D

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Daarshol
ダールショル

 カンターロ(Cantaro)。テラナーと言っても通じる。目と目の間が並外れて広く、瞳の色はエメラルドグリーン。ダールショルは身長1.82m、ダークブラウンのショートヘア、古風な鼻に比較的整った部類の口。顔には総じて気品があり、肌のつやはビロードのよう。声は深く響く。衣服は皮のような合成素材でできた明るいベージュのコンビネーション、ほぼテラでよく見られる宇宙用コンビネーションと同じである。ピコシン(Pikosyn)、マイクロ重力発生器(Mikrogravitator)などの技術装備もついている。ダールショルの武器は高性能コンビ銃(Hochleistungskombistrahler)で、一般的なパラライザー(Paralysator)モード、インパルスモード、分子分解(Desintegrator)モードに加え、瞬間的に高重力衝撃を発する重力パルス(Glavopulser)モードを備えている。
 ダールショルは他のカンターロ同様ドロイド(Droide)で、体の機能のほとんどはシントロニクスモジュール(syntronischen Module)がコントロールしている。彼には生体脳があるが、シントロニクスプロセスからの要求が蓄積されないと切り替わらない。シントロニクス=メカニック製の彼の体には巨大なパワーと俊敏性が備わっている。ダールショルのシントロニクスの「意識」は右の鎖骨の下にある。ダールショルはNGZ1143年9月、彼の型としては初めて、銀河解放闘争グループ(galaktischen Freiheitskämpfern)に捉えられ、調査された。

Dabrifa, Shalmon Kirte
ダブリファ、シャルモン・キルテ

 ダブリファ帝国(Imperium Dabrifa)の専制独裁者。細胞活性装置所持者。ダブリファは長身でスマートな植民テラナー(Kolonialterraner)。黒髪で、精神的にも肉体的にも柔軟性があり、知性も高く、必要ならば腰を低くして愛想よくできる。しかし個人的および政治的目的を達成するときには、良心のとがめなく仮借なく断固として行動する。彼の細胞活性装置は第2次遺伝子危機(Second-Genesis-Krise)の最中にいやらしい策略によって手に入れたものである。彼は、3434年のいわゆる寛容革命(Toleranzrevolution)で死に、彼の独裁は選挙民主主義に取って換わられた。彼の細胞活性装置はグッキーがカピン人オヴァロンに手渡した。

Dacommion
ダコミオン

 恒星スタムネスト(Stammnest)の第二惑星、ヴァーベン(Varben)種族の故郷であり発祥の地である。赤道直径14789 km、重力1.17635G、自転17.45 時間、日中平均気温29.8度。ダコミオンは高湿度の火山星で、空はほのかに紫色に光る。大きな海には5つの大陸が点在する。動植物相は原始的。惑星で特徴的なのは、浮遊都市と地表の開拓地である。首都はカーンセーダー(Kaansäder)。ちょうど重力1.17635Gでヴァーベンは身体および技術を発展させたため、その全文化と文明においてこの固定値に調整される。

Dai
ダイ

---> ウパニシャッド(Upanishad)

Dakkardim-Ballon
ダッカルディム・バルーン

 恒星と惑星(→ルーテ(Rute))を包む皮状の殻で、ブラックホールのザムトアウゲ(Samtauge)からダッカル空間(Dakkarraum)内に噴出したもの。このエネルギー泡はザムトアウゲの過剰エネルギーが作ったものであり、普通なら六次元効果で瞬時に消滅する運命だったルーテの天体のまわりで、効果を中和する「皮膚」となっている。ダッカルディム・バルーンの表面には不定型の指のような、繊毛のようなものがある。その長さは1億5千万kmにもなる。
 バルーン自体はルーテよりやや大きい程度。縦軸は0.22光年。断面は惰円から真円、最大幅(ちょうどサムトアウゲの外縁の向かい側)は0.07光年。起点の直径は2100万km。

Dakkarkom
ダッカルカム

 無線装置。そのインパルスは5次元超空間を迂回し、ダッカルゾーン(Dakkarzone)を通して伝えられる。

Dakkar-Schleife
ダッカル・バンド

 ジオフリー・アベル・ワリンジャー教授(Geoffry Abel Waringer)と科学チームが開発した、ペドトランスファー(Pedotransferern)攻撃に対する防御装置。5mm 幅のプラチナ色の金属バンドで、それを人間の額や後頭部に巻くと、そのアンチ放射で、カピン人のペドトランスファーラーがその装着者の精神を支配するのを防ぐ。

Dakkar-Tastresonator
ダッカル走査リゾネーター

 6次元ベースで作動する装置で、6次元半シュプール(Sextadim-Halbspur)における事象の方位測定を可能にする。これはゼロ時間デフォルメーター(Nullzeit Deformator)の重要な部品で、リゾネーター回路と振動同調器を備えている。ダッカル走査リゾネーターには、6次元半シュプール内で出会う、いわゆる時間流(Zeitläufer)によって引き起こされる障害インパルスを測定し、解消することが要求される。それにより、障害流内の振り子運動の静止と、逆行定数(Rücksturz-konstante)の吸収が得られ、同時に、時間航行中の完全な静止状態が得られる。ダッカル走査リゾネーター完成後、ゼロ時間デフォルメーターが十分な機能を発揮するためには、セクスタゴニウム元素(Element Sextagonium)が必要不可欠となった。

Dakkarzone
ダッカルゾーン

 ハイパー6次元半シュプール又はダッカル空間ともいわれる。リニア空間と似た媒体で、5次元性上層空間の形で5次元と6次元の間にあるエネルギー的に中性な秤動ゾーンである。ダッカルゾーンを用いる場合は、特殊な駆動システム(ディメセクスタ駆動(Dimesextatriebwerk))で宇宙を離れ、上位宇宙たるダッカルゾーンを光速の数兆倍で航行し、目的地へ到達することになる。本来の宇宙への逆行は自動的で、防護用のセクスタディムフィールド(Sextadimfelder)を切るだけ。この航法は銀河間の膨大な距離を高速に踏破するために用いられる。目的地への確実な到着は、セクスタ航法(sextanautische)事前計算により保証される。

Daknoma
ダクノマ

 大群(Schwarm)内部にある赤色矮星。唯一の惑星はカルティ(Kartie)の言葉でヤトノカン(Yatnokan)と呼ばれる。

Dallazen
ダラズ人

 惑星マタゼマ(Matazema)の住人。直立歩行のクマに似た生命体で、平均体長2メートル、メスはやや小さい。ダラズ人はダークブルーから黒い色の毛足の長く毛深い毛皮を持つ。この毛皮は顔を例外として全身をくまなく覆っており、広い不格好な鼻と大きな肉食獣のような歯を持つので人間らしいとはとても言い難い。大きな丸い2つの眼にはそれぞれ2つのまぶたがあって、上のまぶたでも下のまぶたでも眼を閉じることができる。顔の皮膚は皮革状で脂ぎっている。ダラズ人はその冷たい惑星の厳しい条件にすばらしく適合している。狩猟により栄養をとっており、そのため石弓のような武器を発達させた。
 彼らの世界観の中心にはテッポンクレバス(Teppon-Kluft)がある。これはある山岳地域に非自然的に作られた巨大なクレバスである。良い時代が始まるとすぐ、このクレバスは埋まるという。3587年、豪族ケモアウク(Mächtigen Kemoauc)の宇宙城(kosmische Burg)がクレバスに降りてきて、これが実現した。

Dallos
ダロス

---> Wasserpalast

Danaa, Peshu
ダナア、ペシュ

 《ヘルクレス》(HERKULES)の第三パイロット兼チーフエンジニア。NGZ 410年生まれのアルコン人、身長1.69m、ウェーブのかかった長く赤いブロンドの髪、ブルーグレーの眼、大きな口。絶えず男漁りをしている自由な女性という印象を持たれるが、本当はむしろクールな美人。駆動系およびハイパー通信系技術の数々において優れた業績を持つエキスパートである。

Danger, Lemy
デンジャー、レミー

 惑星シガ(Siga)の環境適応テラナーで、USOスペシャリスト。デンジャーは身長22.21cm、肩幅63mm、体重はたった852.18g である。肌の色は他のシガ人同様に淡いマイルドグリーン、髪は濃い黒である。デンジャーはシガ人としての特殊能力をUSOの教育によってさらに高めた。2234年生まれで、92歳でUSOスペシャリストとして注目を集めることとなった。階級は少佐兼出撃隊長。イタチのように敏捷で、苗字(デンジャーとは英語で危険の意)には特に誇りを持っている。その身長を利用してデンジャーはしばしば、鳥、小哺乳類、小爬虫類などの着ぐるみを装着して特殊任務につく。レミー・デンジャーはUSO歴の初期にシガ人のミトラと結婚し、すぐ父親となった。息子の名前はボジルである。

Danger-1
デンジャーI

 恒星〈ひな星〉(Brutstern)の第2惑星で、赤道直径14218km、重力1.19G、自転周期24.9時間、平均気温摂氏38度。デンジャー I は砂漠惑星で、クリスタルエージェント(Kristallagenten)の産出惑星29箇所のうちのひとつである。そこから大量にパーリアン(Perlian)により採掘され、搬出された。

Daniel
ダニエル

 約5000歳のロボットで、NGZ 435年、ジオフリー・アベル・ワリンジャー(Geoffry Abel Waringer)が惑星サブハル(Sabhal) のとあるガラクタ置き場で発見した。ワリンジャーが修理すると、電気ベースで稼動して、かなり高度な人工知能を持っていた。
 ダニエルの体はレンズ豆状で直径1.5m、最大厚60cm。衝突フィールド(Prallfeld)に乗って動き、エネルギーは小さな核融合炉から得る。全部で18の多目的肢がついていて、それぞれ工具、武器、センサーなどを備え、静止状態では体内に収納、必要に応じて出すことができる。さらにセンサーが体表面に配置され、それぞれ知覚等に利用されている。ダニエルの特殊性は、互いに独立した2つの人工知能に分かれており、そのため2つのパーソナリティが見える点にある。ダニエルは未知の製造者の言語をマスターしているが、その素性についての記憶はない。
 NGZ 446年、ダニエルはワリンジャーにより《クロッツ》(KLOTZ)内に送り込まれ、そこに関する初の観察記録をもたらした。

DAN PICOT
《ダン・ピコット》

 LFT艦隊の重巡洋艦(Schwerer Kreuzer)で、新スター級艦(STAR-Klasse)(直径200mの球形)。《ダン・ピコット》(昔の戦闘巡洋艦《ライオン》(Schlachtkreuzer LION)の一等航宙士(Ersten Offizier)にちなんでいる)を探検船とし、ペリー・ローダンはNGZ 425年、球状星団M3で最後のポルライター(Porleyter)探索を行った。
 主要搭乗員は以下の通り:
 マルセロ・パンタリーニ(Marcello Pantalini)(艦長)、64歳、身長1.72m、彫の深い顔、鉤鼻、鋭い顎、グレーのカールヘア、几帳面で上品な外見、洗練された言い回し、危機状況でも冷静、大胆、果敢である。アストロゲーター、サイバネティカー。
 ヌル・ティムボン(Nuru Timbon)(第一艦長代理)、101歳、身長2.02m、黒人系。ほっそりした、弱々しいくらいの体型で、友人は多いが内気で無口、肉食亀(Raubschildkröte)を飼っている。サイバネティカー、異星生物学、傑出した戦略家、外交官。NGZ 425年死去。
 セライ・ハーン(Cerai Hahn)(第二艦長代理)、32歳、すらりとした感受性の高い女性、ブロンドヘア、古典的な美形、人類学者、広報、遺伝学者。NGZ 425年死去。
 マート・フローリンガー(Mart Frolinger)(チーフエンジニア)、167歳、大柄で鈍重、寡黙。
 アーネスト・ブリーベスカ(Ernesto Briebesca)(天文学者)、189歳、芸術愛好家で夢想家、宇宙を好む。
 タン・リアウ=テン(Tan Liau-Ten)(通信チーフ)、身長1.56m、陽気で饒舌、中国系。卓球の艦隊チャンピオン。
 ニッキ・フリッケル(Nikki Frickel)(第一搭載艦艦長)
 ナルクトル(Narktor) (第二搭載艦艦長)、60歳、ずんぐり、赤毛、ひげのスプリンガー。喧嘩早そうだが実は気立てがよい。
 ヴィド・ヘルフリッヒ(Wido Helfrich)(第三搭載艦艦長)、39歳、痩身で敏捷、常に哲学的フレーズを口にする。顔は「馬面」。

Danton, Roi
ダントン、ロワ

 ローダンの息子マイケル・レジナルド・ローダンの変名、2405年8月16日テラニアにて、スーザン・ベティ・ローダン(Suzan Betty Rhodan)との双子として生まれた。名づけ親はレジナルド・ブル。
 教育課程(宇宙航行(Kosmonautik)と高エネルギー機械工学(Hochenergie-Maschinenbau))修了後、マイケル・ローダンは2429年11月に父親の生活圏から姿を消して消息を断った。これは自身の力で自分のアイデンティティを見つけるためだった。
 2435年8月、彼は新たな姿で公に歩み出た。ダントンは1.89m、痩身でスポーツマンとして鍛錬した体型である。
 生来の赤いブロンドヘアは黒いカールヘアに変え、その顔は男性的で決断力を感じさせ、それはダントンの行動にも現れている。彼はロココ風貴族の洒落男の役をこなし、気取って踊るように動き回り、大げさで機知に富んで、からかうがごとくの喋り方をする。衣装は、ビロードの膝丈半ズボン、ひだのついたシャツ、宝石のついたベルト留めの靴、三つ角の帽子(トライコーン)、旧式の撃針銃(Perkussionspistolen)と騎士の剣を持っている。それと知らなければ、その双身銃(doppelläufige Pistolen)と剣が最新式武装システムのカムフラージュとはわからない。ダントンの立場はボシックの星(Boscyks Stern)の自由商人(Freihändler)の「王(König)」である。母船は《フランシス・ドレーク》(FRANCIS DRAKE)で、親衛隊長はオロ・マスト(Oro Masut)。ダントンはそこでは、18世紀末フランスの劇に出演する廷臣そのものである。
 自由商人と出会ってから、彼はその組織に自身の才覚で、双子の姉に運用を一任している巨額の財産に頼ることなく苦労の末に出世し、自由商人に厳しい規律を備えさせ、営業上の信用と他種族に対する寛容を保証できるまでに育て上げた。その後、彼は父親と同じ目標に向けて、ただし違う手段と、スーザン・ベティ・ローダンの経済的技術的援助を得て戦うようになる。父親との長い対立の後、ようやく正体を現わし、和解した。
 2437年、ロワ・ダントンはウレブ(Uleb)との最後の決戦の際にエネミー星系(Enemy-System)で死んだと思われた。最後の瞬間、恒星エネミーが既にノヴァと化したその時、ウレブの捜索から逃れるために、あるグラド(Gurrad)によってタイムマシンで送出された。ダントンは過去へ送られ、知らないステーションにたどり着いた。
 転送機によって彼は土星衛星タイタンに到着、そこで同じように捕らわれていたメルコシュ(Merkosh)に出会った。
 3434年、ゼロ時間デフォルメータ(Nullzeit-Deformator)による時間旅行計画で、二人は発見、救助された。ダントンが過去にいた期間は、現在時間にして997年もの間に及んだが、その間老化しなかった。
 生物学的に32歳でイワン・イワノヴィッチ・ゴラチン(Iwan Iwanowitsch Goratschin)の細胞活性装置を所有、それにより相対的に不死となった。以後彼は太陽系帝国において責任ある地位を務め、後にはLFT指導部内のテラ最高評議員(Oberster Terranischer Rat)となった。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)設立にも積極的に貢献し、ウィング人(Wyngerin)のデメテル(Demeter)と婚姻契約を結んだ。
 NGZ 426年、フロストルービン(Frostrubin)進攻の際、《バジス》(BASIS)最高指令官(Oberbefehlshaber)兼ハンザ発言者(Hanse-Spracher)に就任。
 エスタルトゥの力の球形体(Mächtigkeitballung ESTARTU)での事件で、ロワ・ダントンはトシン(Toshin)とされたが、宗教戦士集団(Kriegerkult)の終焉によって解放された。エスタルトゥから帰還後、彼は対カンターロ(Cantaro)戦のため新たに結成された自由商人(抵抗組織)の指導者を引き受けた。NGZ 1169年、他の活性装置保持者同様、自分の細胞活性装置を〈それ〉に返還した。

Dantroff, Kawa
ダントロフ、カワ

 3352年生まれのいわゆる宙賊(Piraten)で、ティーパ・リオルダン(Tipa Riordan)の部下。80歳のときにかの女宙賊の「第一大臣(Erster Wesir)」すなわち右腕となり、乗艦《ドレッドフル》(DREADFUL)艦長を務める。ダントロフは小柄でスキンヘッド、一見見栄えのしない風采である。皺だらけの顔には20cmもの長さの口ひげをたたえ、その先は丸めている。ゆるめの青い膝止めのズボン(Pluderhosen)に腰丈のジャケット、赤いブーツといういでたちである。ガンベルトのバックルにはHÜプロジェクターが入っている。ダントロフはメンタル安定化処置を受けており、傑出した戦略家であり戦術家、おまけに優秀な航宙士(Kosmonaut)でもある。第一大臣として彼は、危険な宙賊任務の大部分を指揮する。

Danzig
ダンツィヒ

---> 宇宙バザー(Kosmische Basare)

Dao-Ban-System
ダオ=バン星系

 ハンガイ銀河系(Galaxis Hangay)の中枢ゾーンの外側に位置する星系で、小さな赤い恒星と2つの惑星を持つ。内側はジトラ(Jitra)、外側はヴォンタード(Vontard)。恒星ダオ=バンはハンガイ中枢から約8000光年。
 惑星ジトラは性質上、惑星タムバウ(Tambau)と「一卵性双生児」である(諸データについてはその項参照)。ハウリ(Hauri)の防衛要塞があるが、活動はしていない。ジトラ上に生命はないように見える。しかし、強力なハイパー送信機があって、ベングエル(Benguel)とユアタフ(Juatafu)による暫定連合艦隊に向けた「結集号令(Ruf der Sammlung)」を発する。アトランは着陸した際、超知性体エスタルトゥ(ESTARTU)のシンボルを発見した。
 ヴォンタードは、当初の観測から生命も空気もない岩塊とされていたが、重要なのはむしろこちらの方で、実はここにアフ=メテム(Afu-Metem)の罠、ファイヤーストーム(Feuersturm)の制御施設があった。シ・キトゥ(Si kitu)の助力でこの施設は、ファイヤーストームがギャラクティカー、ユアタフ、ベングエルらを抹殺しかかったまさにその時、破壊された。

Dao-Lin-H'ay
ダオ=リン=ヘイ

 カルタン人(Kartanin)、種族でも指折りの輝かしい経歴を持つ偉大な家系の出身。当初は保護者(Protektorin)(炉座(Fornax)からのパラタウ(Paratau)出荷管理担当)、その後NGZ 430年7月にアルドゥスタールの声(Stimme von Ardustaar)に応じ、新カルタン遠距離宇宙艦隊(Fernraumer-Flotte der Kartanin)司令官を務める。これは約4000万光年離れたエスタルトゥ(ESTARTU)の力の球形体(Mächtigkeitballung)に属する銀河系への遠征を成功させるための武装艦隊である。
 ダオ=リン=ヘイは新型ウムバリ艦(Umbali-Schiff)に乗って出発した。一行は惑星フバイ(Hubei)をエスタルトゥ内の最初のカルタンコロニーとした。ダオはさらに惑星を開拓し、ラオ=シン計画(Projekt LAO-SINH)を強く推し進めた。しかし、死に瀕したウィザード(Wissenden)(→アルドゥスタールの声)のひとりの席を埋めるために、三角座銀河(Triangulum)へと召還された。ウィザードが終焉を迎え、宇宙的な大災厄が過ぎ去り、その影響で695年間停滞フィールド(Stasisfeld)に捕われていたダオ=リン=ヘイは、ハンガイ(Hangay)銀河系の評議員と、ギャラクティカム(Galaktikum)の旧カンサハリヤ (Kansahariyya) 全種族代表に就任した。

Dargheta
ダルゲータ

 トラメーネ(Torramähne)銀河系の恒星ゼラシュ(Xerasch)の第9惑星。赤道直径19032km、重力1.23G、平均日中気温摂氏53度近辺、自転軸の傾きはなく、酸素大気を持ち、全表面にわたって気候にあまり変化はない。計86の海洋(陸地に囲まれた内海)があり、起伏が少なく、珊瑚諸島が数多くある。そんな中にほぼ平地の地域で、その中央に深い森林を持つ山岳域があり、そこには数多くの泉があり、そこからの水の流れが大きくなって、あちこちの海に流れ込んでいる。ダルゲータは高温多湿で、降雨は頻繁かつ大量である。嵐は比較的無害だが、ときに強い雷雨を伴う台風もある。中規模の工業団地952箇所は完全にコンピュータ化され、ダルゲートたち(Dargheten)の住宅街と隣接しており、宇宙港は43箇所あって、そこにはコミュニケーションセンターや、小銀河トラメーネと3つの隣接銀河系からの他星民の居住地がある。
 ダルゲータには犯罪がない。警察も、選挙による政府もない。ダルゲートの文明はコンピュータが運営し、公共的決定もコンピュータが行う。独自の宇宙的抗争勢力も、独自の交易船団も、この惑星にはひとつもない。ダルゲートと友好を保つ43との種族の間には保護協定があり、宇宙交易も行われている。

Dargheten
ダルゲート

 ダルゲータ(Dargheta)の知的住民で、浅い海洋に住む軟体動物を由来とし、かつては卵生だったが現在は胎生(両性生物)で肺呼吸を行う。成長したダルゲートは体長6.5m、体幅3.5m、体高2.5mになる。前方1/3に中枢神経系があり、そこは約4mの高さまで丸くふくらんでいる。ふくらみはちょうどドームを埋めこんだようになっていて、つやのある黒い色をしている。胴体は背中が赤にも青にも光って見える。体の下側は全部黄色で、這って進むための脚が12本、2本ずつ対になるように並んだ円盤状で筋肉隆々の脚である。両前肢の腺から粘液を分泌して、這う道を滑りやすくする。ダルゲートの体の後尾には尾ひれの痕跡がある。前方の頭側には6本の独立した、完全に引き込むことができる長い触手があり、その先端のひとつには視覚器官を、4つには触覚器官を備えている。6つめには超感覚の触覚器官を備えていて、数百m離れた場所にある原子の陽子や電子の電荷が測定できる。物質にじかに接触していればクォークや反クォークの荷量を確定できる。この能力を、ダルゲートはみな強弱の差こそあれ持っていて、この能力と脳のプシ部分(psionische Gehirn-sektion)を使って、ダルゲートはみな知性の低い生命体に暗示をかけて影響下におくことができる。
 平均1000体に1体のダルゲートが、脳のプシ部分を発達させて物質暗示者(Materiesuggestor)になることができる。ダルゲートの平均知能指数は人類とほぼ同等である。陸上生物になる過程で、トリプリド(Tripliden)という、かつての白アリのように群れをなす手のひらサイズの3本脚の虫を共生生物とし、その数を増やしてきた。ダルゲートは、つかむ能力がないことと、体の動作の鈍重さとから、道具を生産することも、使いこなすことも、技術文明を築くこともできなかった。トリプリドはダルゲートのために農業を営み、穀物倉を建設し、後には小さな街も作った。そのお返しに、ダルゲートは高品質で高価値の有用な植物をもたらし、物質暗示者によって疫病にも免疫となった。
 異文明の宇宙船がダルゲータに降りたち、相互の理解が深まって包括的協調(他種族の問題に対する物質暗示者による援助、その対価としてダルゲートに対する高価値でコンピュータ操作可能な技術施設の供給)に発展し、その助けを借りてダルゲートは惑星全土にわたる文明を築くことができた。ダルゲートは宇宙について多くを聞き知り、宇宙航行についても知った。物質暗示者らは、別の世界で自分たちの援助を提供するべく、独自の宇宙船で出発した。
 現在の進化段階でのダルゲートは、一見性格温厚、しかし種族自身が脅かされるようであれば、うまく身を守る。技術手段に限りがあるため、いわゆる戦闘には向かない。ダルゲートは歌うように柔らかい声で喋る。
 NGZ 425年、物質暗示者コンビ、ケルマ=ヨ(Kerma-Jo)とサグス=レト(Sagus Rhet)は、セト=アポフィス(Seth Apophis)に悪用されてペリー・ローダンを攻撃、その後長期保存容器に捕われの身となっていたポルライター(Porleyter)に決め手となる助力を提供、解放に成功した。

Dargist
ダルギスト

 《バジス》(BASIS)搭乗の特殊ロボットで、異種知性体による船の奪取を防ぐプログラミングが施されている。《バジス》建造計画の主要なプログラミングはアフィリー(Aphilie)時代のものなので、このプログラムは非アフィリーの人類も対象としている。ダルギストには決まった形態がない。事態に応じて数万を越える部品が集合し、パラ結合により形をとる。このため、個々の部品は顕微鏡サイズの小ささである。構成要素の貯蔵庫からダルギストは好きな形を構成し、また解除することができる。

Dashid
ダシッド

 戦士語ソタルク(Kriegersprache Sothalk)由来の概念で、エスタルトゥ(ESTARTU)の宇宙船内や英雄の学校(Heldenschule)で法典分子(Kodexmolekül)を摂取するための特別室のこと。また、ウパニシャッド(Upanishad)教育十階梯の9番目の意味もある。

Datensammelschiff
データ収集船

 無限艦隊(Endlosen Armada)内の宇宙船の一種で、艦隊史(Armadachronik)に艦隊内の変化や新たに通過した宇宙域に関する新しいデータを絶えず蓄積する。NGZ 426年、フロストルービン(Frostrubin)突入に向けてデータ収集船は依然として航行中だった。船は艦隊史に適した惑星、すなわち自身が着陸でき、無許可船が接近できない惑星を探索中だった。

Datmyr-Urgan
ダトミュール・ウルガン

 アルグストゲルマート銀河系(Galaxis Algstogermaht)の恒星ウルガン(Urgan)の第2惑星。赤道直径14056km、重力1.03G、自転周期19.4時間、平均気温摂氏23.7度、酸素大気を持つ。ダトミュール・ウルガンは温暖惑星で、特に赤道付近に豊かな植物相を有する。この惑星の軌道上には、もと衛星だった破片からなる強力な物質帯があり、それが惑星表面に年中降り注いでいる。ダトミュール・ウルガンはアンスケン(Ansken)の故郷である。

Dawuhd, Pidder
ダウード、ピダー

---> MONOCEROS

December-Night
12月の夜

 太陽系艦隊の緊急通話コードで、最高緊急かつ絶対優先。人類あるいは地球に対する直接かつ直近に差し迫った攻撃を知らせる。

Deep-Purple-System
ディープ・パープル星系

 グルエルフィン銀河系(Galaxis Gruelfin))のタケル帝国(Takerischen Reich))の中枢星系で、グルエルフィン住人の共通語でグレイトノール(Greytonor)と呼ばれる。ディープ・パープルは赤色巨星で、直径は地球の太陽の8億倍。計33の惑星があり、11番目がタケラ(Takera)。星系の外縁と、一部は外側の惑星軌道の中間にも、全星系をカバーする探知・識別・防衛ステーションのうちの4つの施設が球状かつ層状に配備されている。計5万のロボット宇宙プラットフォームが近隣の全宇宙船の動きを監視する。

Deflektorschirm
デフレクターシールド

 デフレクタージェネレーターを用いたフィールドで、光線が体を迂回するようになる。デフレクターシールドの中にいれば光学的に知覚されず、他人には単にその背後のものが見える。

Deftra-Feld
デフトラフィールド

 モノス(Monos)によって太陽系防御用に開発された、フィクティヴ転送機能(Fiktivtransmittereffect)つきデフレクターフィールド(Deflektorfeld)の略称。太陽系を光学的に遮蔽しはじめたのはNGZ 1144年10月24日だった。このバリアフィールドのエネルギーは外惑星軌道の外宇宙に浮かぶ2つの動力ステーションである。動力とデフトラバリアフィールドの制御は操縦センター・タイタン(→鋼鉄要塞タイタン(Stahlfestung Titan))から行われる。

de Grazia, Derbalov
デ・グラチア、デルボラヴ

 スプリンガーで、銀河系のプロスペクターの一氏族の族長。3433年、惑星マヴェリック(Maverick)でそれまで未知のインケロニウム(Ynkelonium)を発見した。

Degruum
デグルーム

 アノレー(Anoree)の一人で身長2.11m、ウォーターブルーの眼、やや広い口、その上にグレーのつやのある人工的な「あざ」があり、これがエンパシー振動計(empathischer Schwingungsbarometer)の役を果たしている。左の耳たぶには小さなクリスタルがあって、これはデグルームが自身の「助言者」と呼ぶ、高性能マイクロコンピュータである。デグルームが1144年、ジュリアン・ティフラー(Julian Tifflor)に出会ったとき、彼は年を「数百歳」と告げた。彼は鎌型宇宙船《ヤルカンドゥ》 (Sichelraumschiff YALCANDU)の指揮官である。

Deighton,Galbraith
デイトン、ガルブレイス

 太陽系帝国時代には太陽系元帥(Solarmarschall)で、第一感情エンジニア(Erster Gefühlsmechaniker)とも呼ばれる。アラン・D・マーカント(Allan D. Mercant)を継いで太陽系情報局(Solaren Abwehr)長官を務めた。この2869年生まれのテラナーは、背が高くすらりとして黒髪。性格は内面のバランスと個人感情の自制とがよく行き届いている。デイトンは実務的、几帳面、そして最短の時間で新状況に適応して判断をまとめ、迅速に決定へと運べる人物として知られる。感情エンジニアという概念はこの太陽系情報局長官(SolAb-Chef)の特殊能力のことで、これはテラニアシティのスペシャルアカデミーでの訓練によるものである。彼は感情的な脳波と感情の振動を単独の人物からだけでなく、群集からも正確に識別し、自身の行動を成功に導く。このおかげで、デイトンは犯罪学者としても天才、諜報技術に関しても天才である。2909年に細胞活性装置保持者となり、以後生物学的老化プロセスは40歳で停止している。この装置は第2次遺伝子危機で亡くなったミュータント、アンドレ・ノワール(Andre Noir)から受け継いだ。太陽系帝国の終焉の後、デイトンはLFT(→自由テラナー連盟(Liga Freier Terraner))の指導部に所属した。その後、宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)設立に積極的に取り組み、防衛長官兼ハンザ発言者(Hanse Sprecher)となった。
 NGZ 491年1月、ガルブレイス・デイトンは細胞活性装置を盗まれた。彼はカンターロ(Cantaro)の与えたサイボーグ体(Cyborg-Körper)でようやく生き延びた。彼の意識はこのサイボーグ体のたったひとつの生物学的コンポーネントに貯蔵された。デイトンはNGZ1144年、ペリー・ローダンによる抵抗闘争とのコンタクトを開始したとき、回廊の主人(Herren der Straßen)からの死のインパルスによって、その存在を消された。

Dekalog der Elemente
エレメントの十戒

 深淵の騎士(Ritter der Tiefe)とネガティブ側で対をなす、カオス勢力(Mächte des Chaos)の道具的存在(Instrumentarium)で、宇宙でのポジティヴ進化を妨害し、秩序勢力(die ordnenden Kräfte)の活動を破壊し、それによって秩序プロセス(ordnenden Prozesse)に由来するエントロピー減少を阻止することを目的とする。最初の十戒出動として知られるのはNGZ 427年、無限艦隊(Endlose Armada)によってペリー・ローダンの指揮のもとモラルコード(Moralischen Kode)の修復作業中(トリークレ9(TRIICLE 9)→フロストルービン(Frostrubin) を旧所在地へと送還)で、クロノフォシル(Chronofossil)を活性化した時である。
 カオスのエレメントは10体存在し(十戒の名はここから)、指揮および計画はゼロドリーマー・カッツェンカット(Zeroträumer Kazzenkatt)、指導のエレメント(Element der Lenkung)による。残りの9エレメントは(アルファベット順に)
- 暗黒のエレメント(Element der Finsternis)
- 精神のエレメント(Element des Geistes)
- 冷気のエレメント(Element der Kälte)
- 戦争のエレメント(Element des Krieges)
- 仮面のエレメント(Element der Maske)
- 空間のエレメント(Element des Raums)
- 技術のエレメント(Element der Technik)
- 超越のエレメント(Element der Transzendenz)
- 時間のエレメント(Element der Zeit)
 十戒はみなエレメントの支配者(Herrn der Elemente)の部下である。彼は3つの基地、《孵化》(BRÜTER) 、《増強》(VERSTÄRKER)、《保管》(LAGER) から指示を出し、NGZ 427〜428年にかけては無限艦隊とGAVÖKにとって執拗な敵対勢力だった。ペリー・ローダンとその同盟者らは、ひとつひとつエレメントの十戒を無害化することに成功し、ついにはカッツェンカットが暗黒のエレメントによって封印され、半ば自滅の形で終わった。

de Lapal, Markhor
ド・ラパル、マルコール

---> コル・ミモ(Kol Mimo)

Demeter
デメテル

 ウィング人(Wyngerin)でその外見は際立って美しく、およそ27歳、身長1.60m、ほっそりして完璧なプロポーション。皮膚の色はブロンズ、髪は魅惑的な銀色に輝き、目は大きくダークグリーンでアーモンド形。顔の輪郭、細い鼻筋、豊かで官能的な唇はギリシャ彫刻のようである。デメテルの体はスポーツで鍛えられ、体の管理も万全である。深く沈んだ声をしていて、神秘的に、異質に響く。
 約8000年前デメテルは、宇宙の輪(Alles-Rad)の指示に従い、ライレの目(Laires Auge)を捜し出すための捜索コマンドの一員として地球にやってきた。当時の地球の文化(前ミノス文化)はデメテルに強い印象を受けたため、ギリシャの神々と神話世界の女神デメテルと、パンドラの伝説(パン=タウ=ラ(PAN-THAU-RA)を参照)にその影響が残された。3586年、デメテルはクレタでの発掘作業中に、エネルゲティック深層睡眠保存状態(energetischer Tiefschlaf-Konservierung)で発見された。再覚醒直後はわずかなデータしか思い出せなかった。《バジス》(BASIS)に搭乗し、アルグストゲルマート銀河系(Galaxis Algstogermaht)に帰還して、初めて彼女の過去の謎が解明された。
 デメテルがツバ=オーラ(Tba-Aura)を操れることも判明した。これは、分子変形能力者(Molekül-Verformern)に支配されるのを防ぐだけでなく、彼女が居合わすだけで分子変形能力者は模造体の輪郭が維持できなくなるという効果もあった。デメテルの傑出した女性的な魅力のため、《バジス》搭乗中の長期間、ロワ・ダントン(Roi Danton)、パイネ・ハミラー(Payne Hamiller)、プロンドフェア(Plondfair)によって水面下および公然の争いが繰り広げられ、結局デメテルはペリー・ローダンの息子を選び、彼と婚姻契約を結んだ。デメテルはウィング人文明の謎の解明に大きな役割を果たした。
 彼女はNGZ 448年、致命的な遷移ショックにより、死去した。

Demmister, Sylvia
デミスター、シルヴィア

 アフィリー(Aphilie)時代の、恒星メダリオン(Medaillon)からの破滅をもたらす放射線に対する免疫者のひとり。この若く魅力的な女性テラナーは、快活さを装い、アフィリーに染まった地球の人の群れの中、必要とあらばどんな手段を使っても自分を守るということを学んだ。彼女は恋人のセルジオ・ペルセラー(Sergio Perceller)と共同で愛の本(Buch der Liebe)を著した。二人はアフィリーが出現し、ペリー・ローダンから権力が奪われ、《ソル》(SOL)が発進してからの歴史を暗記した。二人は3580年の地球において、愛を遺す最後のペアのうちの一組だった。

Denmork II
デンモルク II

 赤色恒星デンモルク(Denmork)の第2惑星。赤道直径9201km、重力1.08G、平均気温は非常に高温で、酸素大気を持つ。デンモルク II は当初ダブリファ帝国(Imperium Dabrifa)(その後ノルモン連合(Föderation Normon))の版図に属していた。この恒星には惑星が全部で3つあり、太陽系までの距離は17773 光年である。4つの大陸はほとんどが広大な不毛地帯である。水はわずかで、本来の意味でいう大洋はなく、その代わりに内海が北部地域と南部地域に点在する。デンモルクIIに住む人は昔からこの悲惨な状況でやりくりしてきた。3581年には人口は3億8000万人に達しており、これは約1000年前に入植したテラナーの子孫である。この惑星は豊富な原料産出地としての魅力があり、銅から変化したような希少な重金属を多量に産出する。

Dentcher, Clark
デンチャー、クラーク

 2435年、新型マルチクラス戦艦《オマゾ》(OMASO)艦長で、穏健かつ慎重、巧妙な戦略家である。デンチャーは2382年生まれ、細身で背が高く、しわ深い顔に鷲鼻、髪は栗色、後退した直毛を左分けにしている。ドライなユーモアで知られ、悪名高き皮肉屋である。《オマゾ》艦長の職により、大佐の地位にある。

Dephin, Harl
デフィン、ハール

 「孤独の人(die Einsame)」と呼ばれる彼は2436年、サンダーボルト・チームのリーダーでパラディン(Paladin)の司令官だった。シガ(Siga)生まれのUSOスペシャリストで、感情メカニカー、パラディンの任務を受けたのは130歳のときである。身長16.43cm、体重809.14g、肩幅は61.22mm。デフィンにはシミュルタン情緒反射トランスミッション(simultanen Emotio- und Reflextransmission)の才能(→SERT)があり、この能力によってパラディンを一人で操縦することができる。かのシガ人はエネルギッシュと同時にクールなことでも知られる。

Depot
デポ

 セト=アポフィス(Seth-Apophis)に徴発されたイホ・トロト(Icho Tolot)とブルケ・トーゼン(Bruke Tosen)から初めて獲得できた概念で、特に件の超知性体と密接な関係がある。デポとの関係が何なのかをペリー・ローダンが知ったのは、NGZ 426年3月のフロストルービン(Frostrubin)突入のときだった。
 そこで明らかになったのは、それがセト=アポフィスに徴発されたエージェントたちの意識片の集合体で、プシオン・ジェットストリーム(psionische Jetstrahl)によってエージェントたちの意識から引き剥がされ、デポに集められるということだった。フロストルービンは実はデポそのものというだけでなく、濃縮装置(Verstärker)でもあった。

Deringhouse, Conrad
デリングハウス、コンラッド

 1972年、若い少尉でUS宇宙軍(US Space-Force)の宇宙飛行士、後にペリー・ローダンと出会い、第三勢力(Dritte Macht)の将校に、さらに睡眠学習でデリングハウスは新国家初の銀河航宙士(Galaktonaut)、将軍、そしてペリー・ローダンの下で最優秀な猪突猛進型艦船司令官となった。細身のテラナーで顔も細く、危険な作戦をとることで悪名高い。ユーモアには敏感で、さし迫った状況下でもそれを発揮する。デリングハウスは1948年生まれ、身長は高く髪は淡いブロンド。顔にはそばかすが多数見られ、瞳は表情豊かである。

Derminal
デルミナル

 ライトイエローに輝く巨星で計10惑星を持ち、第4はファルゾーク(Varsok)。太陽系からの距離は7036光年。

Derogwanien
デログワニエン

 豪族ガネルク(Mächtigen Ganerc)がカリブソ(Callibso)のアイデンティティの下で奇妙な人形文明(Puppenzivilisation)を創造した惑星。カリブソはこの世界の座標を秘密にしていた。デログワニエンへの唯一の入口は時間の泉(Zeitbrunnen)に造られた。夜空には5つの月がかかる。この惑星に住む人形たちはみな、カリブソの自我の一部を持っている。カリブソは人形たちにそれを渡して命を吹きこんでいた。魂を吹き込んでいたこの文明を、彼は3587年にデログワニエンに帰還した際、完全に吸収した。精霊体(Gnomenkörper)は徐々に死に絶えた。

Desintegration
分解

 ミュータント、ローリー・マルテン(Laury Marten)の超心理的能力。彼女はこの能力で分子集団をばらばらにすることができる。例えば硬い壁などの物質を、通り抜けられる状態に変化させることができる。

Desintegrator
分子分解銃

 硬い物質を分解するビーム兵器。分子分解銃は標的を5次元性フィールドで包み、物質をまとめておくための静電的核引力(electrostatische Kernanziehungskräft)を中和する。当たった標的は原子へと分解される。

Desotho
デソト

 ヴィーロノート(Vironaut)が天の川銀河系からエスタルトゥ(ESTARTU)の力の球形体(Mächtigkeitsballung)へと飛んだNGZ430年より遡ること約2000年前の、伝説上のムリロン人(Mlironer)。永遠の戦士たち(Ewige Krieger)による抑圧と戦い、彼の種族を永久闘争(Permanenten Konflikt)への道、すなわち戦争と防衛への道から守った。
 現実時においては、デソトはゴリム(Gorim)(網を歩む者たち(Gänger des Netzes))の生徒で、英雄として神格化されている。紋章の門(Heraldischen Tor)の建造によってゾム人(Somer)がムリロン人をゴリムから遮断したとき、デソトはトロヴェノール銀河(Trovenoor)のオルフェウス迷宮(Orphischen Labyrinthe)に流刑となった。しかし、かれがいつの日か帰還し、いかなる法が有効であるかを語るであろうという、ムリロン人たちの信仰は両千年紀をこえて生き続け、NGZ430年初頭にその希望は満たされた。デソトは宇宙漂泊者たち(Weltraumnomaden)の指導者として返り咲いた。彼はヴェト・レブリアン(Veth Leburian)と同一人物である。

Dessopato
デソパト

 恒星ヘイクラ=ベル(Heykla-Beru)の第2惑星。赤道直径6048km、重力0.61G、平均気温摂氏39.4度、人間がなんとか呼吸できる酸素大気。デソパトは砂礫の広がる不毛の地である。廃墟が発見されており、これは約30万年前この星に高度文明があったことを示す。当時の住民の姿については全く情報がなく、遺骨も発見されていない。
 3441年11月、デソパトで全銀河系種族からの代表者たちによって銀河系会議が開催された。彼らは大群(Schwarm)による痴呆化に対して免疫があった。ペリー・ローダンの目的は大群の影響の克服、もしくは危険から守る方法の発見だった。銀河種族同盟設立は、会議参加者の意見の相違を克服できず失敗に終わった。この時、初めてサイノス(Cynos)が登場した。3人のグループがデソパトに降り立ち、人間の姿で会議を傍聴した。

Destroy
デストロイ

 小銀河アンドロ=ベータの恒星アルリン(Alurin)の第一惑星。赤道直径16200km、重力1.25G、自転周期32.8時間、平均気温は高く、強い放射能で汚染された酸素大気を持つ。地表は荒れた原野である。山脈は削られ、海は気化し、湖は干上がっている。かつて栄えていた町の跡があちこちにあって、これは宇宙からの突然の火ひとつ(2114年)で壊滅した。放射線はその地点で絶対致死量を越えていた。
 2402年のデストロイ着陸によって、この惑星がローリン(Laurin)の唯一の故郷であり、島の王(Meister der Insel)の無慈悲な討伐隊により、ほとんどミュータント化したわずかな生き残りだけの星にされたことが、テラナーに明らかとなった。数日後、デストロイは攻撃を受けたモビー(Moby)によって完全に破壊された。

Detailmodifikatoren
ディテール・モディフィケーター

 「捕らわれた魂のクリスタル(Kristall der gefangenen Seelen)」の注意すべき集団で、テラナー側の通称。大群(Schwarm)内の全種族から集められたミュータントたちからなり、そのパラインパルスはクリスタル惑星の装置で強化される。これにより、大群内部に静寂と平和が保たれる。

Devolator
デヴォレーター

 デヴォリューション(Devolution)・コンポーネント兵器の略称で、エレメントの支配者(Herrn der Elemente, HdE)の能力を相殺するためにポルライター(Porleyter)が開発した。このデヴォレーター投入によってNGZ 429年4月、HdEのデヴォリューションを引き起こすことに成功した。この兵器は以下の3つのコンポーネントからなる。
 1. メビウス衛星(Möbius Satellit):長さ10km、幅1kmのメビウスの帯状で、色彩豊かな形成エネルギー(Formenergie)でできている。恒星エルタン(Aerthan)のコロナ内に設置され、恒星のエネルギーを採取し、5次元および6次元エネルギーに変換される。
 2. セクスタディム=パルセーター(Sextadim Pulsatoren):変換されたエネルギーを貯蔵する。100機の無人宇宙ステーションで、エルタン星系全域に分散配置され、外観は直径2kmから6kmの電波望遠鏡。色鮮やかな形成エネルギーと、ホワルゴニウム(Howalgonium)、セクスタゴニウム(Sextagonium)などといった異質な原材料で作られている。活性化すると、数秒間隔で銀河系規模の極めて強力な衝撃インパルスを6次元半シュプール上に発射する。
 3. インパルス活性器(Impuls-Aktivator):最重要コンポーネント。長さ2mの槍の形をしており、黒い金属製で、指の長さほどの先端部は紫色に輝くセクスタゴニウム。インパルス活性器は、装備者の精神で(ちょうど誘導ミサイルのように)操縦する。HdEにセクスタゴニウムの先端が当たると、それに溶け込んで分離不能になる。
 デヴォレーター開発にあたり、ポルライターはHdEが高度に進化した体を持たない生命体で、任意の形状をとることができ、絶対移動の非物質化状態になることもできることを念頭においた。インパルス活性器のセクスタゴニウム先端がHdEに融合してしばらくすると、それはパルセーターの放つ6次元ショックの中継器として働くようになる。そしてこの衝撃インパルスはHdEに対して進化的後退を引き起こし、それは何回かのジャンプを経て進行する。最初のデヴォリューション・ジャンプは、HdEの形状変形能力と非物質化能力を奪う。次の段階でどのような状況が見られるかは、ポルライター自身にも予見できない。それは、どのような進化過程をHdEがたどってきたかに依存する。

Devolution
デヴォリューション

 デヴォレーター(Devolator)の投入によってNGZ 429年4月にエレメントの支配者(Herrn der Elemente)に起きた、原始状態への退化過程。
 デヴォリューションの進行、それはエレメントの支配者の進化の歴史によって決まる。段階を追って、第二次安定期(Zweiten Stille)から蛮人期へ、そこから獣の祖先へと戻り、単細胞存在へ到達する。実際には、エレメントの支配者の形態とその時の進化段階でのヴ・アウペルティア(V'Aupertir)の能力が失われたように見えた。彼は自身のアイデンティティは失わなかったが、高次段階の時の全能力が失われた。

Dewell
デウェル

 黄色通常恒星(G型)で2惑星を有する。外側はドウェリオン(Dwellion)、内側は人の住まない灼熱惑星。この星系はM87銀河系から30000光年の距離にある。

Dhann
ダーン

 赤色巨星(ソルの約100倍)でジオン・ゾム(Siom Som)銀河系の東側にあり、その中枢から14534光年の距離にある。ダーンの惑星はマルダカーン(Mardakaan)ひとつだけである。

Dhelim, Nermo
デリム、ネルモ

 レムール人。B.C.50000年頃、オーグ・アト・タルカン(Oogh at Tarkan)とコンタクトし、信頼を勝ち取った。巨大船《ナルガ・サント》(NARGA SANT)の司令にデリムは、彼がどこで《ナルガ・サント》を発見し、それに乗っていた冷凍睡眠者がどういう状態だったかを説明した。しかし数年後、デリムがM33へと出向き、カルタン人(Kartanin)がどのように退化したかを見たとき、アンドロメダ(マークス(Maahks))の戦争で自分には大した助力ができないことを理由に、彼は《ナルガ・サント》にある冷凍睡眠セルの自動覚醒機のスイッチを切った。

Dh'morvon
ドモルフォン

 テルムの女帝(Kaiserin von Therm)の勢力圏に属する大銀河系。3582年にペリー・ローダンが《ソル》で飛んだ星系は以下の通り:
 ミサートン(Mytharton)、5惑星を持ち、第2はズマンス(Xumanth)。
 シュダーナト(Sh'dahnat)、11惑星を持ち、第4はクルソビルト(Kursobilth)。
 トルーサーフリーング(Trutherflieng)、17惑星を持ち、第4はプレーンドーメ(Plöhndohme)、第6はカルヨール(Caljoohr)。
 ケモフリカ(Kemoffrika)、14惑星を持ち、第7はメックデーネ(Moeckdöhne)。
 カイラーンドル(Kaylaandor)、5惑星を持ち、第2はブロートグレーネ(Blotgrähne)。

Dhoom
ドーム

 恒星ウィオッタ(Wyotta)の第4惑星。赤道直径17184km、重力0.93G、自転周期16.6時間、平均気温摂氏38.4度。惑星の地表は砂漠状で植物はほとんどない。地下深くには巨大な水脈、海や湖がある。ここの強い蛍光を発する水は、豊かな植物群とウォルクロヴ(Wolklov)たちの生活の基盤である。ドームで特徴的なものは、並外れて強い磁界を放つ厚さ15kmの層で、結晶化した塵でできており、全惑星を覆っている。この塵球殻は大気の最外層にあって、ドームの自転と反対方向に回っている。地表から観察すると、天でまたたき、ちらつく様子は、あらゆる色の宝石が数え切れないくらいあるかのようである。塵層は高イオン化しており、太陽光線がそれに当たって大きく緩和されるおかげで、生活可能な地表状態が得られている。

Dhorah
ドーラー

---> スフィンクス(Sphinx)

Diadem Kreuzzug
ダイアデム十字軍

 NGZ 427年にM82銀河系(→セトデポ(Sethdepot))に侵攻した銀河系艦隊のメンバーに対し、第2のローランドレの門(Pforte des Loolandre)を通過するために置かれた試練。
 この十字軍にはこんな言い伝えがあった。昔、強い星の妖精(Sternengeister)が2人いて、「自由」と「正義」という名前だった。この2人が交わって生まれた双子は、茶色のガルド(Braune Gardh)と灰色のガルド(Graue Gardh)と名づけられた。2人の妖精はさらに交わり、3人目の息子を産んだが、この子は双子のガルドの憎しみを買い、双子に殺されてしまった。罰として自由と正義は、茶色と灰色のガルドを、崩壊するブラックホールの事象の地平の向こうに追放したが、その時2人に防護シールドを張る能力を持たせてやったので、その牢獄の中に黙示録の事象を残すことができた。時は流れ、ガルド兄弟は途方もなく強く成長し、拘束から逃れることに成功した。2人は両親に仕返しとして、今度は両親をブラックホールに落とした。これで自由と正義は死ぬかもしれなかったが、この2人もダイアデムと呼ばれる強い防護を持っていて、それが2人の命を守った。しかしダイアデムの効力は徐々に弱まっていった。十字軍の使命は、2人がブラックホールの力で圧死する前に、自由と正義を拘束から解放することにある。
 実際の十字軍はさまざまな種族の宇宙船計600隻からなり、その中ではスーウィ(Suwi)が指導的役割を担っている。十字軍司令、断崖の案内人と呼ばれるファイチ(Vajtti)もスーウィの種族に属している。銀河系艦隊はプシオン的強制下におかれて十字軍に合流した。スーウィの一隊とともに、イェン・サリク(Jen Salik)とパラリアリスト(Pararealist)のサトー・アンブッシュ(Satho Ambush)は、星の妖精、自由と正義の下へ突き進み、2人のダイアデムに追加のエネルギーを供給した。これですぐ2人は逃れるだろう。惑星の大きさの岩塊でできた牢獄は、ブラックホールに落ちて消滅した。《バジス》(BASIS)に戻ったイェン・サリクは、パラリアル存在のイー・ソーン(Yee Soong)と同行する犬のズー・ロウ(Zhu Rou)が、双子のガルドの発現であることを見出し、これを消し去ることに成功した。これらの経緯から、自由と正義はもはや再び自由となり、危険は去ったと考えられた。しかし確信を持つことはできなかった。星の妖精と600隻の十字軍宇宙船のいる現実平面はもう、立ち入りができなくなっていたからである。
 ダイアデム十字軍の事件に関連して、アルマダプリンス、ナコール(Armadaprinz Nachor)の頭に突然、第2のローランドレ門の開門に必要なコード文が閃いた。「自由と正義、それらは日々の努力で新たに獲得される」

Diane
ダイアナ

 恒星エマンツォパ(Emanzopa)の第3惑星で、地球に類似した大きさ、気温、酸素大気という卓越した環境条件をもつ。2434年、この惑星に過激な女権論者グループが飛来した。彼らはダイアナ人と自称し、自らの名をその天体に付けた。不時着したせいで、他の惑星と連絡をとることも、宇宙船が飛び立つこともできなくなった。好むと好まざるとに関わらず、ダイアナ人はダイアナでの生活を強いられた。
 ダイアナ人は母権性の社会秩序を維持したまま、産業革命前の段階まで技術復興を成し遂げた。3442年、この社会実験は強制的な結末を迎えた。大群の敷設者(Schwarminstallateure)が惑星に「第二次適応(Sekundäranpassung)」を施したのである。この惑星は黄色い征服者(gelben Eroberer)の孵化地に選ばれ、人口が激減してダイアナ人は滅亡した。

Dichte von Planeten
惑星の密度

 惑星の大きさと質量の比率で、特定の比重(水=1)を基準に表記される。ソル系の惑星の物質密度は地球5.5、水星5.3、金星4.7、火星3.85、木星1.31、土星0.69、天王星1.21、海王星1.7、冥王星1.0グラム/立方センチである。

Dimension
次元

 ある種の大きさに関する幾何的概念。線は1次元、高さのない平面は2次元、長さ、幅、高さの広がりを持つ物体は3次元である。SFでは、存在はさらなる次元を持つ。我々の4次元時空連続体(時間を第4次元とする)には、第5次元とされる超空間のような高次元空間がある。ペリー・ローダン・シリーズに登場するケロスカー(Kelosker)は7次元数学を操る。

Dimensionstunnel
次元トンネル

 ダッカルゾーン(Dakkarzone)内のブラックホール、ザムトアウゲ(Samtauge)と通常宇宙の18のブラックホールを結ぶ通路。18のブラックホールの1つでは持てない5次元性エネルギー集中が排出される際に、必然的に発生した。これはアインシュタイン空間褶曲を貫いてエネルギー的に等価なザムトアウゲに達する導管でもある。次元トンネルは常に存在するが、時には弱まって場所がほとんど分からず、まして技術的には利用できなくなる。
 ルーテ(Rute)からブラックホールを通じて「接続」される18の銀河系への道として、このトンネルを利用できるかどうかは、ブラックホールの活動による。次元トンネルの「航行」はツクマーコン船(zgmahkonischen Schiffen)(ツクマーコン人(Zgmahkonen))だけが可能で、船にはディメセクスタに似たエンジンが載っている。

Dimesextatriebwerk
ディメセクスタ駆動

 テラで設計された長距離航行駆動で、銀河系から銀河系へ航行において、初めて任意の地点での中断を実現し、銀河系の中央から別の銀河系の中央にしか行けないディメトランス駆動にとってかわった。通常エネルギーを必要な特定ハイパーエネルギースペクトル域のハイパーエネルギーに変換する問題は、ワリンジャー・チームが3435年にセクスタゴニウム(Sextagonium) を用いて解決した。これは5次元性衝撃を加えてハイパーエネルギー的過負荷になった金属で、ホワルゴニウム(Howalgonium)を変換してできる最終産物である。
 ディメセクスタ駆動により、ダッカルゾーン(Dakkarzone)内の航行が可能となる。ウルトラエネルギー転換機(セクスタゴニウム層)と、直列配置のプラリッツ転換走査器が、次元的に通常のエネルギー集中を拾い上げ、それを転換走査法で次元的に高次に位置する6次元半のシュプールのエネルギーインパルスへと送り、これがさらに本来のエンジンへと導かれ、それがワリングダッカルフィールドを作り出す。これは基本的には高次展開されたペド妨害能力(padogepolter Kapazität)を持つパラトロンシールド(Paratronschirm)である。このダッカルフィールドは全4次元、5次元、6次元ハイパーエネルギー的影響を反射し、船を数十億光速で動かす。このファンタスティックな高速度のため、ディメセクスタ駆動は銀河系内航行には使われない。最初のディメセクスタ駆動搭載テラ艦艇は3437年の《マルコ・ポーロ》(MARCO POLO)である。

Dimetranstriebwerk
ディメトランス駆動

 長距離航行用駆動で、リニア駆動のさらなる発展形として、また初めて銀河系間の大距離を克服できるものとして、テラで完成された。ディメトランス駆動の技術の主だった部分はM87で得られたものだったが、その知識とリニア推進をベースに、ワリンジャー教授を中心とするチームがテラ製駆動として開発した。ディメトランス駆動は銀河系から銀河系への飛行に限り利用可能で、これは通常時空連続体への再突入口が常に銀河系の重心位置に形成されるというハイパーエネルギー的ファクターによる。パラトロンコンバーター(Paratronkonverter)の発生するパラトロンシールドを使うと、リニア飛行のように非実体化および再実体化なしに航行できる。基本的にディメトランス駆動は、遷移駆動に対するリニア推進の優位性と同じものを持った駆動システムを指す。

DINOSAURIER
《ディノサウルス》

 (略記してディノ I 、ディノ II など)2404年に建造開始となった艦隊補給艦(テンダー)(Flottentender)の呼称。主な仕様:円形の着艦・ドックプラットフォームの直径は2000m、プラットフォーム厚は400m。フランジ接合された操縦球の直径は750m、テンダー内積載容量は70万トン。非リニア駆動用にインパルス推進、超光速航行用にカルプ式補償コンバーターを3機(各機の航続距離は30万光年)。プラットフォーム上には直径2500mのウルトラ戦艦クラスの艦まで係留可能。着艦フィールド6(小型艦用)、ハンガー4、テレスコープ着艦設備23。幹部乗務員は33人、技術系乗務員42人はTWC(工科部隊(Technischwissenschaftliches Korps))の士官および下士官。防御兵器HÜバリアおよび2404年当時知られている全防御バリアを備え、攻撃兵器はごくわずかしかない。
 ディノ III は歴史上最も有名なテラ艦隊テンダーとして知られている。島の王たち(Meistern der Insel)との戦いのさなか、ディノ III はペリー・ローダンとともに過去界に行った。乗員の一部が後にレムール人の協力を得て巨大宇宙ステーション《オールド・マン》を建造した。

DINOSAURIER-SUPER-Tender Baureihe 3392
《ディノサウルス》スーパーテンダー、製造シリーズ3392

 ディノサウルス級艦隊テンダーシリーズの発展形。この新型のシリーズは3392年に建造開始した。主な仕様:プラットフォーム直径3000m 、プラットフォーム厚600m、フランジ接合された操縦球は、インペリウム級艦の殻を利用(直径1500m)。超光速航行用にワリング式コンパクト補償リニアコンバーターを6機、航続距離は各機50万光年、計300万光年であり、さらに同種の予備コンバーター12機を装備すると3倍になる。乗務定員は1500人、2万人収容可能。防御兵器HÜバリアおよびパラトロンシールド、直径100mの搭載艦10隻、コルベット20機、ライトニングジェット100機を搭載。攻撃兵器トランスフォーム砲20門、重インパルス砲、分子破壊砲40門。エネルギー供給器は巨大原子力発電設備12機、さらに操縦球にも発電設備を有する。

Diogenes' Faß
ディオゲネスの樽

 惑星アルトラク(Altrak)にあるケロスカー(Kelosker)の制御ステーション。マンモス建造物で、外観はほぼ巨大な太鼓腹の樽である。ケロスカーはこれをアルトラクウルフト(Altrakulfth)と呼ぶ。建造物の構造は高さ500m、中心の幅は350m、上下には直径約200mの膨らみがある。全体の断面は丸い。この建造物は一見、かすかにあらゆる色合いを放つかにも見える。実はこれは完全に無色である。これが絶対虚無の体現であるということに関する、テラナーに対する最初のヒントは3578年に発見された。樽の内部は物質的に安定したものはなく、いたるところ純粋にエネルギー的である。大まかな見積りでは、20億種類もの極性・指向性・形状・制御形態のエネルギーフィールドがそこにはある。この全てのポテンシャルは、バラインダガール(Balayndagar)の中枢に位置する巨大暗黒虚無(Großen Schwartzen Null)のエネルギー爆発流を境界内に留めるためだけに使われていることが判明した。それが爆縮(Implosion)した後、ディオゲネスの樽はごく小さなブラックホール、巨大暗黒虚無のミニチュア版に変貌をとげた。

Dirtos
ディルトス

 惑星マルディ=グラス(Mardi-Gras)に住む半知性体。体形はペンギンに似て皮膚は茶色、サルに似た顔で、そこには順応力が顕著に見られる。ディルトスは顔の色を変え、まるで別の仮面を取り替えているかのごとく、輪郭も思い通りに変えることができる。それによって感情が表現され、コミュニケーションも可能になっている。ディルトスはマルディ=グラスの宇宙ハンザ同盟センターから遠く離れた山脈の麓に、ひっそりとひきこもるように暮らしている。

DISCOVERER
ディスカバラー

 大群種族らの使用する宇宙船のタイプ。ある宙域が通称マニップ船(Manip)によって偵察された後、ディスカバラータイプの箱型船は適切と思われる惑星へと飛び、生命体の分布、生態系の状況、気候状況を分析し、観測とキノコ船到着準備を行う。ディスカバラーは一辺が150mの完璧なサイコロ型である。6つの面のそれぞれに直径22m のドームが5ヶ所ある。その上および内部には動力中枢、捜索・探知アンテナ、エアロック、カメラレンズ、超空間通信アンテナ、圧迫・牽引放射プロジェクター、熱線砲が納められている。周囲には同じ大きさのインパルス駆動用噴射口が5ヶ所ある。正方形の側面4面は下へ展開することができ、搭乗口への斜道として使われる。その内面には直径110mの低い円筒があり、その下に側面のインパルス駆動中枢と反重力駆動用ジェネレータがある。船の中枢、核融合発電機、超空間遷移エンジンは、これも一辺が40mのサイコロ型をしたディスカバラーの核にある。外殻はテルコニットに似た金属製、色はダークグレーである。サイコロ船の乗員は1600人の小パープル人(Kleinen Purpurnen)で、第一従者(Ersten Dienern)4人が指揮している。

Distanzloser Schritt
無距離ステップ

 移動手段の名称で、そのハイパー物理学的根拠はまだ分かっていない。ライレの眼(Laires Auge)によって可能となる。それを所持している者は、その眼を使って、時間ゼロで宇宙空間の長距離を橋渡しすることができる。この現象は転送機による移動やテレポート・ジャンプを思わせるが、全く異なるハイパー物理学的条件下で起きる。普通はつきものであるはずの苦痛を伴う非物質化や再実体化もない。
 無距離ステップはコスモクラート(Kosmokraten)の未知技術の範疇とされる。この眼の持つ能力は誰にでも簡単に使えるというわけではなく、NGZ 426年までこの道具を所持していたペリー・ローダンにもその制限があった。無距離ステップでは、静止中の、あるいは移動している(宇宙船の)宇宙ハンザ同盟の拠点にしか移動できない。ポルライター(Porleyter)の生き残りを探索してM3へ進攻したときに、M3を覆いつくしている状況の影響で、眼はその無距離ステップの機能を失った。

D-Muner
D−ムナー

 恒星フェルコ・フォイ(Verko-Voy)の第二惑星。赤道直径11848km、重力0.89G、自転周期78.3時間、平均気温摂氏−162℃、大気はない。この無人の氷惑星はUSOの秘密基地で、3000年代末までに設立された。ペリー・ローダンが並行宇宙に滞在中の3456年、彼はそこで自分のドッペルゲンガーに出会った。その死が、《マルコ・ポーロ》が本来の宇宙に帰還するための条件だった。このUSO 基地の偽装名は「水球(Wassarball)」である。

Dobrak
ドブラク

 ケロスカー(Kelosker)の計算マイスター。バラインダガール(Balayndagar)終焉直前の3578年に(他の45人のケロスカーと共に)《ソル》(SOL)に乗船したとき、ドブラクはすでにかなりの高齢だった。彼には仲間と違って6個のパラノーマルな突起があり、自身が多くの計算人の転生であることを示している。自身の個人的な過去の記憶は完全に失われているが、そのかわりに種族の7次元知識全体が彼に蓄積されている。彼は卓越した方法でその知識を用い、あらゆる種類の存在や物体とn次元的事象とを純粋な数学的組合せとして理解し、推測する。ドブラクは、ペリー・ローダンの世代船《ソル》がダッカルディム・バルーン(Dakkardim-Ballon)内にあったとき、人類でない者の中で当時最も重要な協力者だった。

Doc Ming
ドク・ミング

 ベトシード人(Betschiden)の最高の治療者(Heiler)で、年齢は120歳以上、とりわけ若いハンターから高い評価を得ている。別の村の住人はリーダーのクロード・セント・ヴァイン(Claude St. Vain)を完全に信頼していたが、当のハンターはドク・ミングをその指導者にと考えていた。

Dokroed
ドクロード

 ゾム人(Somer)で身長1.80m、黄色い口部、体にはライトグレーの綿毛、ダークグレーの「頬毛(Backenbart)」、とりわけ大きく張りだした胸、極端にきびきびした歩き方で、その身振りの張りは軍隊的である。頭部はやや大きく見え、大きな眼はナイトブラックに輝いている。
 ドクロードはパイリアー(Paillliar)の法典守護者(Kodexwahrer)で、そこにNGZ 430年に作られた紋章の門(Heraldische Tor)の監視・制御の権限を持っている。法典守護者である彼は、自分の熟知した惑星における昇進や降格を決定でき、例えば戦士法典(Kriegerkodex)の戒律が守られていないと彼が知ったとき、紋章の門の不活性化によってこの惑星を孤立させたり、パイリアーへの軍事的措置の防衛を要求したりすることもできる。

Dolans
ドラン

 二次制約者(Zweitkonditionierten)もしくは震動監視者(Schwingungswächter)の生体宇宙船。弱い知性とごく原始的な感性の兆候を持つドランは、数多くの技術を集めて生物的飼育器から生まれた人工生命体(Retortenwesen)である。ドランは基本的に二次制約者自身と同じ細胞組織でできている。変形指示により、各ドランは組織にある種の構造変更をさせることができる。最大に拡大すると直径100mの中空の球になり、内装された機械の表面には湾曲を発生させ、漆黒の光沢のある外皮に覆われる。球にまで丸く膨れると、その内部にデッキのように板状組織の床と中空の空間が構成され、その中は数分で結晶構造をとる。この形になってやっと、ドランは宇宙船らしくなる。
 ドランはそれぞれ一体の決まった震動監視者のために調整されていて、その震動監視者からドランに対して別の二次制約者に従うことを認めるような状況になるまで、忠誠を尽くす。ドランの操縦には執行者(Exekutoren)と呼ばれるものたちが必要となる。それはいくつかの生命体の意識内容で、その体は硬直化してドラン内の別々の部屋に収容されている。特別な状況下で意識体は、二次制約者の許可を得て自分の体に戻り、蘇らせることができる。ドラン一体あたりの執行者数は7名。全体でひとつのシンポジウムを形成し、これが船上のすべてのプロセスをコントロールし、二次制約者の命令の実行を保証する。それぞれの機能は以下の通り:航宙・ナビゲーション(執行者I )、航行技術( II )、工場機械( III )、通信・探知( IV )、ドラン体の運動( V )、武器・防御システム( VI )、記録・解析( VII )。内部の会話はドランの神経路を通じて行われる。執行者と指揮をとる二次制約者との意思疎通には、震動監視者の左の作業腕関節(Handlungsarmgelenk)にある鶏の卵ほどの大きさの機器を使う。それは震動監視者の思考インパルスを電波のように放射して、パートナーはそれを反論することなく受領する。技術と生体のこの無類の結びつきはドランに驚異的な効果を与えている。人工的な装備として、パラトロンコンバーター、ディメトランス駆動、インターバル砲がある。(挿絵はヘフト863巻)

Domaschek, Lassel
ドマシェク、ラッセル

 4次元の影チソン(Chthon)に遭遇した最初のテラナー。ドマシェクは当時(NGZ 426年12月)、ソーシャルエンジニアとしてテラニア市役所地球外住民課に勤務。彼の担当は、主にガーナル街区(Stadtteil Garnaru)の地球外テラニア市民の社会技術的援助などだった。ラッセル・ドマシェクはチソンとの遭遇の後、7つの災厄(Sieben Plagen)の混乱にまきこまれ、NGZ 427年3月の第4の災厄、ゼノフォーミング(Xenoforming)の犠牲になって死んだ。

Dom Kesdschan
ケスジャン・ドーム

 深淵の騎士(Ritter der Tiefe)の監視騎士団(Wächterorden)の本拠地で、惑星クラート(Khrat)にある。高さ156mのこの建造物は、ちょうど半分に割った光る巨大な卵で、惑星の天然物と比較するとやや不格好な印象を受ける。未知の合金鋼でできており、地表面での直径は71m。ドーム内部も同様にシンプルである。訪問者のために木製のベンチが置いてある。儀式は、ドーム唯一の入り口から見て正面の、階を上がった壇(Empore)の上で行われる。116人のドーム番(Domwarte)のために、内部ホールに隣接して控え室が数室ある。互いに異なる知性種族からなるこの所属員らは、あるシステムに従って任命され、これはドームにまつわる数多くの未解明の謎の一つである。
 ドームの下には巨大な丸屋根があって、いくつかの区画に分けられている。そこには想像を絶する技術成果が並び、その一部はポルライター(Porleyter)に由来する。この武器庫と博物館からは、設立以来ポジティブ超知性体らに品々が供給され、〈それ〉が受領しペリー・ローダンへと伝えられたフィクティヴ転送機(Fiktivtransmitter)、彼自身のは失われたが、細胞活性装置が該当する。隠しておけなかったため、ネガティヴ超知性体セト=アポフィス(Seth Apophis)もこの武器庫で、時間消滅器(Zeitweichen)、コンピュータ卵細胞(Computerbrutzellen)、グローブ(Handschuh)などの武器を作り上げた。丸屋根への出口は壇の床のハッチにある。セト=アポフィスの再度の干渉を避けるため、この丸屋根はローダンの叙任式の後封印された。以後、誰も立ち入れなかったが、テングリ・レトス(Tengri Lethos)は明らかにその許可を得ている。
 荘重な儀式の際、ドームは内部のプロジェクターによって、プシオン的効果を訪問者に及ぼす振動状態へと転換し、既に一度クラートに行ったことのある敏感な者は、銀河の涯までも追跡可能となる。ドームの近くには、鉢状の風通しの良い建物の並んだ街があり、ナグダル(Naghdal)と呼ばれている。街は蹄鉄状に配置され、その開口部は南に位置したドームにある。儀式挙行の時にはナグダルはいつも住民で満杯になる。それはノルガン=トゥア銀河系(Galaxis Norgan-Tur)の数多くの惑星から到着した住民たち、あるいはそこに住む数人の監視者や指導者たちである。ドーム番らは、ドームに勤務していない場合には、ドームの周囲の小さななんでもない建物に宿泊する。ドーム番の他に、セレモニーマイスター16人がクラートにいて、彼らはコスモクラートに直に接触する人々であると言われる。儀式では、彼らは同じ服装、白い革で縁取りされたビロード製の幅広のローブをまとう。
 ケスジャン・ドームはおそらく数百万年前にポルライターが建造し、そこは新たな深淵の騎士が叙任を受け、最終的な地位を得る場所だった。NGZ 425年にペリー・ローダンが最後の叙任者となった。その強靭な殻は過去の騎士たちの魂を宿している。

Dongan
ドンガン

 アンドロメダ銀河系の恒星ハルポラ(Halpora)に3つある惑星の第2惑星。赤道直径12800km、重力1.05G、自転周期32.7時間、平均気温は摂氏21.0度、一年は277日、良好な呼吸可能酸素大気を持つ。
 ドンガンはおよそ10万年前、宇宙の迷子だったのをハルポラに捕まった。軌道平面は他の2惑星の平面から36度傾いている。NGZ 711年、ポスビ(Posbis)と中央プラズマ(Zentralplasma)がドンガンに着陸したとき、既に原始的な植生と多細胞の生物が存在していた。ポスビは百年かからずに新しい故郷を変貌させてのけた。そこは二百の太陽の星(Hundertsonnenwelt)とよく似ていた。大陸に囲まれて大きな海がいくつもあり、広大な赤道大洋(Äquatorialozean)の北側には多くの島々や群島があった。北緯23度のパウモア島(Insel Paumoa)には中央プラズマが、数多くの平たい建物とドームからなる複合建築物の中にいて、熱帯のジャングル島の中央で面積150平方キロメートルを占めている。ドンガンには1145年の時点で8500万のポスビが住んでいた。ポスビとウィリー・マット(Matten-Willy)の文明は、北赤道大洋に面した大陸アリポサ(Ariposa)に集中している。この大陸はアジア大陸ほどの大きさで、帯状に惑星の4分の3回りほどに展開し、氷に覆われていない北極圏にまで達している。ドンガンには4つの大陸がある。それぞれに中央プラズマの作業班とハルト人が実験のために必要としているハイパー送信機がある。モノスが最期を迎えた後、ポスビ、ウィリー・マット、中央プラズマらは天の川銀河系に帰った。

Donit
ドニト

 ウクラン暗黒星雲(UKLAN-Dunkelwolke)の内部にある赤色巨星。アンドロメダ銀河系の中枢から約5000光年の距離にある。ドニトには惑星は1つ(ムルティドン(Multidon))、物理的に安定な単独星で、パルサー星ではない。

Donktosch
ドンクトシュ

 ライタナー(Raytaner)の科学者。3458年のカトロン(Catron)への侵攻の間、ある実験を指揮し、ペールツス脳(Pehrtus-Gehirn)を移植させた。これによりペリー・ローダンとその仲間は、カトロンについての重要な情報とペールツスの遺産を手にいれることができた。

Donkvent, Pale
ドンクヴェント、パレ

 カーシル・ヴァン(Kershyll Vanne)のコンセプト(Konzept)を構成する7つの意識体の1つ。ドンクヴェントは天才的なウルトラ物理学者だが、当時はアフィリー(Aphilie)で、プロトン放射反物質駆動の責任者だった。彼はひとり悦に入る小悪魔(Kobold)との定評を得ており、酒におぼれる癖がある。ドンクヴェントが体を支配してアルコール飲料製造に関与すると、コンセプトは常に危機に陥いる。

Donnergott
雷神

 ソル系にある超重族(Überschweren)の秘密基地で、3459年まで発見されなかった。海王星の赤道付近にあり、超重族と地球がしばしば戦っていた頃に建設された。「雷神」はパリクツァ風(pariczanisch)の偽装名である。海王星は隠れ家として卓越している。2つの衛星トリトンとネレイドはテラナーによって植民され、艦隊基地が建設されている。惑星それ自体にはわずかな居住地しかない。雷神は巨大で、地下深くの岩盤の中にあり、各種施設が充実している。3459年、超重族アイモントプ(Eymontop)が、自身の作戦の指揮基地として雷神を使用した。この作戦はコボルド(Kobold)の最終的設置の阻止と、テラナーの恒星転送機についてラール人へ報告することだった。これは太陽系情報局によって最後の瞬間に阻止され、基地は破壊された。

Doppelstern
二重星

 2つの恒星からなる星系で、相互の引力によって結合し、それが共通の重心を中心とする円上にかかる遠心力とつりあい、2つの恒星は相互に落下状態を保つ。

Dopplereffekt
ドップラー効果

 光学的にも音響的にも発生する現象の名称で、オーストリアの物理学者クリスチャン・ヨハン・ドップラー(Christian Johann Doppler)(1803-1853)によって発見された。これは、波源が観察者から遠ざかる、あるいは近づくときに、波動の波長が見かけ上変動することによる。波の中心へ近づく場合、出会う波の数は、距離一定で留まっていて出会う時より多くなり、周波数が高くなる。波の中心から観察者が遠ざかると、同じ期間で受ける波が少なくなり、周波数は低くなる。音響の例ではっきり分かるのは、クラクションを鳴らして走る車に出会ったときである。接近してくる間は音は高く聞こえ(波が圧縮され)、そして遠ざかると低くなる(波が伸張される)。光の例は、恒星や銀河系からのスペクトル線の偏移が、接近するものは紫方偏移して短波長側へ、遠ざかるものは長い波長、赤い方へと偏移する(赤方偏移)。この効果の強さは観察対象の速度で決まる。このおかげで、銀河系や恒星の遠ざかっていく速度と距離が割り出せる。

Doprer
ドプラー

---> ウィング人(Wynger)

Dorania
ドラニア

 アンスケン(Ansken)の女王。女王ブルイルダーナ(Bruilldana)の後継者。

Dordon
ドルドン

---> 寄生地(Parasitär-Enklaven)

Dorell-Ehkesh, Kirt
ドレル=エーケシュ、カート

 生化学者、惑星ロクヴォルト(Lokvorth)の学者グループの一員で、女性基地司令官サーガ・エーケシュ(Sarge Ehkesh)の息子。NGZ 424年、弱冠36歳のドレル=エーケシュは、その母の劇的な死により、研究基地を引継ぎ、自身にもまた運命が襲いかかることになる。クイウプ(Quiupu)の成功の後、彼は他の人々と地球に帰還せず、宇宙の深淵からやってきたある理解不能な存在に吸収された。

DORIFER
ドリフェル

 コスモヌクレオチド(Kosmonukleotid)(モラル・コード(Moralischen Kode)のプシオン・フィールド(psionische Feld))。我々の宇宙の領域、直径約5000万光年を支えており、このローカル銀河グループ(Lokale Galaxiengruppe)と同様、力の球形体エスタルトゥ(Mächtigkeitsballung ESTARTU)に所属する銀河系群と、両者の間に存在する島宇宙の数々もこれに所属している。ドリフェルのアインシュタイン空間における「4次元刻印(vierdimensionale Abduck)」は、二重銀河系アプサンタ=ゴム/アプサンタ=シャド(Absantha-Gom/Absantha-Shad)の近く、アプサンタ=シャドの中心から約43万光年、サブハル(Sabhal)から32万光年のところにある。サブハルは網を歩む者たち(GdN)(Gänger des Netzes)の拠点惑星で、ドリフェルをあらゆる干渉から守るという使命を帯びている。刻印のすぐ近くには、網を歩む者たちの設置したドリフェル・ステーション(DORIFER-Station)があり、コスモヌクレオチドを技術的計測手段で監視している。
 舞台となったNGZ 445/446年から標準年で約54000年の昔、ドリフェルは、死んだ宇宙タルカン(Tarkan)からの巨大質量(ナルガ=サント(NARGA SANT))が、標準宇宙へ侵入したことに反応して、自身のモラル・コード領域に属するプシオン網構造を変化させた。これは宇宙的意味を持つ事件を明白に示唆していた。宇宙間の境界は通過できなくなり、網の糸の密度は一見ごく薄いものとなった。しかしその密度変化によって、ドリフェル領域のプシオン網と宇宙の他の網とは擬似的に分離した状態になったが、エネルプシ駆動(Enerpsi Antrieb)による航行およびGdNの得た網移動能力には十分だった。この2つの移動方法は、ドリフェル領域の影響下に限られていた。GdNは、法則(Rechten)を見出すべく、頻繁にドリフェル内部への試験飛行を行った。彼らはコスモヌクレオチドの機能について正しい知識を持ち合わせていなかったが、数千年におよぶ経験に基づいて、ある直感を獲得した。それは、「秩序的(in Ordnung)」なものか、そうでないかという感覚だった。ドリフェルは超空間内の5次元フィールドで、ドリフェル・カプセル(DORIFER-Kapsel)を使うことにより、網を歩む者たちはその内部を移動できる。このクエリオン人の技術に由来する航行装置は、コスモヌクレオチド内の安全な航行を可能にするものである。GdNは、プシオン情報量子(psionischen Informationsquanten)(プシクス(Psiqs))を、さまざまな色合いの構築物として区別して見ることができ、それは緑色の背景色で満たされた空間の中に浮かんで見える。プシクスの運動や相対的な配置から、網を歩む者はドリフェルが「正常」かそうでないかを推測する。
 ドリフェル・カプセルの操縦システムの(偶発的な)ダウンにより、パイロットは膨大な数の潜在的未来のひとつに捕まり、それを本当のこととして体験した。アトランとエイレーネ(Eirene)はNGZ 446年初頭、この潜在的未来に取りこまれ、無事帰還した初めてのGdNとなった。2人の調査行のために、ドリフェルに突然新たな活動が発生し、これがGdNに謎を提示し、それは目前に迫るタルカン銀河系群の一部の大量実体化を示していた。
 NGZ 447年初め、膨大なパラタウ(Paratau)がついにドリフェルのすぐ近くで自然に爆燃(Deflagration)を起こした。これにより、コスモヌクレオチドはプシオン網に働きかけてきた操作を逆転させた。その結果、ハンガイ銀河系(Galaxis Hangay)が、タルカンからローカルグループへ断続的に実体化し、エネルプシ駆動もGdNの網での移動も、もはやできなくなり、以後、組織は解散となった。モラル・コードは我々の標準宇宙を貫くだけでなく、思いつく限りすべての宇宙を貫くもので、自身のフィールドひとつにまとめあげている。ドリフェルのタルカン宇宙内の4次元刻印は、そこでは「ナホド・アス・コール(Nachod as Qoor)」(「永遠の穴(Loch der Ewigkeit)」)と呼ばれている。
 ハンガイの最後の4分の1の転送後、ドリフェルは結局バランスを失い、標準宇宙から消失した。

DORIFER-Kapsel
ドリフェル・カプセル

 網を歩む者たち(Gänger des Netzes)(GdN)のために特別に開発された航行装置で、ドリフェル(DORIFER)内部へ突入しそこで行動できる。各網歩船(Netzgänger-Schiff)はこのようなカプセルを装着し、それを操縦できるのはGdNのプシオン・インプリント(psionische Imprint)を有するものに限られる。
 GdN は4次元領域を感じとれる意識を備えた者たちだが、超空間の構造物、例えばコスモヌクレオチド(Kosmonukuleotide)のようなものを把握することはできない。無秩序な、因果関係のない実世界平面の連続が見えるだけである。ドリフェル・カプセルは、プシオン・コントロール駆動システムによって、因果関係の跡をたどって動き、因果関係の決定する周辺部の法(Gesetz)のひとつに至ったという印象を乗員に与える。
 ドリフェル・カプセルはみな同じ、長さ15m、最大幅8mの楕円形という形状をしている。カプセルの前方3分の1はパイロット用、後方の3分の2には、クエリオン人(Querionen)のハイパーエネルギー=プシオン技術が詰まっている。これはNGZ 446年に網を歩む者たちによって、ようやく根本的特質が理解された。カプセルの外殻はライトグレーの金属でできている。航行中、乗員とパイロットは操縦システムと精神的相互作用状態で進む。パイロットは航行装置の一部となるが、それによって自身のアイデンティティが失われることはない。超空間の構造は把握できない部分があるので、クエリオンのプシ技術に指示を出し、あとはそれが確実に目的地へと導き、再び帰って来ることができると信じる。
 NGZ 448年、ハンガイ(Hangay)の最後の4分の1が標準宇宙へと転送された直後、全ドリフェル・カプセルは虚空へと消え失せた。

DORIFER-Station
ドリフェル・ステーション

 網を歩む者たち(Gänger des Netzes)(GdN)によって何千年もの間、コスモヌクレオチド・ドリフェル(Kosmonukleotide DORIFER)を至近から観測するために建設されてきた宇宙ステーション。その長い生い立ちに相応しく、ドリフェル・ステーションはモジュールの集合構造で、すべてパイプとロッドで互いに接合されている。ステーションはドリフェル門(DORIFER-Tor)から4光時(約40億km)のところにある。複雑な装置はすべてプシオン・ベースで動作し、コスモヌクレオチド内部の計測を可能にしている。ステーションの常駐員は、力の球形体エスタルトゥ(Mächtigkeitsballung ESTARTU)の全種族からやってきた約4000人の専門家、学者、技術者で構成される。その中には、いつの間にかGdNに参加し、役に立つヘルパーとしてこの地に留まったヴィーロノート(Vironaut)もいる。ステーション駐在員のこの典型的なメンバーは、自身は網を歩む者ではないが、組織とは同じ目標を持っている。
 ドリフェル・ステーションの最大長は200km。その内部には、ある場所と別の場所とを高速に結ぶ転送機群が用意されている。ステーションはプシオン網の優先糸の影響領域にあり、それはモールガ星系(Moorga-System)ともつながっていて、GdNはステーションにその根拠星サブハル(Sabhal)からタイムロスなしで(個人跳躍で)到達できる。
 ドリフェル・ステーションはNGZ 448年、コスモヌクレオチド・ドリフェルとともに標準宇宙から消失した。

DORIFER-Tor
ドリフェル門

 網を歩む者たち(Gänger des Netzes)の使う呼称で、コスモヌクレオチド・ドリフェル(Kosmonukleotide DORIFER)が標準宇宙に残した4次元刻印(vierdimensionale Abdruck)である。環状のプシオン・エネルギーフィールドで、適合する装置でしか発見することはできない。門の直径は3光分で、これはコスモヌクレオチド内部への入口である。この門を通って網を歩む者たちはドリフェル・カプセルに乗ってヌクレオチドの中を旅する。
 ドリフェル門はアプサンタ=ゴム(Absantha-Gom)から43万光年、サブハル(Sabhal)から32万光年の位置にある。ドリフェル・ステーション(DORIFER-Station)からは4光時離れており、そこからはドリフェル内部の歴史を観察したりスケッチしたりできる。

Dorls
ドールス

 惑星ルサムントラ(Lusamuntra)の知的住人で平均身長1.50m、非常にきゃしゃな体型の生物で、長すぎる強力な筋肉の脚を2本持つ。陸上も水中も同じように移動できるように、さらに2本、非常に強力な腕もある。4本指の手足には大きな折り畳める水かきがある。ドールスの全体の体型はおおよそ人類に似ている。違いは特に頭部の外観に見られ、それは小型の歯鯨類に似ている。首のつけねの左右に大きなえらの束があり、金銀線細工(filigran)の構造に見える。同様に腕の下にもある。ドールスは肺呼吸だが、水中でも快適に過ごせる。皮膚の色は、わずかに副った胸側のかすかに光る黄色から、背中と脚の内側の燃える赤へのグラデーションである。声は甲高く聞こえ、可聴音域を越えた部分にも及ぶ。
 ドールスは技巧をこらした構造の粘土構造物に住み、その入口も内部の空間の大部分と同様、水面の下にある。比較的若い惑星のため、地質構造が常に変化するので、ドールスは住居を頻繁に取り壊して新たに建てなければならない。この行事は、ルサムントラが68回巡る間、強い5次元放射に捕われるときの、集団的性急性(Hektik)のピークのたびに行われる。(→シャニオン(Schannion))

DORO
《ドロ》

 コペルニクス(Kopernikus)の科学者の直径85mの球型船で、初の実用型KPL装置が搭載された。

Dove, Stalion
ダヴ、スタリオン

 NGZ 427年時点での二百の太陽の星(Hundertsonnenwelt)のハンザ・スペシャリスト。スタリオン・ダヴはオクストーン人(Oxtoner)で、身長1.70mの筋肉質。黒のオーバーオールに黒のブーツ、さらにユーモアもブラックである。ダヴはへリオエンジニア(Helioingenieur)の特殊訓練を受けている。宇宙ハンザ同盟(Kosmische Hanse)の任務により、彼は新たな人工太陽の防衛線で冷気のエレメント(Element der Kälte)から二百の太陽の星を守り、エレメントの十戒(Dekalog der Elemente)に対する防衛委員会の委員長となった。
 この年の8月、ダヴは十戒によって改造されたポスビ(Posbi)の虜囚となったが、ウィリー・マットと自称したもの(→ルッセルヴッセル(Russelwussel))に助けられて脱出、十戒との戦いを開始した。まず封鎖フィールドジェネレータ(Sperrfeldgenerator)の破壊に大きく貢献、続いてペド転移装置を使って十戒基地へと転送突入した。ポスビの中央プラズマの助力により、3体の宇宙巨人(Raumriesen)の覚醒に成功、その夢見る意識体によって基地は機能を失った。宇宙巨人の覚醒によって基地は破壊され、あるいは通常宇宙へ落ちていった。

Doyntscho
ドインチョ

 「穏やかな人」と呼ばれる832歳の老ヤーンズトロナー(Yaanztroner)で、生物学、化学、外科を専門とする学者だが、パラエネルギー分野においても、パラ移植者(Para-Transplanter)としても有名である。ドインチョの髪は高齢のため、もうゴールドグリーンのトーンを帯びている。彼は惑星ヤーンザー(Yaanzar)で自分の移植クリニックをもっている。3457年、ドインチョはナウパウム銀河系(Galaxis Naupaum)で漂流しているペリー・ローダンの脳を発見し、それを買ってボルディン(Bordin)の体に移植した。

Drackrioch
ドラクリオク

 青色巨星ヨザ=サント(Yoxa-Sant)の第3惑星でほぼ地球の大きさ、重力0.98G、自転周期21.3時間、平均気温摂氏26.9度、湿度96.9%。8つの大陸には、大きな山脈もあり、広大なジャングルもあり、そこにはケルシール(Kelsiren)が住む。惑星全体にはテルムの女帝(Kaiserin von Therm)の巨大なクリスタル網被覆(Kristall-Netzhülle)が張りめぐらされている。

Drakisten
ドレーキスト

---> ドレーク協会(Organisation Drake)

Drangwäsche
衝動洗濯

---> ハルト人(Haluter)

DREADFUL
《ドレッドフル》

 宙賊(Piraten)の旗艦で、《スターダスト》級の800m艦の基盤外殻で建造された。乗員は1200名、指揮官はカワ・ダントロフ(Kawa Dantroff)。通常兵器の他に《ドレッドフル》は秘密兵器を装備している。

Dreemer
ドレーマー

 惑星クリアウォーター(Clearwater)に住む非ヒューマノイド種族で、知能は石器時代レベルだが、高度な本能がある。ドレーマーの外見は地球のビーバーとモグラの混血のようだが、平均身長は1.50mもある。指の爪ほどの大きさの、緑色をした鱗(Panzerschuppen)に覆われ、モグラのような頭の左右には、ヘラ鹿の角のような形の、動く掘削シャベルがある。ドレーマーは6本足で、前の2本はつかむ腕として使える。彼らは泳ぎも潜水も得意である。彼らの住居は地下深くにあり、通路と横坑とホールの巨大な迷路になっていて、その壁は特殊な腺分泌液によってセメントのように固められている。

Dreitgsisch
ドライトクシシュ

 ルーテ(Rute)のほぼ中央にある惑星。赤道直径14794km、重力1.09G、自転周期32.46 時間、良好な酸素大気。ドライトクシシュは暗赤色星の唯一の惑星で、はるか昔にツクマーコン人(Zgmahkonen)の植民があった。それ以前の、そこを故郷とする知的生命体は、ザムトアウゲ内貫通経路で死に絶えた。ドライトクシシュはちょうど円軌道と、ほぼ垂直な地軸を保っている。季節変化はない。4つの主な大陸は、暖かい海に面している。ドライトクシシュで3581年初め、エレマイトのオルヴ(der Eremeit Olw)がテラナーに発見された。

Dreizackschiffe
三叉船

 モノス(Monos)が開発し、回廊の主人(Herrn der Straßen)とナック(Nakken)という、みな5次元知覚を用いて操縦可能なものたちが運用している宇宙船の一タイプの名称(→《クーゲル》(CUEGGEL))。《クーゲル》が破壊されモノスが終焉を迎えた後、あわせて11の三叉船が残り、結局ナックに引き継がれた。船を以下に示す(括弧内はナック人乗員、最後の4隻はこの時点ではまだ適したものがおらず、ナック人の中で交替で運用している。)

1. 《ジムダー》 (ZIMDAR)(ファロンゼム(Varonzem))
2. 《アネツヴァ》(ANEZVAR)(ウィロム(Willom))
3. 《ガウルトロ》(GAULTRO)(ナラガン(Narragan))
4. 《タルファラ》(TARFALA)(パウナロ(Paunaro))
5. 《ジーゼル》(JEEXEL)(シャーリム(Shaarim))
6. 《モナッガ》(MONAGGA)(ナルドゥル(Nardur))
7. 《ダンベル》(DUMBELL)(クライムル(Cleymur))
8. 《ナハダム》(NACHADAM)
9. 《クリナー》(CHRINAAR)
10. 《オプート》(OPPUUT)
11. 《シルナム》(SIRNAM)

Drenshoor
ドレンショール

 カンターロ(Cantaro)で、NGZ 1145年に司令官の地位に昇格し、最高司令官(Supremkommando)候補となった。ドレンショールは得に抵抗組織ヴィダー(WIDDER)との戦いに大きな戦果をあげた。なりゆきで彼は希少なカンターロの一人であることが判明した。彼は擬似生体モジュールを体内に持っており、それによって生命インパルスと絶命インパルス、それぞれの受信をコントロールできる。
 ドレンショールは身長1.70m、肩幅広く、ドラム缶のような体型をしていて、筋肉質の脚と2つの金属の義腕をもつ。頭は角ばり、顔は花崗岩を彫ったよう、鋭くとがった鉤鼻に、小さく間のあいた目にはエメラルドグリーンの瞳、大きな口には極端に薄い唇。彼はNGZ 1146年8月、絶命インパルスによって死亡したが、その直前、ペリー・ローダンをモノス(Monos)に引き合わせた。

Drifaal
ドリファール

 アンクラム星系の惑星ジンボン(Zimbon)に全部で18ある衛星の第8衛星で、ジンボンからの距離は960万km、一周に121.61標準日かかる。直径は10100km、重力0.77G、濃い酸素を含む、人類が呼吸可能な大気と、比較的快適な気温を有する。
 植生は繁茂状態、動物界は獰猛である。ドリファールは、ハンガイ銀河系(Galaxis Hangay)の多くの種族が参加するプロジェクトの、アンクラム星系における中心惑星である。さまざまな技術到達レベルの集落があり、宇宙港は3ヶ所ある。ドリファールを巡る軌道には、高性能のハイパー送信機群がある。それら全体で「脈打つ」ハイパー送信機を構成し、標準宇宙からタルカン(Tarkan)へと侵入してきたものをすべて、アンクラム周辺の恒星5角形のすぐ近くに実体化させるために活動する。ドリファールの住民は200万、すべてカルタン人(Kartanin)と共同作業を行うハンガイの種族が集められており、彼らをカルタン人が指導する。

Drink
ドリンク

 エランテルノーレ銀河系(Galaxis Erranternohre)のライトイエローの大きな太陽で、高い表面温度をもつが、人工的に創られたセクスタディム泡(Sextadimblase)に覆われている。ドリンクには11の惑星があり、その第5はグッキーズ・イン(Guckys Inn)である。

Dritte Macht
第三勢力

 月からの帰還(1971年アルコン人発見)後、ペリー・ローダン(Perry Rhodan)によって誕生した中立国家で、その主目的は人類の統一と、宇宙からの脅威に対する防衛にある。多くの困難(地球の大勢力からの敵視、脅威、攻撃)の下、第三勢力設立は遂行された。これはアルコン人(Arkoniden)からもたらされた高技術製品、秘密ミュータント部隊(Mutantenkorps)の設立、そしてホーマー・G・アダムス(Homer G. Adams)による経済帝国の創始(ジェネラル・コスミック・カンパニー(General Cosmic Company))ぬきにはあり得なかった。
 地球の勢力ブロックから認知を受けてからは、第三勢力は1975年以後、銀河系の事件、星間宇宙からやってくるトプシダー(Topsider)、スプリンガー(Springer)他の敵対勢力からの防衛に関与し始めた。最初の太陽系外拠点も設置された。1984年、ペリー・ローダンは地球の破壊を偽装し、銀河系の大勢力に対して恒星ベテルギュース(Beteigeuze)の星系にある一惑星を人類の故郷にみせかけ、その後しばらくの間、太陽系帝国(Solaren Imperium)の運営の邪魔が入らないようにした。第三勢力の首都はゴビ砂漠(Wüste Gobi)内のテラニア・シティ(Terrania City)。ペリー・ローダンは1982年、惑星・地球の執政官に選出された。

Dritter Weg
第三の道

 ストーカー(Stalker)によって天の川銀河系に広められた、標準宇宙の知性体のとるべき道に関する哲学で、コスモクラート(Kosmokraten)に代表される究極の秩序にも、カオターク(Chaotarchen) (→混沌勢力(Mächte des Chaos))に代表される究極の混沌にもよらない。それは宇宙の各種族の自主決定の道であって、大宇宙の森羅万象の理解と、両極端な原理から生まれる別々の価値感の相互理解を可能にする。この第三の道は、三角形の中の3本の矢をシンボルとし、これはストーカーとエスタルトゥの力の球形体(Mächtigkeitsballung ESTARTU)のシンボルでもある。
 ストーカーのメッセージは天の川銀河系諸種族の責任者たちに迅速に伝わり、中でもテラナーはNGZ 428年、コスモクラートと袂を分つことで合意した。その結果、明らかな対立状態となり、深淵の騎士(Ritter der Tiefe)はコスモクラートとの関係を断った。

Drittkonditionierte
三次制約者

---> パーリアン(Perlians)

Drofronta
ドロフロンタ

 天の川銀河系の外部中枢環(Zentrumsring)にある赤い恒星で、ソル系から24441光年の距離にある。ドロフロンタには4つの惑星があり、第2はガラナー(Galaner)である。

Droiden
ドロイド

---> Homuter

Drugun-Umsetzer
ドルグン置換器

 コスモクラート(Kosmokraten)由来の技術による特殊装置で、宇宙の城(kosmischen Burge)全部に分散して隠してある。これは、城を隠れ家であるミクロコスモスから通常宇宙へと呼び戻すために設置されている。さらに、UFO航宙士(UFOnauten)はこれを、宇宙的長距離を越えた彼方へ物を運ぶ輸送システムとして使っていた。

Druis
ドルイス

 M87銀河系に住む知的種族。ドルイスは平均身長2m、肩幅1.30m、その姿はハルト人(Haluter)に似ている。6本の手足にはそれぞれ6本の指がある。頭は半球状で、底部の直径は50cm。ハルト人と違い、ドルイスには直径5cmの黄色く光る眼が4つある。皮膚の色はほぼ純白で、腹部側に不規則な黄色いしみがある。喉の口には鋸状の歯が並び、2つの耳および鼻の開口部には皮膚片があって閉じることができる。ドルイスは「階級章」として20個の青く光る石を携行しており、白い胸の皮膚とくっついて、M87の青い中枢光輝を象徴している。ドルイスの知的水準はほぼハルト人のそれに相当する。衣服は、規則によって、薄くほぼ透明なトーガのような服を着ている。頭頂部には吸収環(Saugring)でつながれたピラミッド状の個人防御シールドコントロール装置がある。この装置はそれぞれ携行する権限を持つ個人の脳波に調整され、その者によってのみ作動する。もちろん考えるだけで動作し、青い中枢石のハイパーエネルギー放射に影響を受ける。
 ドルイスはM87銀河系の基地技術者として、星間基地の全権を任された指導者であり、惑星上にも宇宙空間にも居住し、青い中枢部光輝のエネルギー供給を開閉する任務も負っている。

Drulensot, Drul
ドルレンソト、ドルル

 通称「深淵の関所番(Tiefenzöllner)」、恒星コルトランス(Cortrans)の北極にあるコスモクラート基地唯一の住人。この基地は深淵(Tiefe)への数少ない入口の一つである。ドルレンソトの関所番の任務は深淵訪問者の道中の準備をすること。それによって、深淵に害をなす物、例えば衣類や技術的設備を持って、コルトランスと深淵の間に作られている次元間交通手段である深淵航行椅子(Tiefenfahrstuhl)に乗りこんだりしないようにする。かつて、深淵と標準宇宙間に頻繁な行き来があった頃には、深淵の関所番が大勢いた。今日ではドルル・ドルレンソトは、たったひとりのギルドのメンバーである。
 深淵の関所番の外観は、直径1mの緑の球である。見分けのつくような手足はなく、(液状の体を移動させることで)転がったり、(筋肉質の体表を縮めたり伸ばしたりして)飛び跳ねたりして移動する。訪問者とはテレパシー的手段で意思疎通する。長い孤独のために彼の挙動は奇妙になり、たいがいは不機嫌で、時には侮辱的に振舞う。相対的な不死性を持っているらしく、その職位をもう数百万年勤め続けている。NGZ 427年10月、ドルル・ドルレンソトはイェン・サリク(Jen Salik)とアトラン(Atlan)を迎え、望み通りの深淵への旅を提供した。

Drung
ドルング

 2400年ツイン星系の惑星クアルタ(Quarta)で遭遇した、アンドロメダ銀河系から追放された種族のひとつ。顕微鏡的に細い、自給自足型の変化する細胞システムが互いに結びついて、全体でいわゆるマイクロ繊維を形成する。
 この繊維は自由に分離・増殖でき、全体の量もそれによって増加する。単独の胞子繊維の形では、非常に細いので、人間の体組織にたやすく侵入できる。この時のドルングにはまだ知性はなく、単なる原始的寄生生物のように本能的である。一度胞子繊維が体内に侵入すると、神経繊維や太い血管の内部ですぐに細胞分裂と増殖を開始する。量が増えると、ドルングに知性が発生する。
 胞子繊維から数十億もの細胞が発生し、宿主は次第に支配される。この寄生生物は集結するとひとつの球状になる。
 ドルングにはパラ心理的な性質はなく、犠牲者の重要な神経結節や、生物的に重要な器官を、覆ったり縛ったりする。脳の主神経システムの直接切換により、ドルングは宿主の眼を使って見ることができる。宿主への指令は、最初は寄生生物の意思に反するとすぐ苦痛を発生させることで伝達される。一度寄生されると、最高の外科医でももう手術ではドルングを除去できない。
 2400年にドルングに支配されたクレストII乗員は、最後の瞬間、5次元振動放射によって救助された。

DRUSUS
《ドルスス》

 2040年〜2045年の太陽系艦隊旗艦、直径1500m。

Druuf
ドルーフ

 異宇宙出身の昆虫系の知的種族。平均的体長は3m、丸太のような体に黒い皮革状の皮膚で、体毛はない。2本の力の強い腕には人間と同じく手があり、異様に細い指がある。2本の脚は柱のようである。球状の頭部は直径50cm、前と後ろとにそれぞれ2つずつ眼があるが、鼻も耳もない。ドルーフは個体間の送受信器官を通じて意思疎通し、それは超音波ベースで動作する。三角形の口は栄養補給用のみに使われる。
 ドルーフの故郷は異宇宙の惑星ドルーフォン(Druufon)、その宇宙と我々の宇宙とは、時間経過の相違という隔たりがある。ドルーフ宇宙での時間経過は我々の時間より7万2000倍遅い。ドルーフは自然現象を利用して、我々の時空連続体へ侵入しようとした。2つの時間平面が重なる場所(重複前線(Überlappungsfront)、重複ゾーン(Überlappungszone))では、惑星全体で人口が減少した。それに遭遇した知性体はドルーフ宇宙へ連れ去られ、その遅い時間経過に同調させられる。ドルーフがその効果から期待するのは、我々の宇宙から可能な限り多くとりこむことによって、固有の時間経過を徐々に速め、人類の宇宙と同調させることである。
 テラナーは2040年にこのドルーフ危機に遭遇。しかしアルコン人アトラン(Atlan)の報告によれば、同様の侵攻を既に1万年前にも一度あり、アトランティス(Atlantis)沈降を引き起こしたという。

Druufon
ドルーフォン

ドルーフ(Druuf)の宇宙の二重太陽系シアメド(Siamed)第16惑星で、赤道直径約24000km、重力1.95G、自転周期48.6時間、平均気温摂氏−21.4度、良好な酸素大気を持つ。このドルーフの故郷惑星には21の月があり、そのうちの大きい方の3衛星はさらにそれぞれ衛星を一つ持つ。ドルーフォンの建築物は丸太のように巨大で、多くは蜂の巣状あるいは球状である。街には奇妙な螺旋の塔の形をした高架回廊(Hochstraßen)があり、技術的用途に供されている。また純粋エネルギーでできたドームもある。惑星上にあるものはみな、暗いブルーグレイあるいは黒に塗られている。赤い太陽の光が緑色の住民と混じり、ドルーフォンの色はいつも、灼熱のダークレッドと青みがかった緑色をちりばめた独特の光の反射で満たされている。

Drya-Pallu
ドリャ=パルー

 天の川銀河系のハローにある宙域で、NGZ 1144年時点ではクロノパルス・ウォール(Chronopuls-Wall)とヴィールス・ウォール(Viren-Wall)の中間に位置する。ドリャはトーラ(Thora)星系を、パルーは惑星キョン(Kyon)を意味する。

Drycnasch
ドリクナシュ

 惑星ヤーンザー(Yaanzar)の大天文台で、惑星赤道に近く、首都ノパロール(Nopaloor)からは590km 離れた標高10860mの高山にある。3457年、ペリー・ローダン(Perry Rhodan)はドリクナシュを訪問し、銀河系航行データを発見して天の川銀河系へ帰還しようと試みたが、徒労に終わった。

Dualfusion
双対融合

 2つ以上の意識断片(Bewußtseinsfragment)の融合。ここで言う意識断片とは、超知性体エスタルトゥ(ESTARTU)から紀元前55000年頃、ユアタフ(Juatafu)のロボットとベングエル(Benguel)に分配されたものを指す。双対融合は、ヴェノク(Vennok)諸種族に属する者が近くにいて、触媒として働くときのみ、発生する。そのとき、ユアタフとベングエルは光るフィールドに包まれ、死んだように倒れる。しかし死んではおらず、すぐに回復する。ただし、それまで持っていた知性を失った、いわば原始的生物としてである。
 双対融合の後、ベングエルとユアタフはいくつか集まって双対ブロック(Dual-Blöck)と呼ばれる知性フィールドを発生させ、強さを増していき、小さめのエスタルトゥ意識の部品となる。(意識細片(Bewußtseinssplitter)を授かったユアタフとベングエルすべてが双対融合すると、エスタルトゥが完全に復活する。)双対ブロックの持続時間は、集まった意識細片の数による。その後、それは急に燃焼して非組織的プシオンエネルギーに変わる。これは、感度の非常に高いハイパーエネルギー計測機器なら測定可能といった程度である。双対ブロックの持続時間は、意識の数と指数的な関係にあり、ほぼ以下の通り。

2断片:持続時間5ミリ秒
4断片:持続時間25ミリ秒
8断片:持続時間125ミリ秒
16断片:持続時間625ミリ秒
32断片:持続時間3125ミリ秒、つまり3.125秒、
という形で、断片が倍に増加するごとに、発生した双対ブロックの持続時間は5倍になっていく。このことから、エスタルトゥは1000億もの意識断片を撒いたので、比較的少ないと思われる突発的な双対融合で失われた量は無視すると、復活した超知性体の生存時間は、我々の宇宙の現在の年齢よりも大幅に長くなると考えられる。

DUCKO
《ドゥッコ》

 コード番号ORG-Z 12の監視ステーションの固有名。土星の輪の中に設置されている。いわゆる絶対ステーション(Absolut-Station)であり、直径725mの円盤形、最高地点は112mの高さがある。《ドゥッコ》はインケロニウム=テルコニット(Ynkelonium-Terkonit)製。ステーションは3586年、LFT(自由テラナー連盟(Liga Freier Terraner))に拿捕されたローヴァー船《ゴンダーヴォルド》(loowerische Schiff GONDERVOLD)の隠し場所として使われた。

Dukes
デュークス

 惑星シグナル(Signal)生まれの知性体で、小人(平均身長45cm)の姿をしたヒューマノイド生物。デュークスは円錐形の小屋に住み、その集落は80軒ほどまでと思われる。彼らには我々の意味で言う産業がない。自然は万物の母と見なされている。デュークスは、その自然との一体化を強めようと努めている。中でも彼らの持つ自然治癒技術は、人類の想像もつかないレベルに達している。
 3580年、テラナーがシグナルに着陸した際、その乗員の10%が原住民から地酒をもらい、アフィリー(Aphilie)を脱した。しかし、その探検隊の人間が全員治癒される前に、トレヴォール・カサレ(Trevor Casalle)が介入した。

Dumfries
ドゥムフリー

 M87銀河系に住む知性種族で、この銀河系内部における戦士カースト(Soldatenkaste)スコアル(Skoars)の後継種族である。ドゥムフリーの外見は直立歩行するヒキガエルで、ハルト人(Haluter)のように2列に並んだ腕の組がある。本来の体は重くどっしりとした正方形で、両脚は短くずんぐりしている。短い首の上にほぼ三角形の頭が乗り、その両側に並ぶのは優秀なカエルの目である。手と足は4本指。ドゥムフリーの胴体全体は重いクリスタル製の胴鎧に包まれ、さらに背中は甲殻が保護し、体の残りの部分を金属光沢のシルバーブラウンで照らしている。
 ドゥムフリーの戦闘服は、胸側と背中側とで広いベルトが交叉し、腰の高さに幅20cmの多目的バンドが締められ、丸いバックルには通信器、その下は太ももまでのズボン、革製のようなブーツが足とすねと膝までを覆っている。ドゥムフリーの武器は基本的に、麻痺振動作用と殺傷作用を持つ熱線とを切りかえることができるコンビ銃である。戦士カーストの地位標章はみな、バンドのバックルにエッチングで記されている。

Dunkelwolken
暗黒星雲

---> 銀河系内星雲(Innergalakitsche Nebel)

Dunkler Himmel
暗黒宙域

 アプサンタ=ゴム(Absantha-Gom)銀河系とアプサンタ=シャド(Absantha-Shad)銀河系の重複ゾーンのコア部分、直径1万光年の名前。暗黒宙域の最大の厚さは約1000光年。重複ゾーン全体は1万光年の3万5000倍に及ぶ。暗黒宙域の中央には超知性体エスタルトゥ(ESTARTU)の主星、惑星エトゥスタル(Etustar)がある。

Duplos
デュプロ

 島の王(Meister der Insel)のマルチデュプリケーター(Multiduplikator)による生命体複製物の名称で、外見も体組織も完全にオリジナルと一致している。完全な知識はもとより、対象となった者の記憶、性癖も持つ。意見や信念だけ、消して他のものを植えつけることができる。2401年初頭、マークスによって作られたテラナー・デュプロは、外見はその型(原子原型)をとった人間そのものだったが、思想はマークスのそれだった。それによってマークスは天の川銀河系に橋頭堡と第五列を形成した。頭蓋に埋めこまれる、神経波受信器と呼ばれる10ペニヒ硬貨の大きさの装置の製造開始後、各デュプロは島の王たちが直接操作するようになり、必要とあらば死なせることもできる。テフローダー(Tefroder) 艦の乗員の大半は同じくデュプロである。

Durg
ドゥルグ

 ライトイエローの巨星で惑星は10個、第4惑星はドゥルゲン(Durgen)。球状星雲M13外縁からの距離は2.37光年である。

Durgen
ドゥルゲン

 恒星ドゥルグ(Durg)の第4惑星、赤道直径12575km、重力0.98G、自転周期18.7時間、平均気温は高く、酸素大気を持つ。ドゥルゲンには5つの大陸と比較的小さな海が多数あり、天然の水路が互いを結んでいる。極は凍結している。回帰線と赤道の間の温暖な気候の地域では、熱帯性の植生が豊かである。大きくどっしりとした植物は透明で、太陽光を蓄え、スペクトル全域に渡る色を反射する。そのようにして生まれた光は、しばしば惑星を訪問する者たちの知覚を混乱させる。ドゥルゲンには新アルコン人(Neu-Arkoniden)約100万人が居住、そのうち2万5000は首都ゴスタバール(Gostabaar)に住んでいる。ホワルゴニウム(Howalgonium)が豊富なこの惑星に3587年、居住して調査したのは、アルコン人キーンミデン(Kihnmyden)である。

Dürk, Leo
デュルク、レオ

 NGZ 425年頃の《バジス》(BASIS)火器管制責任者(Waffenmeister)。レオ・デュルクはNGZ 343年テラ生まれ、ずんぐりむっくりの体形に灰色の瞳のさえない顔。専門分野は火器技術で、第一級のエキスパートである。デュルクは特殊な感覚をもって隠れたユーモアを発するが、残念ながら周囲がいつも理解できるとは限らない。
 レオ・デュルクはNGZ 427年5月、主にローランドレ(Loolandre)進攻で活躍した。

Durzuul
ドゥルツール

 ハープーンのアルマダン(Armadan von Harpoon)の《施設》(ANLAGE)に属する24惑星のひとつ。オービター(Orbiter)の産物に関する、研究解析所の機能を持つ。ガルベシュの群れ(Horden von Garbesch)による新たな天の川銀河系攻撃に備え、侵略者を迎え撃つための技術革新が必要となり、ドゥルツールにやってきてそこで調査が行われた。作用の仕方がわかり次第、それに対応する防御手段も開発できる。
 ドゥルツールはおよそ地球の大きさで、グリーンとブルーグリーンの大地と海と内海を持つ楽園のような酸素大気惑星である。ソル系からの距離は約5万光年。

Dusty-Queen-System
ダスティクイーン星系

 M87銀河系の死の星雲(Todeswolke)の内部に287光年入ったところにある星系で、巨大な赤い中枢星ダスティ・クイーン(Dusty Queen)と3つの惑星、ノルヴォ(Norvo)、ツォートコーン(Zootkohn)、パウパー(Pauper)がある。星系が存在するのは生命泡(Lebensblase)の保護圏の中にだけである。それは半径約1億kmの巨大な真空で、人工的に作られコントロール下にある定常高エネルギー拡張(Konstanten Hochenergie-Expansion)によって維持されている。この真空内には星間物質だけでなく原生藻類も見つかる。これらは恒星のマルチエネルギー放射圧力(multienergetischen Strahlungsdruck)によって滞留している。定常高エネルギー拡張の正確な機能原理を解明することはもはやできない。2436年、機能を担っていた主制御センターを、パウパー(けだもの(Bestie)の中心惑星)での戦闘の際、テラの突撃コマンドが破壊した。高エネルギー拡張の崩壊により、死の星雲の塵埃や繊維物質がこの真空へ流入し、星系の3つの惑星を埋めつくした。

Duuhrt
ドゥールト

 チョールクス(Choolks)の言語でのテルムの女帝(Kaiserin von Therm)の呼称。

Duynt
デュイント

 恒星エヴェルタート(Eveltaat)の第4惑星で、マト・プラヴト(Mato Pravt)であるヘルタモシュ(Heltamosch)の故郷惑星。

Dwellion
ドウェリオン

 恒星デウェル(Dewell)の第2惑星で、赤道直径13936km、重力1.14G、自転周期16.44時間、平均日中気温摂氏31.8度、酸素大気。ドウェリオンには大陸は2つだけで、小さな島が数多くある。湿って暖かい気候のため、植物は生い茂っている。この惑星はアファネウス(Aphaneus)の故郷である。

Dyray
ディライ

---> ライト(Rayt)

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レキシコンIII入口 / PRTP入口