ドロフ

---> パラディン(Paladin)

Revnurs Stern
---> Tolimon

Rhodan, Deborah
ローダン、デボラ

 ペリー・ローダン(Perry Rhodan)の一番下の妹、1938年生まれ、母親の起こした事故で、1941年5月18日死去。(ペリー・ローダンの幼小時の項も参照)

Rhodan, Jakob Edgar
ローダン、ヤコブ・エドガー

 「ジェイク」と呼ばれる。ペリー・ローダン(Perry Rhodan)の父。

Rhodan, Karl
ローダン、カール

 若きペリー・ローダンの、父方の伯父。

Rhodan, Mary
ローダン、メアリー

 ペリー・ローダン(Perry Rhodan)の母。(その項参照)

Rhodan, Michael Reginald
ローダン、 マイケル・レジナルド

---> ロワ・ダントン(Roi Danton)

Rhodan, Suzan Betty
ローダン、スーザン・ベティ

 モリー&ペリー・ローダン(Mory und Perry Rhodan)の娘。2405年8月16日テラニア生まれ。名親はベティ・タウフリー(Betty Toufry)。スーザンは数分だけ弟より早くこの世に生まれ出たので、おどけて愛情たっぷりに「年上」と呼ばれ、弟には服従を要求するのだった。
 スーザンは父親にほとんどそっくり。背は高くすらりとして、ハーフブロンドの髪にグレーの瞳。クールで人をはねつけるような美しさは、多分に世の男性との間に一定の距離を生んだ。賢く優しく、しかしながら然るべき状況では咎めるようなシニカルさを持つ。おまけに、父親ゆずりのドライなユーモアも持っている。
 専門教育課程(専門は数理論理学)の後、2430年12月5日に25歳の若さで、27歳のハイパー物理学者、ジェフリー・アベル・ワリンジャー博士(Dr. Geoffry Abel Waringer)と結婚。
 2329年からプロフォス国総統を務める母親の豊かな援助もあって、スーザンは宇宙的な大銀行6行の所有者となり、そこで得た利益で夫の天才的な研究活動の経済的援助を行なうことができた。夫は研究を惑星ラスト・ホープ(Last Hope)で行なっていた。この先進惑星は、夫婦にモリー・ローダン=アブロから自由に使えるようにと贈られたもの。弟のマイケルとはいつも連絡を絶やさない。彼は長い間地下活動だったが、それでもロワの自由航行者たちと業務上のコンタクトも保っていた。
 スーザン・ベティ・ローダン=ワリンジャーは、母とともに、2931年のプロフォスのパニター暴動(Panither Aufstand)で死去した。彼女の長い寿命は、両親の細胞活性装置使用によるものである。

Rhodan, Perry
ローダン、ペリー

 第三勢力(Dritte Macht)創始者、続いて太陽系帝国(Solares Imperium)大執政官、その後ハンザ発言者(Hansesprecher)と深淵の騎士(Ritter der Tiefe)。ペリー・ローダンはすらりとして背が高い。髪はダークブロンド、ブルーグレイの瞳、小鼻の右側に小さな傷あとがあって、興奮すると白くなる。新しい状況への対応が格別に早い(このため、瞬間切り換えスイッチと呼ばれる)。常人の比でない健全な自己批判、かなりの論理的思考能力、そしてドライだがピリっとしたユーモアの持ち主。加えて、その人生の歩みに、宇宙的関連を感じ取る知覚が、次第に強く刻まれるようになる。以来、ペリー・ローダンは、新しい時代の人類、宇宙に引かれたレールの中で思考する人類の、プロトタイプと見なされる。彼の学術専門領域は、1971年の月面飛行の時点では、核物理学と宇宙飛行学、原子力放射エンジンの工学である。

【ペリー・ローダンの歴史個条書き】
1.幼小時
[1936:] ペリー・ローダンは1936年6月8日、USAのコネチカット州のマンチェスターで生まれた。ペリーの両親はヤコブ・エドガー(「ジェイク」と呼ばれる)・ローダン、第一次大戦直後の幼小時に両親と兄弟とドイツからUSAに移住、およびメアリー・ローダン、旧姓ティボー(Tibo)、家族はもともとロートリンゲン出身(姓の昔の綴りはThibeau)である。若きローダンの他の親戚としては、カール・ローダンおじさん(父方の兄弟)、ウィスコンシン州で農場経営で乳牛牧畜の専門家、それとケネス・マローンおじさん(母方の異父兄弟)、彼は1948年半ばにUS空軍大佐(Colonel)の地位にあって、フロリダ州の東海岸でケープ・カナヴェラル空軍基地、後のNASA基地の前身の建設を指揮した。ペリー・ローダンの妹、デボラは、1941年初頭に母親の起こした悲劇的な事故で死去。デボラの死は、ローダン一家の運命に暗い影を落とした。ペリー・ローダンの両親は二人とも第二次大戦に従軍、二人はアメリカの占領軍第一波として1945年末、日本へ行き、そこでまず広島と長崎の恐怖に衝撃を受けた。市民生活に戻ってからは、ジェイク・ローダンはマンチェスターで小さな電器店を経営した。
[1945:] 9歳の少年と〈それ〉との最初の出会い。ローダンに専用に調整された細胞活性装置を渡すというコスモクラート(Kosmokraten)の任務は、まだ果たすことはできない。〈それ〉は少年に宇宙の出来事の洞察を与えた。ペリー・ローダンにはこの経験のはっきりした記憶はないが、この時点で彼には、とめどない星々へのあこがれが目覚めていた。
[1948:] 11歳から12歳にかけて、ペリー・ローダンは最初の決定的な幼児体験を克服した。ある年長の学友のために面倒に巻き込まれた。職員室から天球儀が盗まれ、ローダンに疑いがかけられたのである。疑いはかけられやすかった、これは、若きペリー・ローダンが星、天文学、宇宙飛行といったものに関するものなら何にでも、ほとんど熱狂的な興味を示すことを皆が知っていたという、それだけの理由。事件解決の後、ジェイクとメアリーは息子ペリーをフロリダのケネス・マローンおじさんのところに行かせた。ティン・カンという名の別の生徒が彼につきまとうのを避けることができるように。しかし、これでティン・カンが実は全国的に暗躍している犯罪者集団のメンバーであることが判明した。その手はフロリダにまで伸びてきた。今度の彼らの興味はロケット建造と宇宙飛行に関する軍事機密、すなわちケネス・マローン伯父の仕事に関することだった。彼らの陰謀は結局失敗に終わった。特に、ペリー・ローダンの育んだ自発性のおかげで。ペリー・ローダンは伯父に誓わねばならなくなった。US空軍幼年学校10年生に編入して、パイロットへの道を目指して頑張るということを。

2.宇宙飛行士、そして人類のパイオニア
[1971:] US宇宙軍少佐ペリー・ローダン、第一次有人月面探検隊および宇宙船《スターダスト》の司令として出発。他の三人の乗員は、レジナルド・ブル(Reginald Bull)中尉、クラーク・G・フリッパー(Clark G. Flipper)中尉、エリック・マノリ博士(Dr. Eric Manoli)。幸運な着陸の後、難破したアルコン調査宇宙船を発見し、地球外文明人、トーラ(Thora)とクレスト(Crest)との最初の遭遇。アルコンの知識の部分的享受と地球への帰還。
[1972-1975:] 第三勢力建設。地球の大勢力への対抗と地球外からの侵略の試みの撃退のため。
[1976:] 〈それ〉との2度目(最初と思っていた)の出会いが人工惑星ワンダラー(Wanderer)で。最初の生命延長細胞シャワーはこの年の1月17日。生物学的年令は39歳で固定。
[1981:] 地球の執政官に選ばれる。テラ世界政府の樹立。
[1984-2040:] 第三勢力から銀河の勢力ファクター、太陽系帝国(Solares Imperium)成立までを慎重に指揮。トーラとの結婚、二人の間には一人息子トマス・カーディフ(Thomas Cardif)誕生。アトラン(Atlan)登場、当初のトラブルの後、何千年もの長きにわたる友情が始まる。
[2042:] ワンダラーで2度目の細胞シャワー。
[2043:] トーラの死。2年後、第三勢力創立時の忠義の助言者、クレストをも失う。
[2103:] ペリー・ローダンの個体インパルスに調整された細胞活性装置の受領による、トマス・カーディフの悲劇的な死、それにより相対的不死を獲得。
[2115:] 新たに成立した連合帝国(Vereintes Imperium)の大執政官に選出。
[2329:] プロフォス女性モリー・アブロ(Mory Abro)と2回目の結婚(9月28日)。連合帝国の崩壊により、太陽系帝国の大執政官に。
[2400:] 《クレストII》で初めて銀河系を離れ、別の銀河、アンドロメダへと進出。島の王(Meister der Insel)および非自発的補助種族たちとの対決。
[2405:] 双子、スーザン・ベティ(Suzan Betty)&マイケル・レジナルド(Michael Reginald)・ローダンの誕生(8月16日)。マイケル・ローダンは24歳の時に姿をくらまし消息不明。数年後(2435年)ロワ・ダントン(Roi Danton)として再登場。長いかくれんぼの後、父と和解。
[2931:] 妻モリーと娘スーザンをプロフォスのパニター暴動で失う。
[3430:] 人類が作り上げた星間国家から太陽系を守ることを、初めて余儀なくされる。人類に星々への扉を開いた男にとってこれは重い一撃だった。
[3434:] 零時間デフォルメーター(Nullzeit-Deformator)での地球の過去への旅、カピンとの出会い。
[3441:] 長い不在(グルエルフィン(Gruelfin)銀河)の後、銀河系へ帰還。大群(Schwarm)との対決、ホモ・スペリオル(Homo superior)との対決。
[3444:] 内政危機の後、太陽系帝国大執政官に再選。
[3456:] 〈それ〉と〈反それ〉の宇宙チェス。並行宇宙(Paralleluniversum)で自分のネガティヴなそっくりさんに逢う。
[3457:] 宇宙チェスが進み、ペリー・ローダンの脳がナウパウム銀河系(Galaxis Naupaum)に移される。脳オデッセイ(Gehirn-Odyssee)のスタート。
[3458:] 銀河系の自分の体への帰還。人類の歴史が新たなフェーズに入ったことを予感する。〈それ〉に課された試練達成の成果に関する謎。
[3459:] ラール人登場。ペリー・ローダンは、抵抗しつつもただ人類の利益のために、銀河系第一ヘトラン(Erste Hetran)の地位の申し出を受け入れる。並行してこの謎の圧制者たちとの闘争。3月18日オラーナ・セストレ(Orana Sestore)と夫婦契約。
[3460:] 太陽系帝国滅亡。ローダンは千年かけて作り上げた物の残骸に直面する。地球と月は星のメールストローム(Mahlstrom der Sterne)に実体化。
[3540:] ローダンの大執政官としての力が無力化。アフィリカー(Aphiliker)による権力掌握。苦い失望感の中、《ソル》とともに銀河系捜索の旅へ。
[3581:] 長い旅を重ね、銀河系に到着。ラール人の圧制から人類を解放するためにとるべき道をめぐってアトランと衝突。和解後、地球再発見のために《ソル》で再出発。
[3582:] ほとんど見込みのない探索の途上、テルムの女帝(Kaiserin von Therm)の支配領域に進出。宇宙の生命の進化に関する新たな知見がもたらされる。(たまねぎの皮モデル(Zwiebelschalenmodell)、超知性体(Superintelligenz))
[3585:] 〈バルディオク〉(BARDIOC)に出会い、豪族(Mächtigen)とコスモクラート(Kosmokraten)の存在を知る。
[3586:] 人類から一部分岐した様々な者たちについて知る。(ソラナー、コンセプト(Konzepte)、テラナー)
[3587:] 物質の泉(Materialquellen)の彼方、コスモクラートのもとへ赴くというローダンの希望は叶えられなかった。代わりにアトランが人類の大使として出発。ローダンはオラーナ・セストレの死を知る。
[3588:] 宇宙的関連に関するより広い洞察と、人類の使命とを〈それ〉から授かる。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)設立の委託と、敵対する超知性体セト=アポフィス(Seth-Apophis)への防衛。新銀河暦(NGZ)の導入。ペリー・ローダンは第34ハンザ発言者(Hanse-Sprecher)となる。
[NGZ424:] 3つの究極の謎(Ultimate Fragen)の文面を知る。宇宙ハンザ同盟の拡大、セト=アポフィスの陰謀への対処。
[NGZ425:] 深淵の騎士の地位の叙任を受ける。ゲジル(Gesil)登場、ローダンを魅了する。ちょうど戻ってきたアトランと張り合う。
[NGZ426:] 銀河系艦隊(Galaktischen Flotte)でフロストルービン(Frostrubin)(→トリークレ9(TRIICLE-9))を抜け、セト=アポフィスの地、M82銀河に進攻。その前に無限艦隊(Endlosse Armada)と遭遇、進攻を共にする。ゲジルと結婚契約を交わす(NGZ426年9月3日)。無限艦隊を引き継ぐ。
[NGZ427/29:] 数百年にわたるローダンの活動の一部として、クロノフォシル(Chronofossilien)活性化。コスモクラートへの嫌悪から騎士の地位を辞退。ペリー・ローダンはコスモクラートにより〈それ〉の力の球形体から追放され、網を歩む者(Gänger des Netzes)の下へ。9月15日、テラナーであるペリー・ローダンとコスモクラートの化身ゲジルの娘、エイレーネ(Eirene)誕生。
[NGZ447/48:] 力の球形体エスタルトゥ(ESTARTU)での戦士教団に対する活動と、コスモクラートの呪縛の終焉。ペリー・ローダンはタルカン(Tarkan)宇宙に漂着、イマゴ(Imago)となる。ハンガイ(Hangay)銀河の標準宇宙への転送の後、695年間停滞フィールドに捕われる。
[NGZ1143/47:] 銀河系の封鎖に直面し、帰郷をめぐる戦い。個人的な敵モノス(Monos)が人工培養されたゲジルの子と判明。ゲジルはNGZ447年、自称コスモクラートの使節に誘拐された。モノスの最期の後、地球と銀河系の再建。
[NGZ1169〜:] 〈それ〉がペリー・ローダンに細胞活性装置を返却するよう要求。ローダンは召喚に応じ、〈それ〉にこのような処置をとらせた誤解を解こうと試みる。〈それ〉の大捜索が始まる。ローダンと娘はみるみる互いに疎遠になっていく…。

Rhodan-Abro, Mory
ローダン=アブロ、モリー

---> アブロ、モリー(Abro, Mory)

Rhodosker
ロドスカー

 ペリー・ローダンがツクマーコン人(Zgmahkonen)に当初つけていた名前。

RIBALD CORELLO
《リバルド・コレッロ》

 自由テラナー連盟(Liga Freier Terraner)の大宇宙船、ギャラクシス級。NGZ430年、功績をたたえてジュリアン・ティフラー(Julian Tifflor)に贈られた。彼は当時ウパニシャド(Upanishad)の首席で、ニア・セレグリス(Nia Selegris)とともに永遠の戦士(Ewige Krieger)の地位にあった。ティフラー自ら艦長を務め、ニア・セレグリスは彼の代理を務めた。主だった乗員は、ほぼ全ての銀河系種族をカバーするおよそ10000人のウパニシャド門下生。中でも主要な者は以下の通り。
――キース・トールン(Kees Toorn)、位置測定チーフ、エルトルス人、75歳、シャント(Shant)授与者。
――チェソン・リマンク(Cheson Rimank)、通信チーフ、父は超重族、母はスプリンガー、40歳、シャント授与者、第7段階卒業。
――ヴァンゲリソ(Vangeliso)、エンジニア指揮、新アルコン人、80歳、天才的技術者、アマチュア作曲家。
――レイモ・クニス(Reimo Cunis)、搭載艇長、テラナー、33歳、ハンザ・スペシャリストの教育を受けている。

Rico
リコ

 アルコン人アトラン(Atlan)の深海ドームの特殊ロボット。プラスティックの衣装のおかげで「人間的」に見えるこのロボットは、ドームの機材一切の制御と監視のために作られた。アトランが深層睡眠状態にある間、ずっと起きて観察を続ける。アトランが目覚めるたびに、慎重に現実に引き戻し、可能な限りの情報を提供するのが、彼の任務である。

Riesterbaahl
リースターバール

 ローヴァー(Loower)の泉の王(Quellmeister)の艦隊、カイラクヴォラ(Kairaquola)の旗艦。

Rietzel, Swender
リーツェル、スヴェンダー

---> 《クレストIV》(CREST IV)

Rigeler, Amos
リーゲラー、アモス

---> パラディン(Paladin)

Ringarchitekten
---> Beryhamer

Ring der Kosmokraten
コスモクラートのリング

 ペリー・ローダンがNGZ426年、テングリ・レトス(Tengri Lethos)の強い要請でフロストルービン(Frostrubin)のすぐ近くで奪取した、外側直径100mm、幅30mmのリング。外観は均質な楕円形、色は宝石のようにかすかに光るスカイブルー。表面には模様も装飾も全くなく、締め具やそれに類する不均質なものもない。材質は異質で、その頑丈さはあらゆる調査の努力を無に帰せしめた。しかし、その信じられない固さにもかかわらず、柔軟性もあることは形状から明らか。融点は発見されていない。このことから、コスモクラートのリングはある種の形成エネルギー(Formenergie)でできていると推測される。NGZ426年、リングはM82において無限艦隊鍛冶(Armadaschmiede)のひとりにより放射分解を起こした。

Riordan,Tipa
リオルダン、ティーパ

 テラナー由来の人類からなる「宙賊(Piraten)」と呼ばれる独立グループの指導者。細胞活性装置(Zellactivator)の所持者でそのため相対的に不死。ティーパ・リオルダンは2784年生まれ、身長1.56m 、ガリガリで骨ばっている。皮膚は褐色でしわだらけ。姿はテラ伝説の魔女そっくり。鷲鼻はひどく曲がっており、大きく、尖っている。リオルダンはメカ義歯もバイオ培養義歯も拒否するため、頬がこけ、唇は細くしわが深い。目の色は緑、顎が大きく突き出す。リオルダンの白髪は、きちんと櫛けずられて髷にまとめられている。その髷の中には様々なマイクロ兵器が隠されている。例えば、毒針発射器は一見髪留めに見え、またある探知器は、一種の湾曲面探査器から得た全測定結果を直接脳に転送する。姿勢は老婆らしく曲がっている。これは、細胞活性装置の携帯で125歳にして初めて老化プロセスが止ったから。しかしながら、この装置の細胞再生プロセスが器官や四肢に再活生を促すため、ティーパ・リオルダンは精神的にも身体的にも非常に活動的で、若い女性のようである。彼女は体じゅう皮製のものを身につけている。ぴったりしたズボン、ふくらはぎの上までひもでしばったサンダル、太ももまで垂れただらだらしたヤッケ。バックルには、高エネルギー過負荷防御バリア供給用の、シガ製マイクロプロジェクターが隠されている。油圧杖と呼ばれるものは老婆の常備品。これには油圧の力による跳躍機能があり、これを使えばティーパ・リオルダンは6mまでの高さ、及び6mの幅をジャンプできる。グリップ部分には探知器、マイクロハイパー通信器、通常通信器がある。杖本体は3種類の効果を持つコンビネーション兵器(インパルス銃、分子破壊銃、麻痺銃)である。
 ティーパ・リオルダンの旗艦の名は《ドレッドフル》(DREADFUL)。艦の破損により、惑星ヴァーダル(Wardall)でティーパ・リオルダンは死亡した。

Ritter der Tiefe
深淵の騎士

 宇宙の監視騎士団(Wächterorden)。220万年前、ポルライター(Porleyter)に代わり、調和のとれた宇宙的秩序の創造と維持のための規則と目標設定を引き継いだ。監視騎士団の中枢は、惑星クラート(Khrat)のケスジャン・ドーム(Dom Kesdschan)。かつての深淵の騎士は、みな助手(オービター(Orbiter))とともに宇宙のネガティヴな勢力と戦い、死後は魂の一部をケスジャン聖堂に預けた。そこは、新たな騎士団のメンバーがプシオンの騎士の刻印(Ritterschlag)を受けたところである。ペリー・ローダン、NGZ425年のことだった。伝説に曰く、最後の深淵の騎士死すとき、すべての星消え失せんと。
 NGZ429年、深淵の騎士ペリー・ローダン、アトラン(騎士の刻印を深淵(Tiefe)で受領)、イェン・サリク(Jen Salik)は、コスモクラート(Kosmokrat)から離反。彼らは〈それ〉の力の球形体(Mächtigkeitsballung)から追放され、現役の深淵の騎士はいなくなった。イェン・サリクが犠牲になってケスジャン・ドームに侵入し、その束縛を断ち切った。

Roanoke
ロアノケ

 キロウ(Kyrou)星系第2惑星。地球からの距離は18316光年。この惑星はロナクス(Ronaks)の故郷で、テラ植民者からは「ハンマーヘッド(Hammerköpfe)」とも呼ばれる。この惑星への入植は2114年から。首都はファバージ(Faberge)。

Roboter
ロボット

 スラヴ語を起源として派生した人工単語で、労働機械を意味する(ポーランド語でロボタ(robota)は労働)。SFでは通例、ロボットと言えば物理工学ベースのものを指し、ポジトロニクス(Positroniken)、もしくはシントロン(Syntron)でコントロールされ、相応の高い知能も示すことができる(→ポスビ(Posbi))。
 まだ初期の試行錯誤期には、高機能ロボットは可能な限り人間に近い形態をとろうとしたが、今日のロボットは、より用途にあった構造原則にのっとって作られる。

Robotergesetze
ロボット法

 米国の科学作家でSF作家、アイザック・アジモフがまとめた三つの基本法に曰く、
(1) ロボットは人間を傷つけてはならない、また、傷つくことを傍観してはならない。
(2) ロボットは人間の命令を守らなければならない、その命令が第一と相反しない限り。
(3) ロボットは自らを守らねばならない、それが第一および第二と相反しない限り。

Robotersporen
ロボット胞子

 カンターロ(Cantaro)の技術によるもので、NGZ1144年に惑星フェニックス(Phönix)に混沌をもたらした。ロボット胞子は形状はバラバラで、最大寸法は0.15mm。短く髪のように細い移動機構を15本から35本(タイプによる)備えている。個々の胞子は半分が生体、確実にプログラミングを実行するロボット部分を持ち、その内容は、他の胞子を見つけ、タイプを識別し、適合するタイプと合体する、というものである。タイプが相互適合した胞子からマイクロモジュールができ、胞子のタイプによっていろいろな機能を発揮する。モジュールは10〜100個の胞子から構成でき、以下のような能力を持つ。
――(事前にプログラムされた)目標の存在を認識する。
――固有の限られた、目的に絶対的固執を持つ知性によって、事前にプログラムされた目標に到達しようとする。
――移動用反重力フィールドを発生する。
――周囲の物質を吸収し、それを材料に自分のメカニズムのコピーを作る。
 最後に挙げたロボット胞子の能力が最も危険である。胞子は猛烈な勢いで増え、マイクロモジュールの形でそこに根をおろし、事前のプログラム次第で、シントロンプロセッサのフィールドスイッチの中に継ぎ目なく結合し、空調設備の操作部品の回路にこびりつき、自動調理器のメカニズムにしみこみ、などとなる。モジュールは非常に小さい、しかし非常に有効な工具を備えていて、それであらゆる所に出入口を設けられる。目標に到達しても無条件即刻に仕事にかかるわけではなく、むしろ混乱を引き起こさんとする装置の機能としばらく同居し、研究と習熟を図る。ロボット胞子のマイクロモジュールへの合体は、髪の毛状の移動機構を連結させたり交差させたりして行う。ある周波数のマイクロ波照射でこの連結は解ける。胞子の協調能力は失われ、お互いを固定していた繊毛結合がゆるみ、モジュールは崩壊し、さらにこの有効照射を続けると、ロボット胞子は死滅する。
 ロボット胞子の基本プログラミングとはすなわち破壊の規則であり、それによってコンピュータ制御の進んだ惑星全体や宇宙艦内の社会基盤を、最短の期間で麻痺させることを目的としている。しかしながら、別の建設的な利用目的もあり、それはプログラミングの唯一の謎となっている。胞子は通常は不活性状態にある。それが活性化する瞬間は、その所有者によって決まる。

Roboter von Ctl
クトゥルのロボット

 紀元前50000年頃にオーグ・アト・タルカン(Oogh at Tarkan)によってクトゥル星系第2惑星に創られたロボット文明。ロボットには可動型と固定型があり、タルカン(Tarkan)宇宙から来たカルタン人(Kartanin)に仕え、その監視と警告システム、例えば、タルカンから新たにやってくるものの捕捉と確認の作業を務めた。設計上、完全自律のロボットシステムとして考案され、ロボットは人工知能を備えている。
 ロボットの第2の任務は、ストレンジネス・ショック(Strangeness-Schock)で原始に退化したカルタン人に、その使命を思い出させ、適切に情報を与えることである。カルタン人が退化していた間、生みの親から放置されたクトゥルのロボットは、自分自身の改造を始めた。数千年が流れた後、この施設はNGZ446年、ニッキ・フリッケル(Nikki Frickel)によってクトゥルII で発見された。ロボットはその本来の任務を忘れ、その主体性と権勢欲を発達させていた。自らの力で強力な宇宙艦隊を作りあげ、多くの星間種族を支配下に置いた。その中には、運命の皮肉か、その時点までずっと原始状態に退化したままのカルタン人も含まれていた。他の種族としてはM33(さんかく座(Triangulum)もしくはピンホイール(Pinwheel))出身のマーカー人(Maakar)がいた。
 そこへ宇宙じゅうに散らばった種族、ギュス=フォールベーラー(Gys-Voolbeerah)がM33にも現われた。クトゥル星系を発見し、クトゥル星系の施設の基本的性質を少しも変更することなく、自らの目的に合わせてロボットを機能させた。やがて彼らはM33を去って銀河系へ移住し、ここのシステムを総て不活性化した。監視用に作られた原始的なロボットと、監視に使うシステムだけが活性化のまま残された。ギュス=フォールベーラー撤退後、このクトゥルのロボット施設の面倒をみたのはウィザード(Wissenden Frauen)(→アルドゥスタールの声(Stimme von Ardustaar))だった。その頃、カルタン人は新たな技術発展の最中だった。当時のまだ原始的な宇宙船でクトゥルへ進出して、ロボットが意図せぬ反応を起こすことを防ぐため、そして再び隷属状態になることを防ぐため、ウィザードたちはラクノー星雲(Raknor-Nebel)の周辺を封鎖宙域とし、これをアルドゥスタールの声でハイレディ(Hohen Frauen)に伝えた。この禁忌を監視するため、ウィザードはロボットシステムの位置測定/送信システムを活性化し、クトゥル星系によそ者が近づき、無権限の者がクトゥルII に偶然着陸しそうになると警告信号を発信するようにした。
 それはNGZ446年、ニッキ・フリッケルがラクノー星雲に追跡を逃れてやってきた時に起きた。ウィザードたちは、その技術的知識でロボットを支配しており、いつでも遠くからロボットを活性化して侵入者を無力化できた。クトゥルのロボットはポジトロンベースで動く。その形状は、可動型も固定型もそれぞれの機能に合わせたものになっている。ロボットの情報交換はカルタン人の情報コードで行う。文字や音声で行う際は、古代カルタン人の言語が用いられる。
 クトゥルのロボットは6つのカテゴリーに分けられ、それぞれは6日目から1日目(もしくは短く6番、5番、…1番)と呼ばれる。6番は荒っぽい仕事に使われ、2番は思考、1番は制御を受け持つ。このカテゴリーの第3から第5のクラスまでは、最後の6日間(Letzten Sechs Tage)(→ヘクサメロン(Hexameron))の符号と偶然ではない一致性を持ち、このシステムにおいて相応の役割を果たしている。
 クトゥルのロボットの一部は、知覚をもち、生命体のように考えることができる。これは、重傷を負って二度と再生しなくなったギュス=フォールベーラーの分子をバイオ付加することで実現されている。

Robotik
ロボット学

 ロボトロジー(Robotologie)とも。ロボットの建造、構造および機能の学問。(→ロボット心理学(Robotpsychologie))

Robotpsychologie
ロボット心理学

 ロボットの行動決定に関する学問で、人間の思考になぞらえている。ロボット心理学は、特に自分のアイデンティティに関する情報をもち、一定量が独立化したロボット構造のものに適用される。数理工学的なロボット学の概念ではもはや捉えきれないロボットの行動様式の説明や予測ができるため、よく用いられる。

Robotregent
ロボット摂政

 惑星アルコンIII (Arkon III)の巨大ロボット脳で、1978年、細かく分かれてしまった大帝国(Große Imperium)の統治権限を引き継いだ。この措置は、自分の子孫が退化して、いつの日か星間帝国を統治できない状態になるであろうという、古代アルコン人の卓見だった。彼らはロボット脳を作り、他に帝国を救う手がなくなった時に発効して、無制限の権力が授けられる特別スイッチをつけた。
 ロボット摂政はエネルギードームの中にあり、占有面積は10000平方キロに及ぶ。そこから彼はアルコン艦隊を指揮し、非移動兵器群を作動させ、帝国に逆らうものはすべて冷酷に葬り去る。植民星の反乱は芽のうちに摘みとられる。辺境ではロボット艦が守りを固める。統治王朝は無力に成り下がり、アルコン系惑星への通行は許されない。1984年、ペリー・ローダンとロボット摂政との最初のコンタクトがあった。その後彼は「巨人のパートナー」となり、地球のポジションを秘密にすべく大きな努力を払うこととなった。2044年初頭、アトランはロボット脳を屈服させ、皇帝ゴノツァル8世として帝国の統治を引き継いだ。古代アルコン人が万一に備えた第2の安全スイッチ(「狂気のスイッチ(Irrsinnsschaltung)」)が作動してロボット摂政は自己崩壊し、それは同時に、唯一の銀河系権力としてのアルコン帝国が終焉を迎えたことを意味した。

Rochenschiffe
エイ型船

---> マニップ船(Manip)

Roctin-Par
ロクティン=パー

 ラール人でありながら、ヘトスの七人(Hetos der Sieben)の最大の敵。ローダンとロクティン=パーはヘトッサ(Hetossa)で初めて出会い、そこで彼によってホトレノル・ターク(Hotrenor-Taak)の真の計画が明らかにされた。まだ比較的若く、コパーレッドの髪に特別製の重いネットをかけて形を整えている。彼はプロヴコン人(Provcone)のラール部族である。彼の指揮の下、プロヴコン人はヘトスの七人とNGC3190や他の銀河系の数多くの惑星で戦っている。ロクティン=パーはローダンの友人となり、ラール人支配との戦いにおいて重要な同盟者となった。根拠地はプロヴコン=ファウスト(Provcon-Faust)の惑星プロヴIII(Prov III)(別名はゲア(Gäa))にある。

Roff, Endehar
ロフ、エンデハー

 ロックヴォルト(Lockvorth)の天才エンジニア。NGZ800年、ヒューマニドローム(Humanidrom)建造依頼を受けたが、そのための設計図はネーサン(NATHAN)と共同で既に完成させていた。エンデハー・ロフは身長ほぼ2m、やせでのっぽでのろま、もじゃもじゃのブロンドヘア、はねた口ヒゲ、骨ばった顔。それ以前は目立たず平凡に働いていたが、まるで悪魔に憑かれたように仕事に打ち込んだ。後に彼は、モノス(Monos)の9つの発現のうちの1つであることがあきらかとなった。

Rofus
ロフス

 恒星ヴェガ(Wega)の計42惑星中の第9惑星。ロフスはフェロン人(Ferronen)の植民星で、肥沃な大地と豊富な地下資源に恵まれる。気候は地球に似ている。巨大な山脈と大きな海がある。ロフスでのフェロン人の入植拠点の名はツグノル(Tschugnor)。1975年、ペリー・ローダンはグッド・ホープでこの惑星に不時着、ヴェガ星系にやってきたトプシダー(Topsider)にそこから決定的打撃を与えるべく準備を行った。

Rogard, Sheela
ロガード、シーラ

 NGZ 396年3月9日、グリーンランド生まれのテラナー。身長1.72m、体重60kg、緑がかった髪でとびきりの美人。NGZ 430年3月25日、大多数の支持により第一テラナー(Ersten Terranerin)(→自由テラナー連盟(Liga Freier Terraner))に、それと同時にギャラクティカム(Galaktikum)の銀河系テラ評議員にも選ばれた。
 それまでシーラはさまざまな職業を転々としていたが、エレメントの支配者(Herr der Elemente)のデヴォリューション(Devolution)の過程で、それが誰とも知らぬままに、かれの信奉者にして恋人となった。そして彼の死は、シーラ・ロガードの転機となった。テラにおける社会運動のひとつ、コスモポリタン(Kosmopolit)の著名な発言者として、銀河系諸種族の親密かつ同格な協調を目指し、宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)をギャラクティカムのコントロール下に置こうとした。選挙公約に従い、新任の第一テラナー、シーラは、常任大臣(テラ評議会)を辞し、ネーサン(NATHAN)とネーサンに選任された専門家らにその任務を委譲した。重要な決定は、テラの民が最新コミュニケーション技術により直接投票で下すこととした。
 シーラ・ロガードはその後、ギャラクティカムの仕事に専念できるよう、第一テラナーとしての職務を辞任した。彼女の銀河系評議員職はNGZ 490年、ネーサンにより除名され、その後は消息不明。

Roggyein
ロギイアイン

 ソルと同じ大きさで、強いブルーの光輝を放つ銀河系中心部の恒星、ソルからの距離は49118光年。ロギイアインは6つの惑星を持つ。第4惑星はマルタッポン(Martappon)、深淵の騎士の施設ハープーンのアルマダン(Armadan von Harpoon)の最重要惑星である。

Rois-System
ロワ星系

 オレンジ色の恒星。地球からの距離は2917光年。この星には8つの惑星が周回しており、その第3は惑星ルビン(Rubin)、ホワルゴニウム(Howalgonium)の発見地である。

Rolfth
ロルフス

 オレンジ色の恒星オントリー=メロンザス(Ontry-Melonzus)を巡る星系の6つの惑星の第4惑星、かつてはカルスアル同盟(Carsualschen Bund)の版図で、内部中枢リング(Zentrumsrings)の境界に位置する。惑星ロルフスは、3581年時点ではラール人の同盟者ヒュプトン人(Hyptons)の主居住地である。ソル系からは18222光年の距離がある。ほぼ地球と同じ大きさの天体で、表面には3つの大きな大陸が刻まれ、重力は0.91G、自転周期は27.9時間。天には2つの小さな月がわずかな光を放つ。ロルフスは、元来涼しい気候だが、5000年前から定期の氷河期に入っており、南北両極は完全に凍っている。巨大な氷河が極地から伸び、大きな大陸を覆っている。しかし、赤道部分には氷はない。そこは快適な平均気温摂氏13度、しかし夜間は強い冷え込みがある。動物相は環境に適応しており、植物相も数千年前に適応過程に抵抗力をつけている。
 大気には酸素が豊富で、このため氷に覆われた地域の空気は澄んで冷え込みが厳しく、暖かい地域は非常にガスっぽい。台風もしばしば発生する。
 まだ凍結を免れている土地はほとんど草原だが、そこにはわずかな牧草、苔、低木の茂みしかない。巨大な氷山が、互いにつながっている2つの大洋のあちこちで漂い、赤道近くにまで達する。この惑星の原住民はオンテイカー(Ontaker)と呼ばれる。彼らは当初、テラの青銅器時代中期に相当する文明段階にあった。
 北の凍結地の境界近くに、ラール人(Laren)はロルフスにおける主居住地を設け、ムルンテ=ネーク(Murnte-Neek)と命名した。ここを拠点とした理由の決め手は、旧カルスアル同盟大宙港施設の存在だった。

Romeo und Julia
ロメオとジュリア

 ほぼ人間の格好をした2体の可動重量構造ロボット。製造者はわざと完璧に人間に似せるのを諦め、2体はむしろ昔の「典型的ロボット」を思わせる格好になった。その心理学的理由は、このカップルの愉快な外観で《ソル》乗員の怖さや不安の気持ちを和らげ、ロメオとジュリアとのつきあいを通じて、それを防ぐことにある。箱型の構造、細い腕と脚、箱型の頭、光る目、アンテナ線の耳、パタパタと開閉する口、人類の前に姿を現わすには、まったく無邪気な格好である。光る目、箱型の体に様々に光るたくさんの電球、頭部の金具はみな飾りで、その下には素晴しい最新科学が隠れている。超高性能センサー群は、光学系、音響系、エネルギー系、いかなる痕跡であろうとも検出する。2体には重火器が装備され、パラトロン、HÜバリアのどちらも使用できる。衣服の下には、パープルレッドに輝く透明インケロニウム=テルコニット鋼がある。身長2.50mの体は隅々まで利用されている。ロメオもジュリアも、《セネカ》(SENECA)と同じ原理で建造された。そのため、ロボット形態の可動計算機として、昔の巨大電子計算機にひけをとらない大容量を有している。2体そのものにはプラズマは一切付加されていない。2体の「心」は《セネカ》との直接の5次元通信であり、2体は《セネカ》のモバイルエージェント(mobile Ableger)である。
 ロメオの作戦指揮及び戦闘指揮所はソル・セル1に、ジュリアはソル・セル2に置かれている。そこで2体は、艦固有のポジトロニクスの重要な付加装置として働く。ソルの分離により航宙艦シフト(UNIVERSUM-Raumer)が始まると、2体はその位置につき、ソルが再び集合すると、2体はまた自由に動けるようになる。ただし、常にセネカの命令が優先される。

Romulus
ロムルス

---> ホーマー・G・アダムス(Homer G. Adams)

Ronaks
ロナクス

 テラナーによって2114年から植民が始まった、惑星ロアノケ(Roanoke)の原住民。テラ植民者は、その特徴的体型から「ハンマーヘッド(Hammerköpfe)」と名付けた。ロナクスは卵生、四足、直立歩行、身長1.30mの生物で、その外観はテラのハムスターとのかなりの類似が指摘される。ただし、その頭の上部はまっ平ら。そこには冠状穿孔器官がある。中には有機的に合成されたクリスタルが数千個納まっていて、それは最高級のテルコニット鋼よりも固い。この回転冠こそが「ハンマーヘッド」の、まさに工具である。
 ロナクスは頭で何か叩くわけではなく、土の中などあらゆる物質の中を掘り進むのだが、テラナーはその頭の形に合わせた呼び方を選んだ。ロナクスの体内、背中側の首の直下部には、高圧室という器官があり、そこで未解明の自律的な一連の働きの中で、水素成分と酸素成分が混合され、圧縮される。発生した爆燃ガスは、体内の前進圧によって、ホース状の軟骨質の高圧伝道管を通って頭の上部に導かれる。ここで、冠状穿孔器官の中のプラチナに似た触媒器官の働きにより発火し、必然的に高速の回転力に転換される。これは種の生来の道具である。ロナクスは非常に臆病で、文明段階はテラの鉄器時代に相当する。武器は持っていない。「ハンマーヘッド」は草食だが、根本的に肉食を拒むわけではない。彼らは生涯のほとんどを地下で過ごす。太陽光線は熱源としては十分ではないので、惑星地殻のできるだけ奥深くに潜るようにして、火山性の内部熱源を利用する。ロナクスは巨大な洞窟迷路と坑道網を持ち、その中を地下数キロに渡って動き回る。

Roost
ロースト

 恒星シムバン(Simban)の3つの惑星の中の第2惑星。赤道直径12580km、重力1.03G、自転34.9時間、平均気温摂氏約39度、酸素大気。ローストには拡大途上のジャングル地帯、乾燥した高原、泥の海、標高8000m級を擁する大山脈がある。原生林や乾燥高原には激しい熱風が吹く。まだ比較的若いこの惑星の動物相は無害。ローストの知的住民はスプリンガー由来で、幅約210kmの細長い湾を挟んだ2つの都市国家(トラヴェラ(Travera)とゴグヌル(Gognul))に住み、戦争状態が200年続いている。双方とも進化段階は大きく後退している。2328年、ペリー・ローダンとその友人らがイラチオ・ホンドロ(Iratio Hondro)によって誘拐された時の放浪の際には、赤く光る3つのピラミッドがあった。それはカハロ(Kahalo)のものと全く同じであり、同じ未知の知性体によって建造されたことも明らかだった。

Rorvic, Dalaimoc
ロルヴィク、ダライモク

 年齢不詳(サイノ人とのハーフ)のチベット人、身長2.10m、きわめて肥満。ロルヴィクはアルビノで皮膚は真っ白、目は赤い。頭には全く髪がない。声は深く果てしなく単調に響き、ひどく鈍重な瞑想者といった性格。主たる仕事と言えば、仏像と同じように脚を組み、目を半分閉じ、限りない遠くを見つめることである。
 ロルヴィクは全くの怠け者と嘲笑する者もいるが、彼はこの仕事を深精神瞑想と称している。タッチャー・ア・ハイヌ(Tatcher a Hainu)とは風変わりな友情で結ばれている。ロルヴィクの専門はウルトラ周波数技術者(Ultrafrequenzingenieurswesen)である。3442年4月、あるパラ心理攻撃によってロルヴィクは、突然驚くべきパラ能力に目覚めた。彼の能力は、ひとつはプシ・リフレクター(Psi-Reflektor)と呼ばれるもので、振りかかった超知覚領域の未知の力を鏡のように反射できる。(この能力で、例えばヒュプノ的に操られたと偽装することもできる。)他の能力としては、ステップセンサー(Etappenspürer)がある。この能力によって、因果関係の連鎖の山になった事件を、出発点までパラ心理的に遡ることができる。
 3587年、ロルヴィクは〈それ〉に同化した。

Rorvic, Shisha
---> PSI-Trust

Roschor
ロショー

 恒星グショラ(Guschora)の7つの惑星の第3惑星。ロショーはじめじめした暑いジャングル惑星で、地表の平均気温は摂氏39.7度、大気の湿度は88〜97%、1日の長さは19.3時間。ロショーの奇妙な点は全く予測不能の大きな重力変動で、0.38Gから2.11Gにまでなる。この特殊性のため、ロショーはクリュン(Kryn)の刑務所および追放地とされた。

Rossisten
ロシスト

 ドリームヘルパー(Traumhelfer)の一団体の名称(→シミュセンス(Simusense))、「自然に帰れ」の理想の実現のため、その理想にふさわしい生き方を求め、1147年まで長い間熱帯アマゾンのジャングルに引っ込んで孤立していた。「ロシスト」とは、フランスの大自然哲学者ジャン=ジャック・ルソー(Rousseau)にちなんだ。NGZ1147年3月、アラスカ・シェーデレーア(Alaska Saedelaere)とゲジル(Gesil)が出会った頃、ロシストは280人が生活する入植地ひとつだった。他の多数のドリームヘルパーたちと異なり、ロシストはシミュセンス網(Simusense-Netz)に入り込む機会を利用するが、きわめて稀である。彼らにそのための時間はほとんど残っていない。牧畜、農業、ボート造りに精を出し、それを生きがいと思い、ギガテクノロジーやシミュセンスの愚鈍化機構に依存しない。

Ross-Koalition
---> Interessenbünde

Rostock
---> Kosmische Basare

Roter Anatom
赤い解剖者

 ポインコラー(Poynkorer)の種族出身の商人。赤い解剖者はヤーンズトロナー(Yaanztroner)から黙認と免許を受けた臓器商人である。悪名高く、犯罪に絡む商売も堂々と扱って臆することはない。赤い解剖者は、ローダンがナウパウム銀河系(Galaxis Naupaum)で知己を得た最初の人物のうちのひとりである。間もなくローダンは、赤い解剖者の親切の裏には全く別の意味がかくされていることを知る。赤い解剖者は、ローダンのセイナッチ脳(Ceynach-Gehirn)が欲しかったのである。このポインコラー人はノパロール(Nopaloor)の地底世界の影の支配者である。惑星イルヴィトム(Yrvytom)(→イルヴィト(Yrvyt))で死亡。

Rote Riesen
赤色巨星

 赤い巨大恒星→星々(Sterne)、進化。

Rotierendes Nichts
回転する虚無

---> フロストルービン(Frostrubin)

Rotkel, Truc
ロトケル、トルク

 3387年生まれ、ずんぐりしてハゲ頭で短気。ロトケル医学博士は3441年にタフン(Tahun)のコスモ整形外科の医師長。特別な愛情を注ぐものはエキゾチックなバラを栽培すること、海牛モドキのゲジン(Gesine)、そして自分の性癖を同僚に体験させること、つまり、短気の発露、その深層心理学的認識および解釈、および心情的平衡状態での驚くべき親しさという「冷温交互浴」を体験させること。しかし、当人にとって不思議なことに、それがうまくいった試しはない。

Rottlar
ロトラー

 エルファド人(Elfahder)で、女性の永遠の戦士シュフー(Ewigen Kriegerin Shufu)の助言者。外見的には自身の種族の典型的な代表であり、トゲで覆われた琥珀色の鎧を着ている。彼はかつてはその女性戦士の将帥中でも際立った存在で、結局その助言者・親友としてかつぎ出された。
 ロトラーは、法典分子(Kodexmoleküle)の過剰摂取で死にかけた時、網を歩む者たち(Gänger der Netzes)(GdN)に抗法典分子ヴィールス(Anti-Kodexmoleküle-Virus)を投与されて救われた。それ以来、永遠の闘争(Permanenten Konflikt)の教義を邪教と思うようになった。以後、彼はGdNと行動を共にし、シュフーの心に提案と暗示を行った。NGZ446年初頭に、その成果はあがった。シュフーは、戦士イジャルコル(Ijarkor)に、再びエトゥスタル(Etustar)に出向くように、そして(まだ)超知性体《エスタルトゥ》が存在していることを証明するようにと迫ったのである。
 ロトラーは不定期だが頻繁にGdNとコンタクトをとるとともに、抗法典分子血清(Anti-KM-Serum)を持ち歩いている。そのおかげで、シュフーの腹心として浴びなければならない法典分子シャワーにも、害を受けることなく耐えることができる。

Rous, Marcel
ルウ、マルセル

 太陽系艦隊少尉。2041年、遅い時間の流れに影響されずにドルーフ(Druuf)宇宙に到達した最初の人類となった。ルウはフランス人、髪はダークブラウン、機敏でかなり行動的。大尉に昇進後、ドルーフ惑星ハーデス(Hades)のテラ秘密基地の司令となった。

Rozoll, Taffas
ロゾル、タファス

 3524年生まれのエルトルス人(Ertruser)。NGZ446年、510歳のとき、住んでいた惑星サバル(Sabhal)において、ラトバー・トスタン(Ratbar Tostan)の銀河系への「逃走」を演出。用いた宇宙船は《タール》(TAAHL)で、彼はその艦長を演じた。
 タファス・ロゾルは老戦士で、驚くべき活力と短気の持ち主。かつての太陽系艦隊大佐で、後に自由商人となった。ヴィールス船(Virusraumschiff)でトランスフォーム爆弾を3つジオン・ゾム(Sion Som)へ密輸、それは後に、まだ《クロッツ》(KLOTZ)内にいるラトバー・トスタン宛のUSO信号として点火された。ロゾルは5人の妻とともに暮らしている。

Rubin
ルビン

 ロワ星系(Rois System)第3惑星。ほぼ火星の大きさ、とても温暖で非常に乾燥している。このため、ルビン上にはわずかな水しか存在せず、その風景は草原と砂漠からなる。ルビンの重力は0.82G。ロワ・ダントン(Roi Danton)は2435年、ここで貴重な金属ホワルゴニウム(Howalgonium)を発見。これを石器時代に生きる原住民との貿易、すなわち真珠や、溶鉱炉やそれに類するすぐ使える有用な設備との交換で入手した。

Rubiner
ルビナー

 惑星ルビン(Rubin)の知的住人。発見された2435年にはまだ石器時代段階だったが、ロワ・ダントン(Roi Danton)の莫大な物資援助で、相当に迅速な発展をとげ、NGZ429年、技術的にも精神的にも銀河系の標準に達した。彼らには自前の宇宙航行産業はないが、3ダースの200m球形船を持つ(テラから購入、ルビナーは地下資源で裕福である)。この種族はガフェク(GAVÖK)には所属していないが、今はギャラクティカム(Galaktikum)の一員となるべく努力している。
 ルビナーはテラのカンガルーに似ており、身長約3m、赤みがかった毛皮を持つ。小さな腕の器用さは生まれつきの職人といったところ。顔は表情豊かで、丸く黒い目、退化した鼻、小さな耳がある。ルビナーは腹部に大きなポケットのついたつなぎを着て、深く轟くような声で話す。温厚だが、商人的ずるさと農民的狡猾さを併せ持つ。

Rubinmikroben
ルービン微生物

 物質化したプシエネルギーでできた寄生生物の名前で、超知性体セト=アポフィス(Seth-Apophis)がフロストルービン(Frostrubin)を意識デポとして悪用したために発生し、フロストルービンの情報プールを栄養にして育った(→モラル・コード(Moralischer Kode))。モラル・コードの一部としてのフロストルービンの情報を、変形もしくは消失させる。
 最初のクロノフォシル活性化によって起きたn次元衝撃波がフロストルービンを駆け抜け、そのため大部分のルービン微生物は元のプシエネルギーに戻ってしまった。たった3体だけが免疫だったが、NGZ428年7月、タウレクによってフロストルービン内部へ連れてこられたペリー・ローダンが無害化した。

Rubin Omega
ルービン・オメガ

 老いて衰弱した小さな高密度の太陽。光輝は血の赤、くすんでいる。ルービン・オメガはヒドゥンワールド(Hidden World) I とII の2惑星を持つ。

Rudo, Cart
ルド、カルト

---> 《クレストII 》(CREST II )

Rudyn
ルデュン

 中央銀河連邦(Zentral-Galaktischen Union)の版図内の恒星エフェレゴン(Ephelegon)の第4惑星。直径13480km、自転周期22.7時間、重力1.07G、平均気温摂氏27度。首都はゲネツ(Genez)。ルデュンは8つの大陸に(3433年の時点で)3900万人が住む。21人のカルファクターの政府庁舎はオプラル(OPRAL)と呼ばれる。

RUF
「声」

 コスモクラート(Kosmokraten)が委託者との関係を保っている神秘的な交信手段を指す。豪族(Mächtige)の呼び名。

Rumal
ルマル

 恒星マルビー(Malby)の第2惑星。赤道直径13495km、重力1.13G、自転周期28.9時間。寒冷な荒涼星で、不時着した宇宙航行者によって入植が行われた。その子孫がルマルに留まることを選択したのは、この不毛な土地も地下資源は豊富だったためである。特に珍しいルマリウム(Rumalium)は高抵抗の合金に用いられる。

Rumaler
ルマラー

 座礁したテラの宇宙航行者の子孫で、惑星ルマル(Rumal)の人類住民。2405年での人口は約60000人。ルマラーは環境適応のために変異し、その性質には不毛な荒涼たる大地での厳しい生存闘争が刻まれた。初代は常にエネルギー獲得と食料生産の努力に忙殺された。
 植民者のプライドから、テラや太陽系帝国の諸惑星からの物資輸入は禁止された。恒常的な食料難におびやかされつつ、長い年月の後、たゆまぬ灌漑と施肥により、広域肥沃化が達成された。巧みな品種改良で、栄養に富み、環境条件に適合した植物の収穫が得られるようになった。巨大な温室施設もある。ルマラーにとって嫌悪すべきことは、食べられるものを投げ捨てたり、放っておいて腐らせたり、処分してしまうこと。これは収穫の儀式においても見られる。ルマルは自給自足で、地球には依存していない。行政の長の肩書きは、全エネルギーを左右することにちなみ、「第一スイッチマスター(Ersten Schaltmeister)」である。

Runete, Pandar
ルネーテ、パンダー

---> 《クレストIV》(CREST IV)

Russelwussel
ルッセルヴッセル

 二百の太陽の星(Hundertsonnenwelt)のウィリー・マット(Matten-Willy)。NGZ427年、エレメントの十戒(Dekalog der Elemente)防衛委員会の一員。ハンザ・スペシャリストであるスタリオン・ダヴ(Stalion Dove)の救出に重要な役を果たしたが、その後仮面のエレメント(Element der Maske)の正体を現わし、ダヴは破滅の罠に陥った。本物のルッセルヴッセルはとうに仮面のエレメントによって殺害されていた。

Rusuf
ルスフ

 恒星クレラ(Krela)の計11の惑星の第4。ルスフの重力は1.12Gで酸素大気、自転周期21.6時間。地球に似た惑星で、アルコン人移住者が入植。彼らは本流種族の退化とは無縁であり、この新しい故郷の高重力のために、相応に強靭な体質を獲得した。
 1982年、ルスフはスプリンガー(Springer)の契約基地として使われていた。後に、太陽系帝国の小駐留地も設置された。

Rusuma-System
ルスマ星系

 球状星団M13の黄色恒星で計18の惑星を持つ。アルコン(Arkon)からの距離は44光年、地球からの距離は34000光年。ルスマ星系はスプリンガー(Springer)のもともとの故郷であり、かの銀河商人の全氏族の芽生えた場所である。主惑星アルヘツ(Archetz)(第5惑星)の近辺のほぼ全惑星に、スプリンガーの使う宇宙船ドック、行政区画、巨大補給基地がある。

Rute
ルーテ(鞭)

 天体配置を指す名称で、ザムトアウゲ(Samtauge)の前に並ぶ奇妙な太陽と惑星の位置関係から名付けられた。ザムトアウゲのこれら全天体は、ひとつの方向に射出されたように(ちょうど鞭のように)見える。これが現実だということが、観察者には信じられないに違いない。ルーテの先端には、ペリー・ローダンがかつて侵入したダッカルゾーン(Dakkarzone)が0.21光年にわたって広がる。ルーテの断面は円ないし楕円で、空間的には静止しており、全く自転はしていない。ザムトアウゲに近い部分は、恒星が集まって鞭の柄のように見える。そこには天体が異常に濃く密集している。ルーテの恒星はザムトアウゲから遠ざかる方向に(徐々に互いの間隔を広げながら)展開している。その終端に達した途端、中間空間に落ち込む。
 ルーテの恒星の総数は約3000、うち惑星を持つものは63である。

RZI
---> 時空エンジニア(Raum-Zeit-Ingenieure)

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レキシコンIII入口 / PRTP入口